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オンラインならではのコミュニケーション能力とは?~人間関係に悩むすべての人に贈る、和田裕美の“程よい距離”を見つける方法~
新型コロナウイルスの影響で、人とのコミュニケーションの場もずいぶん様変わりしました。直接顔を合わせることは減り、画面から離れれば素の自分が生活する空間が広がっています。とはいっても人間関係の難しさは、やはり付きまとうもの。著書累計220万部のビジネスコンサルタントで、外資系教育会社時代に世界142カ国中2位の成績を納めた女性営業のカリスマ、和田裕美さんは、「むしろオンラインだからこそ、コミュニケーション能力が求められます」と言います。オンラインでのコミュニケーションの肝をうかがいました。
Contents 目次
オンラインだからこそ求められるコミュニケーション能力
新型コロナウイルスの影響で、コミュニケーションのスタイルは大きく変わりました。直接人と会うことが減り、オンラインでの会議や打ち合わせ、飲み会、ランチなどが増えた人もいると思います。
人と直接会わないからといって、コミュニケーション能力がそれほど必要ではなくなるわけではありません。人に会うときの第一印象とか身だしなみの大切さ、笑顔で相手の話にうなずくことなどは、オンラインでも対面でのコミュニケーションでも同じです。初対面の相手であれば、会う前に相手のSNSを見るなどして背景を知っておくとか、そういう努力が必要なことも、共通ですね。
加えて、オンラインだからこそ求められるコミュニケーション能力もあるのです。
対面でのコミュニケーションの場合、相手の全体的な雰囲気とか態度などもわかりますし、五感からいろいろな情報を得ることができます。でもオンラインだと、顔と声の比重がとても大きくなりますよね。画面越しだと直接会うのと比べて細かな反応も伝わりにくくなります。ですから、顔の表情や動作、声の張りや抑揚など声の表情、聞き取りやすさなどが、対面よりもはるかに重要です。顔の表情では、笑顔を多くしましょう! 笑顔になることで、自分の気持ちが明るく楽しくなりますし、それは相手にも伝わります。
新型コロナウイルスによる自粛が始まって以降、私は毎日のように1対1から1度に1000人を超える規模まで、オンラインでさまざまなコミュニケーションをとっています。その際、動作をより大きくしたり、声もより張って表情をつけたりして、本当に伝えたいことが伝わるように気を配っています。
Zoomでは反応の差が際立つ
また、リモートでの会議などに使われることの多いWeb会議ツールのZoomでは、カメラをオフにしない限り、参加者全員の顔が、同じ大きさで画面上に並びます。自宅で目の前に上司や同僚がいないと、つい気がゆるむかもしれませんが、この状態では、反応がよくしっかりと聞いている雰囲気が伝わる人と、反応が薄くてわかりにくい人との差が際立ちます。どちらの好感度が上がってどちらが下がるのか、言うまでもありませんね。
いくら一生懸命、仕事に集中していても、リモートワークだとその姿は上司や同僚には見えません。ですから、オンラインでの会議や打ち合わせのときの反応が薄いと、「やる気がないのかな?」と思われかねません。頑張って仕事をしているのに、ちょっとオンラインでのコミュニケーション力が足りないだけでやる気を疑われたり評価が下がったりするのは残念だし、もったいないことですよね? ですからオンラインでの会議や打ち合わせのときには、自分の見え方を意識し、好感度の高い反応をしている人がいれば参考にしましょう! やや大げさなくらいの反応でいいのです。
オンラインでスキルを磨けば対面でも必ず役に立つ!
そして、本当に大事なのはトーク力です。オンラインでは、実際に会うよりも無言の間が持ちません。いかに会話を続けるか、会話力を磨くことを意識してくださいね。これについては、初めにも話したように、相手のことを知ったうえで、相手に興味をもって質問したり、一生懸命に反応する努力をしたりしていけば、コミュニケーションはとれるようになっていくと思います。
そうして自分が努力していても、相手の反応が薄くてよくわからないこともあるかもしれません。そんなときでも影響を受け過ぎてしまわずに、自分の表情や反応に注意を向けましょう。そう、相手の空気に影響を受けず、自分がこのオンラインの場をどうしたいのかを考えながら、積極的に空気を作っていくのです。
少し大げさなくらいきちんと反応したり、笑顔を作ってみたり……。オンラインならではのコミュニケーション力を身につけることができれば、対面でのコミュニケーション力も上がって、必ず役に立ちます。自分のために必要なスキルだととらえ、磨いていきましょう!
取材・文:寺田千恵
参考図書
『人の心を動かす話し方』(廣済堂出版)