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48歳・シングルマザー。離婚後も親しくしていた前夫が他界。このままひとりでいるのは不安です~私、ひとりでいてもイイですか?(15)~
本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さんです。
今回登場するのは、48歳・子ひとりのシングルマザーの女性。離婚したあとも親しかった前夫が他界してから10年が経ち、最近は「この先ずっとひとりでいるのは寂しい」と思うようになったと言います。結婚、離婚、子育て、前夫との死別…などの経験を通して見えてきたものとは?
Contents 目次
幸せの「合格基準」を過去や未来に設定すると不幸を感じて暗くなる件
自分が今幸せなのか否かは、合格基準をどのように設定するのかで決まると思う。この際、過去の出来事に基準を設けてしまうと、いつまでも幸福感を得られない。僕の場合、眠れない夜などに「あのときに無神経な言動をしなかったら今頃はもっとハッピーだったはず。すごく成功していたかも」などとよく思い返して後悔している。自己嫌悪や妄想はちょっと甘美で暇つぶしにはなるけれど、やりすぎると不遇感が募ってしまう。
都内の中小企業で営業事務の仕事をしている三浦今日子さん(仮名、48歳)は、「子どもが巣立った後の人生がずっとひとりだと寂しいし不安」という気持ちを抱えている。過去ではなく、まだ見ぬ未来を幸せの合格基準にしてしまっているのだ。
シングルマザーである三浦さんは現在、仕事が楽しくて長く働きたいと思っていて、中学生のひとり娘も順調に育っており、友だちもいるので満足しているという。「それで十分じゃないか。杞憂はやめましょう」と諭したくなるが、過去に捉われやすい僕に言われたくないかもしれない。まずは三浦さんの話を聞いてほしい。
***三浦今日子さん(仮名、48歳)の話***
義父母の「お世話係」を求められて離婚。自分の両親の近くで子育てがしたかった
結婚をしたのは21歳のときです。短大を出てからすぐにでも結婚したかったので、親戚に12歳上の(前の)主人を紹介してもらいました。体が大きくて頼もしく見えたんです。当初から亭主関白でしたが違和感はありませんでした。
当時、私は主婦をしながらモデルの真似事みたいな仕事をしていました。イベント会場などでたくさん女性がいたりしますよね。そのひとりに過ぎず、面白おかしく話す話術や人目をひく美貌があるわけではありません。
子どもがいない夫婦は恋人同士のようなものなのですよね。表面的には問題は起きません。主人も私が外で働くことを面白がってくれていました。
離婚のきっかけは主人の両親との同居問題です。私が不妊治療の末に娘を妊娠する直前から、関西にある主人の実家から同居を求められるようになったのです。ご両親の面倒を私がみることになりそうでした。
未熟な私には、主人の家を背負っていく覚悟ができませんでした。住み慣れた東京を離れて関西に行って、主人の両親を養うなんて受け入れらなかったのです。それよりも両親の近くで自分の子を育てたいと思いました。
「ママも結婚していなくなっちゃうの?」。思春期の娘を不安にさせたくはありません
離婚したのは娘が生まれた翌年です。当時の私は33歳。その頃でもシングルマザーは珍しくなくなっていたので、周囲も応援してくれて忙しくも楽しく過ごしてきました。子どもの成長を見守れるのは幸せなことですね。
主人はもちろん養育費を払ってくれて、頻繁に連絡を取り合っていました。彼が東京に来たときはうちで何日も一緒に過ごしたこともあります。自分たちはどうして離婚したのかと疑問に思うぐらい、穏やかな日々でした。
その主人が病気で亡くなったのが10年前のことです。すごくショックで、今でも引きずっています。パパがいなくなってしまった娘のことがかわいそうでなりません。
友人たちからは「再婚したら?」と勧められることがあります。私自身、ひとりでは寂しいし、パートナーがほしいという気持ちがありますが、今は恋愛ができません。思春期で敏感になっている娘がすぐに気づくからです。「ママも結婚していなくなっちゃうの?」と不安にさせたくはありません。
でも、娘とずっと一緒にいることもできません。早ければ10年後には娘も誰かと結婚して巣立っていくでしょう。そのときに重荷になりたくないし、私自身もずっとこのままひとりでいるのは不安です。
大きくて頼れそうな男の人から「がんばっているね」とヨシヨシしてもらいたい
ただし、ひとりは楽だという一面もあります。家の中でも外でも好きなことができます。今ハマっているのはマンガ『鬼滅の刃』と韓国ドラマ『愛の不時着』です。
仕事も充実しています。今の会社は4年前に入りました。何でも楽しめる性格の私ですが、この会社にはずっと勤めたいなと思っています。コロナ前までは週に1度ぐらいは同僚と仕事帰りに飲むことありました。短大やモデル時代の友だちともたまに会います。
こんな普通の生活がありがたいな、と感じるのは主人が亡くなってしまったことが影響しているように思います。ご飯を食べられているだけで幸せなんですよね。
でも、独身の友人が彼氏と旅行したといった話を聞いたりすると、「私はこのままひとりなのかな」という不安が再燃します。その友だちは、子どもがいる私をうらやましがったりするのですが…。
正直言って、「私はがんばっている」と思っています。だから、大きくて頼れそうな男の人から「がんばっているね」とヨシヨシしてもらいたいんです。養ってほしいとは思いませんが、やっぱり家庭の中に男の人がいるといないのでは違いますよね。一緒にいてほしい、大事にしてほしい、何かあったときは守ってほしい、と思ってしまう私は古いのかもしれません。
***大宮より三浦さんへ***
現在の幸せを噛みしめられる人の未来はきっと輝いているはずです
幸せを感じる沸点が低いと自己分析している三浦さん。それは素晴らしいことだと思います。最高の調味料は空腹だと言いますけど、毎日おいしく食事ができて、清潔な服を着て、温かい寝床で眠れるだけで幸運なのですよね。そのことを忘れずにいると、周囲には感謝と寛容の心を持てるので、ほがらかで付き合いやすい人間になれる気がします。すると、ますます運気が高まるのではないでしょうか。
ずば抜けた美貌や話術はないと謙遜していますが、三浦さんは十分に美しくて話しやすい女性だと感じました。「何でも楽しめる性格の私ですが、この会社にはずっと勤めたいな」という自己分析と意思も男性からすると安心材料です。不満ばかり言っているのに何も行動に移さない人には惹かれませんから。
美しさをキープされていて働き者の三浦さんがやるべきことは、健康に気を付けることぐらいしかありません。でも、好きな会社で懸命に働き、大事な娘さんと一緒に規則正しく生活しているのだから心身が不調になることはなさそうです。
三浦さん、幸せの合格基準は「今、このとき」に設定しませんか。現在の幸せを噛みしめられる人は、未来もきっと輝いていることでしょう。独身男性が放っておくはずはありません。10年後をむしろ楽しみにしてください。
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