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いつも使うものには収納場所を確保する
収納場所を作る必要があるものには、しっかりとスペースを確保しておきましょう。
「ウォーターサーバーの水や食材の定期宅配の箱など、“使い切ったらなくなるもの”は、いつかなくなるからという言い訳ができるので、つい玄関に置いてしまいがち。でもそれ、本当に“いつか”なくなりますか? 食材の定期宅配の箱なんて、週に一度取りにきてはくれるけれど、また注文したときに同じ場所に箱を置いてしまいますよね。結果的にずっと玄関が狭い上に、景色も悪くなります。そういうものがない方が景色はよくなりますから、隠せる場所を準備しましょう」
収納場所の優先順位を考えて片付ける
リビングの景色がきれいになってきたら、家のさまざまな場所にある収納場所も、優先順位に応じて中身を見直してみましょう。リビングにいちばん近く、取り出しやすい場所にある収納には、もっとも優先順位の高いものを入れます。
「わたしはモノを、“死んでいるモノ”と“生きているモノ”に分けています。死んでいるモノとは、まったく動きがなくただ取ってあるだけのもの。昔のアルバムや思い出の品、効かなくなったCDなどは、ほとんどしまってあるだけで動かないのでこちらに属します。普段使わないので、寝室の奥の押し入れや、二階の使わない部屋などに寄せておきましょう。
一方、生きているモノとは、毎日着ているコートや洗い替えのマスク、掃除機などで、一日のうちに一度は必ず出し入れする必要のあるものです。実は、この“生きているモノ”こそが、部屋を散らかす原因になるモノなんです。つまり、“生きているモノ”を日々どこに置くかを考えることこそが、部屋の景色を保つ秘訣になります。リビングにあるいちばんいい収納棚を生きているモノの置き場にして、散らからないリビングを実現させましょう」
一日一度は“更地”に戻す
モノがとりあえずなくなってきれいな状態が作れたら、不思議とこの状態を保ちたい気持ちが生まれてくると古堅さんはいいます。
「テーブルで食事をしたらすぐにテーブルの上のものをキッチンに戻し、書類はざっくりボックスに入れ……としていると、自然とテーブルの上はいつもきれいに片付きます。この景色を“更地の状態”と覚えておきましょう。もしここにモノが一時的にのってしまっても、数は多くないので片付けやすくなります。一日に一度はここを“更地に戻す”と決めて、居心地のよい部屋の景色をキープする習慣を身につけましょう」
疲れたら…きれいになったら何をしたいか思い描く
最後に。片付けは、しているうちにだんだん疲れてきて、やる気が失せてしまうこともあるでしょう。そんなときは、“部屋がきれいになったら何をしたいか”を考えるといいそう。
「片づいたリビングでなら、刺繍を広げることもできるでしょう。ヨガマットを置いてヨガをするスペースを作ることもできるかもしれません。きれいになった寝室で、アロマを焚こうという気持ちが湧いてくるかもしれません。モチベーションを上げるためにも、きれいになった部屋でどんなことがしたいか考えてみてください。こんな部屋にしたいというイメージが明確になると、ワクワクする気持ちが湧いてきて、やる気を支えてくれますよ」
『シニアのための なぜかワクワクする片づけの新常識』(朝日新書)
古堅さんの著書では、モノが多い家庭や家族で住んでいる家の片付け方を中心に解説しています。実家が片付かない!と嘆いている人の参考にもなりそうです。
いつも見ている景色がきれいになると、不思議と人は“寄せたモノ”が気になるようになるそうです。そこからやっと、物置部屋に寄せてしまった“死んだモノ”や、とりあえず収納したモノに目を向けて片付ければいいのです。収納の中よりも、まずは自分がいつもいる場所がきれいであることが大切。日々を暮らす空間をいつも美しい景色に整えてみましょう。
Profile
幸せ住空間セラピスト / 古堅純子
1998年、老舗の家事代行サービス会社に入社。20年以上現場第一主義を貫き、お客様のもとへ通っている。5000軒以上のお宅に伺いサービスを重ね、独自の古堅式メソッドを確立。個人宅や企業内での整理収納コンサルティング、収納サービスを提供する傍ら、これまでの経験を生かして家事効率化支援事業を展開、オンラインでのコンサルティングも好評を博している。テレビ・ラジオ・雑誌などメディア取材協力も多数。幅広い世代に向けての講演も行う。著書に『マンガで古堅式 夢をかなえる片づけのルーティン』(ジービー)や『定年前にはじめる生前整理 人生後半が変わる4ステップ』(講談社+α新書)がある。
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取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 構成=Neem Tree
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