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40歳・独身、海外駐在中にコロナ禍が直撃。交際半年の彼がいるものの結婚願望がないんです~私、ひとりでいてもイイですか?(7)~

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40歳・独身、海外駐在中にコロナ禍が直撃。交際半年の彼がいるものの結婚願望がないんです~私、ひとりでいてもイイですか?(7)~

新型コロナの影響で、人と会う機会がめっきり減った今日。みなさんは、ひとりでいることが気楽でいいと感じますか? それとも寂しいと感じますか? なかには、「今はひとりでいいけど、一生ひとりでいるのはイヤ」なんて人もいるかもしれません。本企画はそんな“おひとりさま”生活を送る独身女性のリアルに迫るインタビュー連載です。
インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さん。今回登場するのは、ITベンチャー企業に勤務し、発展途上国でひとりで現地法人を立ち上げたという、バリバリのキャリアウーマン。現在海外駐在中の彼女は、一体どのような思いで、どのように過ごしているのか――。大宮さんがそんなアラフォー女性のリアルに迫ります。

監修 : 大宮冬洋 (おおみや・とうよう) (フリーライター)

フリーライター。恋愛・結婚に関するインタビュー記事を得意とし、最近は「お見合いおじさん活動」も勝手に遂行中。35歳以上で結婚した「晩婚さん」を160人以上取材した実績を持つ。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。

Contents 目次

発展途上国で単身赴任中にコロナ禍が直撃! 究極の「ひとり」女性が登場

独身女性と「ひとり」について語り合う本連載。独身というと孤独なイメージがあるが、実家で親と同居していたり長年の友だちに囲まれていたりする人も少なくない。今回は、わかりやすく孤独なケースを取り上げたい。発展途上国に単身駐在中の田上綾乃さん(仮名、40歳)だ。
田上さんが所属しているのは日本のITベンチャー企業。海外法人の立ち上げ要員として2年前に現在の赴任地に派遣され、ひとりきりで現地法人を設立。ホテルでのひとり暮らしを続けながら、数十人の現地スタッフを雇用している。唯一の日本人にして社長である。
今年になって新型コロナウイルスが猛威を振るい、田上さんがいる国も厳戒態勢に入った。町中のレストランは閉じてしまい、国内旅行はもちろんできない。気ままなひとり旅が趣味だという田上さんは「出かけられないストレス」が溜まっているようだ。

<100%在宅勤務で変化があまりなく、旅行にも行けないので、FYTTE「私、ひとりでいてもイイですか?」に協力させていただけませんでしょうか。>

こんなメールが僕宛に届いたのは10月頭のことだった。取材させてもらいつつ田上さんのストレス解消に役立てたら一石二鳥である。現地との時差を考慮しながらZoomのオンラインミーティングを設定してお話を聞くことにした。

***田上綾乃さん(仮名、40歳)の話***

ビジネスホテルで生活中。暇なときはネットを見ていると時間が過ぎていく

ホテル暮らしと言っても小さなビジネスホテルです。大企業の駐在員のように至れり尽くせりの環境ではないので、自分で探して交渉して月貸しで借りています。掃除や洗濯はしてもらえますが、食事はほとんどデリバリーです。
この国にはウーバーイーツのようなサービスが以前から発達していて、50円ぐらいの手数料で届けてくれます。現地の料理ならば、200円も払えばいろいろ食べられますよ。ホテルには共同キッチンがあるので簡単な料理なら作れますが、私はあまり使っていません。

私の年俸は700万円から800万円程度です。これも他の駐在員に比べると少ないと思います。でも、裁量が大きいのが魅力ですし、旅行もできない今ではお金は貯まる一方です。
あまり大きな声では言えませんが、日本人仲間とのゴルフは週1ペースで続けています。多いときは月に10回もラウンドに出たことがありますが、こちらでは1回5千円ぐらいなので費用は気になりません。屋外で、人が密集しているわけではないので、コロナも大丈夫だと判断しています。

部屋にいるときはネットを見ていると4時間ぐらいはあっという間に経ってしまいます。ヤフーニュースなどで気になるトピックがあると、どんどん掘り下げていくことが好きです。今だと、ゴルフとかコロナ関係のニュースですね。あまり聞かない国のニュースだったりすると、その国のことを詳しく調べ始めたり。
ドラマや映画はあまり見ませんが、ウィキペディアなどでストーリーを知るのが好きです。ひとつのテーマに関するあらゆる情報を収集して、グループやカテゴリーに分けて把握したい、という変な欲望があります。

彼氏は2歳年下の日本人仲間。付き合い始めたきっかけは「大人のなりゆき」

今、私を含めて社員全員がリモートで働いているので、平日は誰とも会えていません。ルールとしては11時~16時をコアタイムとして8時間働くことになっています。でも、タイムカードなどはなく、性善説でやっています。
日中は子どもたちがうるさくて大変だから夜に働きたい、という人はOKにしています。私自身、コアタイムを守っているとは言えません。会社が回っていればいい、という考え方です。

半年ほど前から付き合っている2歳下の彼氏も、私と同じく日本企業の雇われ社長。日本人です。ゴルフを通じて知り合いました。私と違って古い業種なので、中小企業ながら海外駐在組は手厚いサポートを受けられるようです。ちゃんとした家を会社が借りているので、週末は彼の家で一緒に過ごしています。
付き合い始めたきっかけは「大人のなりゆき」と言えばいいのでしょうか。彼がなんとなく釣り糸を垂らしたら私という魚が釣れた、ということでしょう。彼がどれぐらい本気なのかはわかりませんが、「他にやることもないのでのってみようかな」という気持ちで付き合うことにしました。

