ふつうに生活していて「骨が弱くなった」と感じることはあまりないですが、歩ける距離が短くなったり、足が疲れやすくなったり…ということはあるはず。それも骨が弱くなっているサインのひとつ。「骨量のピークは20歳。誰でも40代から骨は確実に弱くなっていきます」と話すのは、整形外科医の中村光伸先生。今回は中村先生の著書『医者が考案した 骨粗しょう症を防ぐ 1分間骨たたき』から、骨の健康についてみていきましょう。
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若さや健康のベースは「骨」
日ごろから「骨が弱くなった」と実感している人はほとんどいないでしょう。
しかし、折れてはじめて気づくのが骨の健康です。
「骨粗しょう症患者は1300万人と推定されています。それなのに、骨を意識して鍛えている人は多くありません。自宅でちょっと転んだだけ。それだけで生活が一変してしまう人はたくさんいます」
骨は若さや健康の大きな柱。骨のためにカルシウムをとっているという人はいますが、 じつはそれだけでは、骨はつくられないそう。
中村先生が骨の健康のために考案した「骨たたき」。骨粗しょう症を防ぎ、若々しく健康なからだを保ちます。
「骨の強さは『骨をつくる細胞(骨芽細胞)』と『骨を壊す細胞(破骨細胞)』の働くバランスで変わります。『骨たたき』で刺激を与えると、『骨をつくる細胞』が元気に働き、骨がつくられていきます。反対に刺激がないと『骨を壊す細胞』がどんどん働き、骨がもろくなっていくのです」
骨を強くする! 1分間骨たたき
丈夫な骨を維持するには、栄養と適度な刺激が必要。
「骨への刺激とはいっても、強い刺激が必要なわけではありません。ほんの少し骨に震動を与えれば十分です。具体的な方法は、骨を1日1分コツコツたたくだけ。それだけで、丈夫な骨になろうと、せっせと骨の強化がはじまります」
骨が強くなる「コツコツポイント」
・骨はタテに刺激する
骨に効率よく刺激を与えるには、大きな骨をたたくことです。大きな骨は細長い形状をしているため、タテからたたくほうが、圧力が大きくなって、震動も強くなります。
・筋肉が分厚い場所より、薄い場所から刺激する
骨が分厚い筋肉に覆われている場所は、たたいても筋肉がじゃまして刺激を与えるには非効率。できるだけ筋肉が薄い場所をたたくほうが骨への刺激が大きくなります。
【基本の1分間骨たたき】座ったままで「ひざコツコツ」
椅子に座り、右のこぶしで右ひざの上を、左のこぶしで左のひざの上を、交互にコツコツたたきましょう。目標は10回。 1日に合計100回を目指しましょう。たたくスピードは、1分間に100回が目安です。
骨こそが、いつまでも元気に暮らすための若さの源。
じつは「骨たたき」をすると骨がつくられるときに分泌されるホルモンであるオステオカルシンの分泌も促進します。
最近の研究で、オステオカルシンは体を若返らせるスーパーホルモンであることがわかっています。骨を健康に保つと全身に良い影響があるとか。
次回はこのオステオカルシンについてお伝えしていきます。
文/庄司真紀
参考書籍
『医者が考案した 骨粗しょう症を防ぐ 1分間骨たたき』(アスコム)