コロナ禍で公共交通機関を避けて、自転車での移動を選ぶ人が増えています。そうなると意識したいのが、自転車の盗難です。自転車盗がなくなると、犯罪の4分の1はなくなるとされ、どんな地域でも日常的に被害者になる可能性があります。今回は、元捜査一課警部補 佐々木成三さんの著書『あなたとあなたの大切な人を守る捜査一課式防犯BOOK』から自転車を守る対策についてご紹介していきます。
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犯罪の4分の1は自転車盗
2019年の犯罪総数(認知件数)は4万8559件。そのうち自転車盗、オートバイ盗、自動車盗のいわゆる乗り物盗は8万7101件あまり。なんと約25%を占めるのが“乗り物盗”なのです。
「世のなから自転車やバイクなどの盗みがなくなれば、犯罪の4分の1はなくなる計算になります。そして乗り物盗のなかでも多いのが自転車盗です。乗り物盗の約90%を占め、盗まれる自転車の台数は、1日に約460台にも上ります。もちろん警察もこの事実はしっかり把握しているので厳しく取り締まりを続けていますが、なかなか減らないのが現状です」と佐々木さん。
高級なものだけでなく低価格自転車もターゲットに。またパーツだけを盗むパターンも多いとか。
自転車を盗まれないための防犯テク
そこで、佐々木さんがアドバイスする自転車を盗まれないための防犯犯テクニックは次の5つ。チェックしていきましょう!
1.アースロックなら簡単に動かせない
「自転車泥棒が狙えないのが、アース(地球)ロックされた自転車です。柵や電信柱、街路樹など、人の力では簡単に動かせないものと自転車を鍵でつないでおけば、持ち運ぶことができません」
家のなかに入れられる場合は建物のなかに入れますが、それができない場合はアースロックできる場所を探してみましょう。
2.停める場所を毎回変える
「少し歩くことになっても、毎回停める場所、できれば駐輪場を変えることです。いつも同じ場所に停めていると泥棒の頭のなかにインプットされ、狙いを定められ、盗まれるリスクが高くなります」
空き巣と同じように下調べをしてから盗むことが多いのが特徴。目にとまらないようにするのがコツです。
3.ダブルロックで諦めさせる
自転車泥棒で多いのが“乗り捨て”。
「乗り捨て犯が狙うのは簡単に盗める自転車。つまり、 犯人は“面倒そうだな”と思うと犯行を諦めます。そのため鍵は2つかけておくこと。ワイヤーロックやU字ロックなど頑丈な鍵が自転車の前とうしろにかかっていたら、乗り捨て犯はすぐに諦めます」
4.サドルにも鍵をつける
転売目的、嫌がらせなど、パーツだけを盗む特殊な泥棒も。
「自転車パーツのサドルだけを狙う泥棒がいます。サドルを守るには、サドルと本体が離れないようにロックしておくこと。 ワイヤー式のサドルロックを使えば、しっかり本体とつないでおくことができます」
5.パーツの写真を撮影しておく
スポーツタイプの自転車のパーツ泥棒は、ほとんどが転売目的。
「盗まれたパーツはネット上で売買されるケースがよくあるので、 高額なスポーツタイプの自転車は、購入したその日にパーツそれぞれを写真に撮っておくようにしましょう。しっかり記録し、のちにオークションサイトなどに出品されていた場合、自ら発見し、警察に情報提供することが可能となります」
運動不足の解消にも自転車を利用するのはよさそうです。自転車盗に遭わないために上記のような方法を実践してみてくださいね。
文/庄司真紀
参考書籍
『あなたとあなたの大切な人を守る捜査一課式防犯BOOK』(アスコム)