彼はけっこう家庭的で、ちゃんと料理をする人です。一緒に料理をしていると楽しいですね。私はあまり得意じゃないので、「どうしてそんなにうまくできるの?」って腹が立つことがありますけど(笑)。
でも、彼は私の雑な部分を注意したりはしません。それが非常に楽です。自分にとって嫌なことはされたくない、という感覚が似ているのだと思います。

「結婚もせず、子どもを作らないなんて、社会人として間違っている」

日本国内で結婚生活をしている3歳年下の妹は私とは真逆のタイプです。妹は小さい頃から子ども好きで、子どもが欲しいという理由で付き合っていた彼氏と別れて別の男性と結婚しました。複数の子どもが産める年齢のうちに、という判断だったようです。

今、妹は自分も働きながら3人の息子を育てています。旦那さんは土日も働いているような人なので育児はとても大変らしく、私とは話の共通項がありません。でも、専業主婦にはなりたくない、といった価値観は似ています。
日本にいた頃は、年に数回程度は妹家族と会っていました。私は子どもと大人で接し方があまり変わらないので、甥っ子たちにはむしろ懐かれています。対等にオモチャの取り合いをしたりするのが新鮮だったのでしょう。でも、やんちゃな子たちなのでめっちゃ蹴ってきたりするんです。たまの2、3時間ならいいけれど、毎日は無理ですね。血がつながっているから可愛い、という感覚はありません。

30代半ばまでは母親と顔を合わせるたびにケンカになっていました。母は自分がやりたいことをやれなかったという思いを抱えているので、子どもの頃から好きなようにやっている私に心配と嫉妬を同時に感じているようです。「好きなことをやって生きていける人なんてほとんどいない。お前にできるわけがない」「結婚もせず、子どもを作らないなんて、社会人として間違っている」と繰り返し言われていました。
最終的には「一度は結婚しなさい。すぐに離婚してもいいから。未婚よりもバツイチのほうが人として上」なんて言うのです。この人は何を言っているのかね、さっぱりわからん、と無視していました。
そんな母も最近では私の生き方を認めてくれているようです。父は以前から干渉しません。自分の人生なんだから好きにすれば、という感じ。私は父に似ているのかもしれません。

「結婚したい派? したくない派?」と聞かれたら「どっちでもいい派」と答えます

今付き合っている彼から、「結婚はしたい派? したくない派?」と聞かれたことがあります。私は「どっちでもいい派」だと答えておきました。子どもが欲しいわけではないので結婚をする理由があまりないからです。結婚したくなったらするかもしれないけれど、結婚する強い必要性がありません。

ひとりでいて寂しいとか不安という感覚は全くないですね。彼とは一緒にいて楽しいから付き合っていますが、「2人のほうが安心」だという理由が私にはわかりません。小さなことは他人に頼ることもありますが、大きな部分では頼ることはないからです。
でも、彼の人生設計はまだ聞いていません。付き合ってまだ半年なので、1年ぐらい関係が続いたら話し合おうかな。もしかすると子どもが欲しい人かもしれないので、そうしたら私は無理だなと思っています。
そんな付き合いも、どちらかが日本に帰ることになったらすぐに決断を迫られます。それまでは私が急ぐ理由は何もありません。今のところ平和に過ごせているのでいいかな、と思っています。

部屋ではたまにピアノを弾いているという田上さん。ご本人の雰囲気や話し方などからも、育ちの良さがなんとなく伝わってくる女性です。(本人提供)

***大宮より田上さんへ***

ひとりでも生きられる人は2人でも支え合って豊かに暮らすことができる、はウソ?

ひとりでいるよりも2人でいるほうが安心という感覚がわからない、大きなことで他人に頼ることはないから、と言い切る田上さん。海外の現地法人をたったひとり人で立ち上げて、会社の名前まで自分で付けたという人物の発言だからこそ、説得力があります。
ひとりでも生きられる自立した人だからこそ、2人でも支え合って豊かに暮らすことができる――。独身生活を謳歌している人に結婚を勧める際の「殺し文句」のひとつです。でも、現実は違うかもしれないと田上さんと話していて思いました。ずっと独身では寂しくて不安でしょうがない人が結婚するのです。親に意向や世間体を気にする人も含まれます。
僕もそんな既婚者です。家事などの「小さなこと」は自分でもできますが、老親の世話などの「大きなこと」は配偶者の協力が不可欠だと感じています。寂しがりでもあるので、自分が年老いてからひとりきりで生活することは想像もしたくありません。

子どもが好きな人たちが安心して産んで育てられる社会が理想です

妹さんの子どもたちとの接し方には思わず笑ってしまいました。「複数の子ども」なんて表現している時点で、田上さんは子ども好きではありませんよね。血のつながりを重視しないのもユニークです。
でも、人間嫌いではないので、「甥っ子」ではなく、ひとりの人間として彼らに向かい合っているのでしょう。それが新鮮で嬉しいという子どもの気持ちも少しわかります。

子どもが大好きな人たちが安心して子どもを産んで育てられ、しかもたくさん産んでも育てやすい社会になれば、田上さんのような独身者や僕のような子なし既婚者もさらに暮らしやすくなるはずです。非婚化が進んでも少子化には歯止めがかかる、という状況が理想ですよね。もちろん、独居老人もそこそこ安心して生活できる仕組みが不可欠です。そのための増税なら甘んじて受け入れられる気がしています。

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