毎日出社する必要がなく、仕事の仕方も大きく変わったという人も多いかもしれません。働き方の変化のなかには、働く場所や時間に縛られないフレキシブルワークの浸透があること勤務時間を自由に設定できるフレックスタイムや在宅勤務などもあります。海外の研究では、子育てをする母親の給与面での不利な状況を解消すると報告されています。日本でもフレキシブルワークが広がっており、ママにとっては有利な状況になるのかもしれません。
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結果の出る職場とは
この4月に日本経済団体連合会(日本経団連)が行った調査によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応として、テレワークや在宅勤務を導入した会社は日本国内ではほぼ100%となりました。全体の7割近くの会社で従業員の半数以上がテレワークや在宅勤務になっているという大きな働き方の変化がうかがわれる結果です。この調査の対象には大企業が多いと見られますが、出社を減らす対応をとった企業は少なくはなかったと考えてよいでしょう。
6月に全国で外出自粛の要請が解かれましたが、テレワークや在宅勤務の体制を緩めたあとも、今まで通り全員が毎日出社する生活に戻るというわけではなく、「原則として在宅勤務」という方針を示している企業も出ています。フレキシブルワークは、フレックスタイムや在宅勤務など、働く時間や場所にとらわれない働き方。海外では、新型コロナウイルス感染症を前提とした時代においてフレキシブルワークが新しい正常、「ニューノーマル」になると指摘されています。日本でもフレキシブルワークが広がりそうです。
こうしたフレキシブルワークの拡大は幅広い人々の生活に影響を与えそうですが、カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究グループは2008年に、特に母親として子育てをしながら働く約2万人の大卒女性を対象にフレキシブルワークが広がることの影響を分析しています。
どんな得があるのかを見えるように
この研究からわかったのは、フレキシブルワークが可能となることで、子育てをしながら働いている女性にとって給与のギャップが小さくなるという結果です。子育てをしながら働いている場合には、給与面で不利になりがちで、子どもをもたない女性よりも給与が低くなる傾向がありました。こうしたギャップが勤務時間を自由に設定できる働き方になることで68%小さくなったのです。在宅勤務の場合にはギャップは58%小さくなりました。
フレキシブルワークができないことで、給与水準の高い会社に子育てをする女性は就職しづらかったのが、フレキシブルワークが可能になることで、就職できるようになったといいます。日本でも働き方の変化が急速に進むことも予想されるので、海外のように母親でありながら仕事をもつ女性に恩恵がもたらされることもあるかもしれません。
<参考文献>
緊急事態宣言の発令に伴う新型コロナウイルス感染症拡大防止策 各社の対応に関するフォローアップ調査(一般社団法人 日本経済団体連合会)
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/036.pdf
Coronavirus: Flexible working will be a new normal after virus
https://www.bbc.com/news/business-52765165
Flexible work arrangements reduce wage gap for mothers
https://news.ubc.ca/2018/05/10/flexible-work-arrangements-reduce-wage-gap-for-mothers/