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31歳・無職。結婚する気のない彼と別れたけれど…双子の姉との2人暮らしが楽しくてヤバい~私、ひとりでいてもイイですか?(34)~
本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載です。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さん。
今回登場するのは、現在休職中の31歳、独身女性。結婚を視野に入れてつき合っていた彼氏に「まったく考えてない」と言われて決別したそうですが、海外から帰国した双子の姉との2人暮らしが始まり、今は毎日が楽しいそう。とはいえ、仕事探しや結婚についてはいろいろ思うところがあるようで…。アラサーのリアルを大宮さんが深掘りしていきます。
Contents 目次
9年在籍した会社を辞めた女性。キャリアを見つめ直すのに理想的な環境にいます
勤め先に退職届を出したばかりの女性がいる。東京都内の自宅でのんびりと有給消化中の内藤幸子さん(仮名、31歳)だ。大学卒業後に現在の人材サービス会社に入り、大阪から東京への転勤も経験した。
その後の9年間で会社は急成長。現在は従業員数1000人超の大企業となった。内藤さんは実績を重ねる一方で、「オーナーの意向がすべてなのでやりたいことができない」「楽しい未来が描けない」という不満が募り、30歳という区切りもあって退職を決意した。
「以前は自分ひとりで働いて生きていけるかどうかがずっと不安でした。でも、会社で後輩を持つこともできて、キャリアコンサルタントという国家資格も取得しました。貯えもあるし、スキル面でも自信がついたので、ひとりでもやっていける気がしています」
現在、フリーランサーになることも選択肢に入れつつ、やりたい業務ができそうな会社の採用情報を眺めているところだ。会社の人間関係は良好だったため、各方面から声をかけてもらっているという。
一度立ち止まって今後の人生をじっくり考えるのに理想的な状況だと言える。プライベートも含めて話を聞くことにした。
***内藤幸子さん(仮名、31歳)の話***
オートロックもなく玄関のカギも簡素なアパート。それでも安全安心な理由
私には仲のいい双子の姉がいます。ちょうど海外から帰って来て、私の家で一緒に暮らし始めたばかりなので、仕事がなくてコロナで外出できなくても楽しいです。30過ぎの無職の女2人が共同生活を満喫。ヤバいですよね(笑)。姉もそろそろ次の仕事を見つけられそうなので「そのうち出ていこうかな」と言っています。
自宅のアパートは駅から徒歩4分の1LDK。都心で8万5千円の家賃は破格だと思っていますが、オートロックではないし玄関のカギも簡素なものです。でも、大家さんのおばあちゃんが1階に住んでいて、アパートを修繕してくれる工務店が向かいにあります。社長さんといつも挨拶しているので安心安全です。
私と違って姉は体を鍛えていて食べるものにもこだわっています。だから、料理は姉任せ。たんぱく質が多めの料理を作ってくれます。洗濯も姉で掃除は私ですが、姉妹なので役割分担は明確にしなくても大丈夫です。
ときどき話し合いはします。先日、姉が洗濯したばかりのマットの上をスリッパで歩いたら叱られました。私はそのスリッパでトイレにも行くので当然ですね。気づかずに上がってしまうこともあるので、姉が「スリッパ禁止」と床に表示して解決です。ケンカにはなりません。
すごく頭がいいけれど、いつでも淡々としている彼氏とのあっさりすぎる別れ
姉がうちに来るまでは寂しかったこともあり、居酒屋で隣り合った2歳年下の男性と1年間つき合っていました。工場の設計をしているという理系の人です。頭がすごくいいところが好きだったけれど、私と違って感情を表に出さないところが不満でした。いつでも淡々としているんです。
私はちょうど30歳だったので結婚を視野に入れてつき合っていました。子どもも欲しいです。あと1、2年後には結婚を検討したいと彼に話したら、「まったく考えてない」のひと言。さすがにイラっとして「じゃ、別れようか」と言ったら、あっさりと「ウン」と言われました。
でも、結婚することも子どもを持つことも諦めていません。相手に依存するのは嫌なので、次の仕事が決まって落ち着いたら婚活しようかなと思っています。
姉もその気があるようなので、Bumbleというマッチングアプリを同時に試してみました。どちらが先にデートできるかの勝負です。当然、私が勝ちましたよ(笑)。日本人と外国人とひとりずつ会いましたが、あまり楽しくなかったし、結婚に対する考え方も合わないと感じて疲れてやめました。
仕事探しは心配していません。自分がやりたいことと考え方が明確になったから
私は知的好奇心がムダに強いんです(笑)。だから、男性も女性も「物知りさん」を好きになる傾向がありますが、そういう人との関係はなぜか長続きしません。
物知り好きなのは家族の影響だと思います。元公務員で今では飲食店を経営している父親は政治経済にとても詳しいし、福祉の事業所を立ち上げた母親はその分野の専門家です。2歳上の兄はお金周りのことをよく知っていて、姉は会社を休職して発展途上国で援助活動をしていました。
今は姉がいるから恋人がいなくても平気ですが、将来的にはパートナーが欲しいですね。何か打ち込んでいるものがあって人として尊敬できる男性と出会えたらなと思っています。
仕事探しはあまり心配していません。自分がやりたいことが明確になったし、学生時代と比べると考え方が変わってきたからです。
10年前は何でも自分のためというか、私利私欲で動いていました。でも、社会人になっていろいろ経験して、「誰かのために働くことが結局は自分に返ってくる」ことがわかってきたんです。for youがfor meになるんですね。自分が実行できる手段も増えました。今後はどこでも働ける気がします。
***大宮より内藤さんへ***
仕事は積み重ねがものを言う。でも、恋愛や結婚は「今これから」だけが大事です
キャリアコンサルタントの資格がある内藤さん。スキルに加えて持ち前の好奇心も発揮されたのか、僕の仕事話も熱心に聞いてくれましたね。僕がインタビュアーなのにいろいろ話してしまいました。内藤さんは速球も変化球も難なく受けてくれる天性のキャッチャーみたいな人だな、と感じています。
内藤さんの話を聞いて羨ましく感じたのは、退職した会社の同僚たちとの関係性です。辞めたあとも声をかけてもらえるのは、内藤さんが誠意のある働き方をしてきたからだと思います。
さらに10年ぐらい社会にいると、以前に一緒に仕事をしたことがある人とのつながりの重大さをより痛感するはずです。世の中は広いようで狭いので、評判や人脈がよくも悪くもじわじわと時間をかけて効いてきます。その力は「新しい出会い」から得られるものよりもはるかに大きいのです。仕事は基本的に積み重ねなのだと僕は感じています。
一方の恋愛や結婚に関しては、過去の実績はあまり重要ではありません。今まで不毛な恋愛をしてきたとしても、気持ちを入れ替えて新たな出会いに臨むことができます。閨閥結婚(互いの一族や血族の政治的・経済的な影響力を高めていく婚姻関係)でもない限りは前の恋人などを相手から調べられることはないでしょう。
好きなタイプとの関係は長続きしないと自覚しているのであれば、「一緒にいて猛烈に楽しいわけではないけれど居心地は悪くない」ぐらいの男性にも目を向けてみたらどうでしょうか。今までの延長線上にはない素晴らしい関係を結べるかもしれません。
大宮冬洋さんによるインタビュー連載「私、ひとりでいてもイイですか?」は毎週日曜21時更新! 次回は7月11日(日)21時です。お楽しみに!
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