コロナ禍で住宅地でもいつもより人通りがまばらで閑散とするなか、住居侵入や空き巣などの犯罪が増えることが予想されています。それでなくでも女性のひとり暮らしは何かと狙われやすいもの。在宅時間が増えた今、防犯の面を見直してみるのもよいかもしれません。今回は、元捜査一課警部補・佐々木成三さんの著書『あなたとあなたの大切な人を守る捜査一課式防犯BOOK』から、住居まわりの防犯対策についてご紹介していきます。
Contents 目次
防犯ポイントをチェック!
佐々木さんが紹介する防犯ポイントは次の9つ。さっそく、チェックしてみましょう!
1.マーキングをチェックする
「泥棒は狙いをつけた家を忘れないように、家族構成や生活習慣、防犯対策などを数字や記号で書き残すことがあります。それがマーキングです。書く場所は表札や郵便受け、門扉といった玄関ドアの周辺。もし記憶のない数字や記号を見たら、すぐに消しましょう」(佐々木さん)
ポストなどに数字などが書き残されていないか、探してみてください。
2.ロッカーサービスを利用する
宅配便を装ってマンションに入り込み、狙われることがあります。
「インターフォン越しに『○○便です』と伝えられても、予定していた荷物だと確認できるまで入口を開けないこと。不審者をマンションに侵入させると、ほかの住居も危険にさらすことになります。駅前に設置された宅配ロッカーサービスやコンビニ受け取りを活用して、直接部屋に宅配業者が来なくてすむようにするのも有効です」
3.防犯カメラや人感センサーが抑止力になる
「玄関に防犯カメラが設置されているか。勝手口や窓の外に人感センサーがとりつけられていて、人が通るたびに明るくなるか。泥棒が下見をするときは、必ず防犯アイテムの有無を確認します。つまり、泥棒にわかるように防犯アイテムを設置するだけで抑止力になるのです」
玄関や窓辺は見られていると思って、散らかさず、防犯対策を怠っていないように見せるのがポイントです。
4.CP部品で侵入をあきらめさせる
マンションを選ぶときはセキュリティに気を配っているところを選びましょう。
「泥棒は侵入までに5分以上かかればあきらめることが多いといいます。 泥棒に『この鍵は時間がかかる』と瞬時に思わせるのが、警察庁や国土交通省などの官公庁と民間企業が合同で開発した『CP部品』。 CPマークがあるだけで、泥棒は、侵入までに5分以上かかるなど、一定の基準をクリアした防犯性能の高い建物部品だと察知するのです」
たとえ不在宅を狙ったとしても、近隣住民に気づかれれば捕まるリスクが高まるため、泥棒が狙うのは短時間で侵入できそうなところです。気をつけましょう。
5.夜間に洗濯物を干さない
泥棒は夜間に下見していることも多いそうです。
「泥棒の夜の下見は、夜間に留守にする家なのか、長期不在の家はないかを探すのが目的です。何度も夜間に洗濯物をベランダなどの外に干しているのが確認されると、狙われることになります。仮に在宅していて侵入されると、トラブルに巻き込まれるリスクがあります」
6.帰ってすぐに窓側の電気をつけない
最寄り駅からあとをつけられて、自宅を特定されないことも大事です。
「犯罪者は帰宅する女性のあとを追い、自宅を確認する場合があります。ドアは周囲を見渡してから開け、中に入ってもすぐには窓側の電気をつけないようにしましょう。スマホなどで照明をリモートコントロールできるなら、帰宅前に室内照明をつけておくのもいいでしょう」
7.ドアスコープに目隠しする
ほとんどの玄関ドアに標準装備されているドアスコープ。本来は内から外にいる訪問者を確認するために使用されますが、室内をのぞくために悪用されることもあります。
「ドアスコープは外側から簡単にとり外せます。玄関の目の前が部屋の場合はその穴からのぞかれたり、盗撮されたりする危険性があります。また、その穴から針金状のものを差し込み、鍵を開け、侵入される可能性もあります。そうなる前に、ドアスコープに内側からドアスコープカバーなどをとりつけることで、防止しましょう」
8.電源タップをチェックする
盗聴器の設置場所で一番多いのは会社などではなく住居。
「盗聴器がどこにセットされているかというと多いのは電源タップ。電源タップ型の盗聴器はコンセントに差し込むだけで音声を拾われ、気づかれなければ、半永久的に盗聴されてしまう危険なものです。目印はA、B、Cと書かれたシール。使用電波の種類を表示するもので、電源タップにシールが貼られていたら要注意です」
9.防犯グッズの特長を知って、使いこなす
何かがあったとき逃げるのが最優先。追い詰められたときは、防犯ブザーや催涙スプレーなど防犯グッズも助けになります。
「防犯グッズはただバッグに入れておいて安心材料にするのではなく、どんな状況で使えば最も効果を発揮するのかは知っておきましょう。たとえばスラッパーは海外の警察でも使用されている護身用の道具です。力がなくても高い攻撃力をもっているすぐれものです」
何かと心細い女性のひとり暮らし。
しっかり防犯対策をしておくと身を守ることにつながります。
文/庄司真紀
参考書籍
『あなたとあなたの大切な人を守る捜査一課式防犯BOOK』(アスコム)