毎年2月中旬~3月中旬にピークを迎えるスギ花粉。今年は例年より1週間以上早く飛散が始まったそうです。花粉症の人がたいへんなのはもちろん、症状が出ていない人にとっても、いつ発症するかと気持ちが治まらない季節ですよね。花粉症はなぜ起こるのでしょうか。また、どう対策したらよいのでしょうか。「ダイソン花粉対策トークイベント」から、最新の花粉対策についてレポートします。
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花粉症患者は10年間で10%アップ
花粉について教えてくれたのは、耳鼻咽喉科の医師・大久保公裕先生です。
現代の日本では、花粉の飛散量は増える一方だそう。大きな原因のひとつはスギ・ヒノキの人工林。戦後に植えられ始めた人工林は、今や国土の約19%の面積を占めています。この人工林で、花粉生産能力の高い樹齢30年以上の成木がどんどん増えているのです。これに加えて、地球温暖化の影響も受けているのだとか。
花粉飛散量の増加だけでなく、大気汚染や居住環境、食生活、腸内細菌叢の変化など、さまざまな要因が重なって、花粉症患者もまた、増えているそうです。その増え幅は16.2%(1998年)から26.5%(2019年)というから驚きです。
今年は暖冬の影響で、例年よりも1週間以上早く花粉が飛び始めています。量としては、北海道南部~東北地方北部は平年より多く飛散することが予想されています。これは2019年の夏、この地域は平年よりも晴れて暑い日が多く、雄花の生育に好条件だったから。同じ時期にくもりや雨がちだった西日本・東日本では雄花の生育に不向きだったため、2020年の花粉の飛散量は少ないことが予想されています。
「平年より少ない地域でも、発症には十分な量の花粉が飛散しています」と大久保先生。
花粉情報に気をつける、メガネやマスクを活用する、花粉の飛散量が多いときには外出を控える、など基本的な対策のほかに、どのような方法で、花粉をブロックすればよいのでしょうか。
花粉対策は「持ち込まない」「排除する」「まき散らさない」の3本柱で
●持ち込まない
まず、ついた花粉を室内に「持ち込まない」ことが大切。服についた花粉は外でしっかり落としてから家に入ります。静電気の少ない服を着るのも効果的です。可能であれば、帰宅後すぐにお風呂に入り、頭からシャワーで花粉を洗い流すのがオススメです。
「花粉対策には『見えないものをイメージする』ことが大切です。花粉は目には見えません。でも、花粉が多い日に公園のベンチでお弁当を広げれば、そこにはたくさんの花粉が降り注ぐわけです。だから、どんなに気候がよくても、花粉が多い日に外でお弁当を広げるのはちょっと控えましょうね、と、そういうことです」(大久保先生)
●排除する
空気清浄機で室内に舞う花粉を排除するのが効果的。同じ室内でも人が主に活動する空間には花粉がたまりにくいそう。外からの空気が入って来やすい玄関や窓、リビングの入り口などに空気清浄機を置くのがよいそうです。
●まき散らさない
室内の空気を加湿しつつ、循環させるのも重要なポイント。加湿器で室内の湿度を上げると花粉が床に落ち、舞うことができなくなります。こうして落とした花粉を掃除機で吸い取ることで、花粉のまき散らしを防ぐことができるとのこと。
また、気密性の高い現代の家屋では、風通しが悪く、部屋の四隅に花粉がたまるので、空気を循環させ、部屋の隅に花粉がたまりにくくするのも大切だそうです。
声優・梶 裕貴さんが実践するギリギリの策はオリーブオイルと揚げものだった?
花粉症の基本を学んだところで、声優の梶 裕貴さんが登壇。さまざまなアニメ作品のキャラクターの声を担当する梶さん、じつは花粉症を発症してから10年以上経つそうです。
「(声優の仕事の)現場では、マスクはできないですし、精密機器があるので加湿器が使えない場合も多いです。なので、日頃の対策は怠りません」。手洗い、うがい、マスク着用はもちろん、起床時と帰宅時には鼻うがいをし、寝るときは加湿器を使用。食事と睡眠にも気をつけて、免疫が下がらないように心がけていると話していました。
花粉症対策には腸内環境を整えることも大切ということを知り、自分に合う菌を摂取するといった「腸活」もしているそう。
梶さんが健康に気をつけ始めたのは、声の仕事だけでなく、舞台やドラマなどでも活躍するなかで、いつでも動ける体作りを意識し始めたとき。いろいろな種類の食べものを、楽しんでたくさん食べる、という期間が長かったそうですが、体作りをするために健康について勉強し、食事の質を見直したところ、体のコンディションがよくなったそうです。現在も花粉対策のためだけではなく、疲れたときは筋肉の再生にいいといわれる牛肉を食べるなど、健康に気をつけて生活しているとのこと。
声優の仕事をするうえで、叫び声を上げたり、ふだん使わない音域の声を出したりするなど、のどに負担をかけることも多いという梶さん。「どうしてもというときには、揚げものを食べたり、オリーブオイルでうがいをしたりしてのどを潤している」と、意外な対策も上がりました。
これに対して大久保先生は、
「粘膜を乾燥させないというのはとても大切。とくに口は乾きやすい場所ですし、一度乾いてしまうと、カンタンには潤すことができません。話し続けるときはこまめに水分をとるのは大事です。オリーブオイルを少量飲むといったことも、悪くないですね」とコメント。また、鼻の奥からのどにかけては乾燥しやすく、花粉も付着しやすいので、寝室に加湿器を置いてしっかり加湿すると、花粉の付着を防ぐことができると語りました。
空気の「加湿・清浄・扇風機」―1台で3役こなす「Dyson Pure Humidify+Cool」
今回紹介されたのは、「Dyson Pure Humidify+Cool」という製品。花粉や、さらに小さなPM0.1レベルの粒子を99.95%除去できる空気清浄機だそうです。PM0.1とは、半径が0.1μ(ミクロン)の粒子のこと。1μは1mmの1000分の1の長さなので、PM0.1 は10000分の1mm。半径10000分の1mmの粒子も逃さないというのはすごいですね。空気の清浄ができるうえ、加湿ができ、扇風機にもなるという1台3役をこなすマシーンです。
大久保先生が強く推していた点は、手入れのしやすさでした。加湿するための水はUV-Cライトで殺菌されるほか、タンク内もスイッチひとつで洗浄ができます。
梶さんは、音が静かなのが気に入っていると言っていました。
わが家には加湿器も空気清浄機もありません。でも、花粉も大気の汚れも気になるこの頃…。心がひかれる花粉対策イベントでした。