生理の前から胸が張って痛くなって、頭は重いし、手足がむくんで、気分的にもイライラしちゃう。毎月毎月、生理にわずらわされてウンザリする…。
生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。今回は生理前の心身の不調をケアする方法をうかがいました。
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CASE20
いつも生理の10日ほど前から、体がむくんだり、胸や下腹部に鈍い痛みがある、頭も重いし、イライラしやすくて、どうにかならないかなと思ってます。
小林先生のお答え
体を動かしお風呂に入って、マッサージでできるだけ快適に
19時ごろに体を動かし、体温のメリハリを
PMS=月経前症候群で、毎月つらい思いをしている方は少なくありません。
ただ生理前にイライラしがちなのは、PMSの症状のひとつというより、うまく体温のメリハリがつかず、眠りの質が悪くなっているからとも考えられます。
ふだん深部体温がもっとも高いのは19時ぐらいで、寝る前に下がることでよく眠れます。ところが、生理2週間ほど前から生理が始まるまでは、体温が高い時期。眠る前もあまり下がらないことがわかっています。それに、夜暗くなったら分泌するメラトニンという睡眠ホルモンが、生理前は分泌されにくいのです。
こうして眠りの質がよくないから、いろいろな部分が修復されなかったり、血流が悪くなったり、情動をつかさどるおでこの辺り(前頭連合野)がうまく機能を回復できず、イライラしやすくなるのです。
ですから、まずは生理前に体温のメリハリを作ることが大事です。19時ごろといえば仕事帰りなので、駅でエスカレーターを使わず階段で上り下りしたり、オフィスがビルの上層階にあるなら階段で下りましょう。筋肉を動かすことで熱が作り出されて体温が高くなれば、そのあと下がりやすくなります。
もちろん、お風呂もきちんと入りましょう。温熱効果を高めるために炭酸ガス系の入浴剤を入れて、40度のお湯に10分(炭酸ガス系の入浴剤を入れなければ15分)。血流がよくなるし、寝る前に体温が下がりやすくなります。
生理前は耳をモミモミ、足をフワッ、フワッ
生理前は自律神経が乱れやすく、それが不調につながっています。よく天気によって体調が悪くなる人は、病院へ行くと血流をよくする薬を処方されることがありますが、薬を飲まなくても、耳をマッサージすれば血流がよくなります。
耳の自律神経のツボを押すことを意識しながら、耳全体を回したり、指でモミモミすると、毛細血管の血流がアップ! 自律神経の交感神経が低下してリラックスできます。
また、生理前から骨盤が開き、生理2日目ぐらいがマックスに開きます。ところが、あまりにギュッと堅くなっているとうまく開かないので、意識してゆるめてあげましょう。寝る前に、イラストのようにひざを曲げてあお向けに寝て、手を下腹に当てて子宮や卵巣を温めるようにしながら、ひざを外側にフワッ、フワッと開くと骨盤まわりがゆるみます。
女性にとって、生理は最高のデトックス!
生理が始まる前、妊娠を希望している方は「来ないで」と思っていますし、そうでない方は「あれ、来ない?」と不安になったり、気分的に緊張しがちです。生理中は面倒くさいし、人によっては痛みがひどいし、おまけに生理前にもけっこう心身の不調が続きます。そんなこともあって、多くの女性が生理をあまりいいものじゃないと感じています。
でも生理は、男性にはない最高のデトックスの時間! 要らなくなった子宮内膜がはがれ落ちて、便秘がちな生理前と違ってお通じもよくなってスッキリして、体が軽くなったような気持ちになりませんか?
本来、生理は気持ちがよいもの。毎月、体だけでなく心もデトックスして、新たにやり直すことができるんですから。せっかくなので、生理前も生理中も気持ちよく過ごせるようにケアをして、生理後から素晴らしいリスタートを切りましょう。私は生理がすごーく好きですよ(笑)
取材・文/宮下二葉 イラスト/黒川ゆかり