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45歳・バツイチ。20歳下の彼との別れ。あんなに引きずったのは「若さへの執着」だったとようやく気づきました~私、ひとりでいてもイイですか?(40)~
本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載です。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さん。
今回登場するのは、美容関係の仕事に従事しているバツイチ・45歳の女性。20歳年下の恋人と別れて、しばらくしてから若さへの執着だったと気づいたそうです。現在は、高校時代の元カレと“ほどよい距離感”で交際中。他人に依存はできない、再婚願望もないと言う彼女ですが、そう思うに至るまで、何があったのでしょうか。
Contents 目次
若さへの執着と他人への依存心。今ではすっきりした表情を浮かべる女性の告白
ジタバタするだけで空回って恥の上塗りをするような時期は誰にでもあると思う。僕の場合は30歳を過ぎたあたりだった。「自分らしさ」を求めてライター仕事の内容を絞ったのだ。そして、暇な時間ばかりが増えて退屈と焦燥にまみれるような日々に突入。借金も離婚もした挙句に、「自分には特にやりたいテーマなどはない。人に役立って認めてもらうことが嬉しいだけだ」とようやく気づいた。人生のスランプだったのだと今では思う。
ショップ経営者の中島麻里さん(仮名、45歳)の場合は昨年がスランプに当たったのかもしれない。離婚の経験もあって結婚や子育てに関する焦りはないという中島さん。ただし、若さへの執着や他人への依存心が浮き彫りになった1年だったようだ。
現在はすっきりした表情の中島さん。若い恋人とは別れ、自分ひとりでもやっていける規模の店舗兼住居を年内に建設する予定だという。周りの誰に対しても、「いてくれてもいいし、いなくても大丈夫」という気分だと明かす。中島さんの赤裸々な告白を聞いてほしい。
***中島麻里さん(仮名、45歳)の話***
モヤモヤした気持ちを正当化するための悪口。本当はもっとどす黒い感情がありました
20歳下の彼と付き合っていたのは昨年の春です。1か月ほどで別れてしまい、その後は彼の仕事への向き合い方の甘さなどを悪く言っていました。実際はたいした理由ではなく、モヤモヤした気持ちを正当化するための悪口だったに過ぎません。未練なく別れていたら思い出しもしませんから。
どうして私はあんなに引きずったんだろう、とひたすら考えました。結論としては、私は彼の若さが羨ましかったんです。若い頃って何も考えずに生きられますよね。それが若者の特権だと思うので、「若いのに挑戦しないなんてもったいない」とか説教してはいけません。彼と会うときは怒らないように気を遣うようになっていました。会う前にお香を焚いて気分を落ち着けたり。恋人相手なのに変ですよね。
若さへの嫉妬なんてどす黒い感情です。別れてしばらくしてからそれを認められるようになり、気持ちをだんだん静めることができました。
既婚者の彼氏との関係は「ほどよい」。好きだけれど一緒に住みたくはないから
今は元カレとよりを戻して付き合っています。高校時代にも付き合っていた同級生で、10年ほど前の同窓会で再会しました。彼は子どももいる既婚者ですが、奥さんとはうまくいっていないようで別居しています。奥さんのほうの家業を継いでいる関係で簡単には離婚できないみたいです。
当時は私も結婚していました。世間から見たらW不倫ということになるのでしょうか。それから別れたり戻ったりして今の形になっています。以前は彼にも奥さんと別れてほしいと思っていました。私たちの付き合いが人様に顔向けできるからです。
でも、今は彼が結婚していることは私にも都合がいいんです。連絡は毎日していますが、会うのは多くて週1。もし彼が離婚して私と再婚したら一緒に住まなくちゃいけなくなりますよね。彼のことは好きだけどそれは面倒だし、今のほどよい関係性が崩れてしまうかもしれません。
以前は「恋愛は振り回したり振り回されたりするもの」だと思っていました。今は自然体でいられます。彼から電話があっても出たくないときは出ません。他人からどう思われるかは別として、私の中では彼との関係はうまくいっています。
最後は自分がなんとかしなくちゃいけないのがオーナー経営者。それが意外と楽しい
仕事は美容系の店舗経営です。今までいろんな仕事をしてきましたが、接客は好きだし、手先を動かして働くのも嫌いではありません。何よりもこの仕事に就いていると自分もキレイで若々しくいられそうなのがいいと思っています。私は自分の体にお金をかけて磨くことに楽しみを感じるタイプです。
朝は5時半に起き、15分~20分間ぐらい近所を散歩します。それから朝ご飯とお弁当を作り、読書をしてから8時ごろに出て自分の店に出勤です。車で20分ぐらいの距離にあります。
19時にはお店を閉めて夕食の買い物をして帰宅します。お風呂に入ってから好きなDVDを適当に観るのが習慣です。でも、23時までには寝ます。寝つきはいいほうで、いつも気絶するようにあっという間に寝ています。
昔は前夫が経営する店で雇われ店長をしていました。でも、最終的な決定権が私にないので、「オーナーがなんとかしてくれる」という甘えの気持ちがあったんです。今は私自身がなんとかしなくちゃいけません。そして、実際になんとかしたときの達成感は意外なほど強いこともわかりました。
人は変わっていくもので依存はできない。だから、自分のことは自分で責任をとる
私はよく言えば好奇心が旺盛で、悪く言うと飽き性でワガママです。「あっちに行きたい!」と思ったらすぐに行きたくなってしまいます。そういう性質についてきてくれる相手はいないと思うので結婚には今のところ気持ちが向きません。
今、ローンを組んで店舗兼住居を建設中です。保証人はつけずに済むローンなので、誰にも迷惑をかけません。新しい店は、今の店の従業員は働いてくれてもくれなくてもいいような規模です。そう考えると気持ちがすっきりしました。
以前は先のことをいろいろ心配していたし、親や彼氏や従業員への依存心があった気がします。他人に「このままでいてほしい。私から離れたら困る」という気持ちが強かったんです。でも、私も含めて人は変わっていくものですよね。だから、自分のことは自分で責任をとれるようにしました。今の生活は楽しいことしかありません。
***大宮より中島さんへ***
知らず知らずのうちに我が身に堆積していくもの。それはぜい肉と依存心です
執着や依存心というのは知らず知らずのうちに堆積するものですよね。大失敗をして苦しんでやっと抜けたつもりでも、いつの間にかまた何かにこだわっていたり、寄りかかっていたりします。ときどき我が心身を冷静に振り返る必要がありそうです。
ぜい肉がつきにくい体を維持するには生活習慣が重要だと言われますが、執着や依存から距離を置くためにも「本当の意味で分相応の生活と仕事の環境を整えること」がポイントなのかもしれません。その意味で、自分ひとりできり盛りできて責任もとれる店舗兼住居を新たに作っている中島さんのお話はとても勉強になりました。
愛情の離れた配偶者との婚姻関係を続けている(それも執着や依存の一種ですよね)同級生とのお付き合いも、今後は変化していく気がします。そして、「都合のよさ」を抜きにして付き合える人との関係が新たに生まれるのではないでしょうか。1年後の中島さんの生活を見てみたいです。
大宮冬洋さんによるインタビュー連載「私、ひとりでいてもイイですか?」は毎週日曜21時更新! 次回は8月22日(日)21時です。お楽しみに!
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