新型コロナウイルスの影響で地域差はあれど多くの人たちは自宅待機となり、外出にも気を使う日々を過ごしていると思います。今できることは限られますが、できるだけ外出機会を減らす努力、人との接触率を減らす努力を心がけたいと思います。今回は、旅専門家の小林憲市さんに旅行に行けない今「観光地や施設が発信する新しい旅の未来」について教えてもらいました。
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ステイホームからの新しい「旅」のカタチ
皆さんこんにちは。
新型コロナウイルスの影響で地域差はあれど多くの人たちは自宅待機となり、外出にも気を使う日々を過ごしていると思います。また国民の健康を支える医療従事者の皆さま、ライフラインを支えるために危険を感じながらがんばっていただいている人たちには本当に頭が下がりますし感謝しかありません。ひとりの民間人としてできることは限られますが、できるだけ外出機会を減らす努力。人との接触率を減らす努力をしてゆきたいと思っております。
そんな自宅中心の日々を送る中ですが多くの観光地、施設が発信する新しい取り組みに「旅の未来」を感じます。4〜5月と言えばきれいな花が見られる観光施設が人気です。今年はどこも新型コロナウイルスにより営業ができませんが動画で楽しめる「バーチャルツアー」を提供しています。
国内では長崎のハウステンボスが休演中の園内をオンラインでお散歩できる「マインドフル.オンラインツアー」を実施して話題となりました。自宅にいながらオンラインで園内の春らしい景色が楽しめます。
海外に目を向けるとこの時期、オランダが誇るキューケンホフ公園入場のツアーが大人気です。キューケンホフ公園内の庭園は毎年3月後半から5月半ばしか開演しません。しかし同様に今年は開演することがかなわない代わりにバーチャルツアーを特別に公開しています。世界に誇るチューリップ畑のすばらしい景色に気軽にふれることが今年はできるわけです。またオーストラリア政府観光局、イタリア政府観光局なども新型コロナウイルスの影響で海外旅行がかなわない人たちに向けてバーチャルツアーを展開しています。
もう一度国内を見渡すと、上野で閉館中の国立科学博物館は「おうちで体験!かはくVR」として館内を高画質な3Dビュー+VR映像を提供しています。各遊園地なども臨場感たっぷりで絶叫マシーンが楽しめるバーチャルツアーを発表し始めました。特に学校が再開せず自宅待機しているお子さんなどが自宅で楽しめるものです。こういった動きはまずます加速するはずです。
僕は以前から「旅のリアル」を提唱しています。指先ひとつで世界の情報が瞬時に手に入る現代社会において、バーチャルに深入りしすぎるのは本当に大切なものを見逃す危険性もあります。しかし今回の新型コロナウイルス騒動によって多くの国民がアウトソーシングされるさまざまなコンテンツを身近に扱えるようになってきた気がします。
少し話がそれますが企業の会議もこういった状況下、皆オンラインでまかなえるようになって来ました。今までまったく無かったオンライン飲み会なども多く開催されていますね。OCT(オンラインコミニケーションテクノロジー)の技術が高まると限りなくリアルに近いバーチャルにより今までになかった可能性が広がる気がします。
自宅待機にむけてのみならず、現実に「旅」に出られない状況にあるさまざまな人たちに向けても大きな光に育ってゆく可能性を感じます。新型コロナウイルスは目に見えないがために、人と人を遠ざける厄介な災害です。アフターコロナとは新型コロナウイルスの終焉ではなく、知恵と工夫をもってこのウイルスと共存する時代を受け入れる時代のことかも知れません。そういった動きの中で今まで無かった「よさ」が育ってきているのが唯一の救いに思えます。
「旅」のカタチもどうなっていくのか…。状況を見守りつつその場に応じた変化を意識してゆきたいと僕自身も強く思っています。
新型コロナウイルスとの戦いはまだまだ続きそうですね。外出自粛などで在宅の時間が増したとしても「旅」を通じたあれこれを考えて皆さんに伝えてゆきたいと思っています。
いつかこの騒動が終わり世の中がよくなったとき、たくさんの楽しみを抱えて旅に戻りたいですね。皆さんも心身ともお元気でお過ごしください。必ずよくなる日はやってきます。
ではまた次回!
*写真は本人によるもの。イメージで入れています