キラキラしている友だちのSNSに「いいね」が押せない…、そんな自分がイヤになったことはありませんか? あるいは「いいね」をもらえない自分に落ち込んだり。たかがSNS、されどSNS。SNSに感情を振り回されがちだという悩みへの回答を、著書累計220万部のビジネスコンサルタントで、外資系教育会社時代に世界142カ国中2位の成績を納めた女性営業のカリスマ、和田裕美さんにうかがいました。
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SNSの利用時間を減らすと落ち込みや孤独感が減る
今回のテーマはSNSです。友だちのSNSを見て、なんだかモヤモヤする、という人も少なくないようですね。
たとえばSNSで友だちの投稿を見ていると、充実していて楽しそう、それに比べて自分は……、と落ち込んだり、幸せそうな友だちの投稿に「いいね」ができない自分がイヤになったり、という経験、ないでしょうか。人間ってどうしても、自分が大変な思いをしているときに、友だちが成功した話を聞いたりすると、悔しくなったり、自分はなんてだめなんだ、とストレスがかかったりするものです。友だちとか、近い人の成功や幸せは、嫉妬を生みやすいんですね。
そういうときには、どうすればいいかって? SNSを見すぎないようにするのがいちばん。SNSの利用時間を30分以内にして、特に友だちの写真を見る時間を減らすと気分の落ち込みや孤独感が激減することが、ペンシルベニア大学の研究で明らかになっているんですよ!* ですからなるべく見ないようにして、どうしてもコメントをしないといけないのなら、中身を見ずに「いいね」を押すくらいのつもりでいいんじゃないかと思います。
*(参考)https://www.businessinsider.jp/post-179811
「いいね」する気持ちになれない人もいる
逆に、おいしいものを食べたことをシェアしたいから、うれしいことがあって一緒に喜んでほしいから、と純粋な気持ちで投稿したのに、思ったように「いいね」がもらえなくて落ち込む、という話も聞きます。そういうときには、「いいね」をしてくれた人に感謝しつつ、「いいね」する気持ちになれない人もいるということを思い出してくださいね。
それに、おいしいものを食べて「おいしかったー!」、あるいはいいことがあって「うれしかった!」「楽しかった!」という気持ちに自分がなれれば、十分、幸せなことですよね? それなのに、そのできごとをわざわざ写真に撮るなどしてアップし、他人からの「いいね」が少なかったら落ち込むって、どうなんでしょう?? 自分が感じた、「おいしかった」「うれしかった」「楽しかった」という気持ちは本物だったのに。
「いいね」がもらえないと落ち込むっていうのは、誰かに承認してもらわなければ自分の幸せを測れない、自分の幸せを他人に決めてもらう、ということでもあるのです。ですから、誰かに承認を求める行為は、「自分が幸せであれば、他人がどう思おうと関係ないわ」という気持ちになれないのだったら、やらないほうがいいかもしれません。
SNSをやらないと遅れてしまう?
「でも、みんなSNSやってるし、やらないと周囲から取り残されるんじゃないかしら……」と思う人がいるかもしれません。本当にそうでしょうか? たとえばみなさんの周りで、しょっちゅうツイッターでつぶやいている人ってどれくらいいますか? SNSをしょっちゅうやっている人ってじつはそんなに多くはなくて、受身で閲覧するために登録する人が全体の80%くらいだと言われています。あとはメッセージのやりとりのツールとしての使い方が中心です。
ニュースなどではSNSをやっている人のことばかりが話題にのぼるので、誰もが発信しているように思いがちですが、頻繁につぶやいたりしている人は、発信力のある人を中心とした20%程度。ですから、SNSをやっていなかったら遅れる!と焦って情報に振り回される必要はありません。
利用するなら目的を振り返って
SNSを利用するなら、何のためにするのかということをはっきりさせるのが大事です。友だちとつながりたいのか、何かを認めてほしいのか、インフルエンサーになりたいのか……。目的がはっきりしていて、そのためにうまく利用できそうなら、どんどん楽しめばいいと思います。でももし友だちとつながりたい、ということが目的なのであれば、必ずしもSNSを通さなくてもいいはずです。ストレスや落ち込みの原因になるのなら、無理してやる必要はないのですよ!
そうでなくても世の中は、私たちの気持ちを浮き沈みさせるようなニュースであふれています。加えてSNSで気持ちを浮き沈みさせるくらいなら、SNSのことはいったん置いて、自分の好きな世界に没頭しているほうがよっぽど幸せだと感じますが、いかがですか?!
取材・文/寺田千恵
参考書籍
『人の心を動かす話し方』(廣済堂出版)