バスタオル、スポーツタオル、さらにはタオルケット……。毎日の生活に欠かせないタオルは、たくさん汗をかく今の季節にはとくに活躍するアイテム。タオルの選び方や長持ちさせるコツ、トレンドなどを“タオルのプロ”に聞きました。教えてくださったのは、今治タオル 南青山店のタオルソムリエ・尾谷美紀子さんです。
Contents 目次
コンパクトで扱いやすい、
「ミニバスタオル」が人気
まずは、現在のタオルのトレンドをチェックしてみましょう。どのようなタオルが人気なのか、尾谷さんに教えていただきました。
「コロナ禍で、自宅での洗濯回数が増えた人も多いようです。そこで洗濯がしやすく、コンパクトで扱いやすいタオルを探しに来られるお客さまが少しずつ増えています。とくに暑い時期はタオルをよく使うため、薄手で乾きやすいタオルの需要はさらに高まると思います。また、最近ではミニマムなお部屋収納にこだわる人が多く、省スペースで収納できるよう、タオルのサイズにこだわって選ぶお客さまも増えてきている印象です」(タオルソムリエ・尾谷美紀子さん、以下同)
そんなコンパクトなタオルがトレンドになっている流れから、近年人気が高まっているのが『ミニバスタオル』だそう。
「ミニバスタオルは、『バスタオルだと大きすぎるけれど、フェイスタオルだと全身を拭くのに足りない』という声に応えて生まれたもので、バスタオルとフェイスタオルの中間くらいのサイズのものが主流。当店で販売している今治タオルでも、ミニバスタオルの種類は少しずつ増えてきています」
現在、今治タオル 南青山店だけでも8種類を販売しているというミニバスタオル。尾谷さんは「ミニバスタオルとひとことで言っても、その大きさ、風合い、厚みはさまざまです。今治タオルは1社のメーカーだけではなく、約100社のメーカーがつくっているため、メーカーごとに風合いなどの違いが生まれます」と話します。バスタオルとフェイスタオルの両方の良さを兼ね備えたミニバスタオルの魅力について、引き続きうかがいました。
「ミニバスタオルの魅力の一つは、小さすぎず大きすぎない、絶妙なサイズ感です。特に『バスタオルだと大きすぎる』という女性やお子様にとって取り扱いやすいサイズだと思います。
またバスタオルと比べると布面積が小さいため、洗濯がしやすく乾きやすいところも利点です。ミニバスタオルの中にはハンガーにかけて干せるサイズのものもあり、洗濯物を干すスペースが限られているお家でも使い勝手の良さを実感できると思います」
「さらに、畳んだときもコンパクトなので、収納スペースが限られているお部屋にもぴったり。持ち運びもしやすいため、スポーツをする方にもおすすめです。ジムに行くときや、ロードバイクに乗るときなど、さまざまなスポーツシーンで活躍してくれます。
また、同じシリーズのバスタオルとミニバスタオルの値段を比べると、同じクオリティにも関わらず、ミニバスタオルの方がお求めやすい価格で購入できるところも魅力です。そのため、洗い替えとして多めに購入したり、色違いや柄違いでお気に入りのタオルを複数枚揃えたりすることができます。当店のお客さまの中には、色違いで揃えて曜日ごとに使い分けているという方もいらっしゃいます。最近ではさまざまな色・柄のミニバスタオルが販売されているので、ぜひチェックしてみてください」
あらためておさらい!
タオルの種類とその用途
バスタオルとミニバスタオルはもちろん、タオルにはそれ以外にもさまざまなサイズ・用途のものがあります。今治タオル 南青山店で販売しているタオルを例に、タオルの種類についてあらためて教えていただきました。
「フェイスタオルは、洗面所やお風呂場など、普段の生活の中で一番と言っていいほどよく使われているタオル。明確なサイズ規格はないため、大きさはメーカーによって異なりますが34×75~90センチのものが一般的です。
ウォッシュタオル(ハンドタオル)は、自宅で使用することはもちろん、汗をよくかく夏の外出時にも重宝します。飲食店でおしぼりとして使われることも多いサイズで、34×34~36センチのものが主流です。
タオルハンカチは、普段の持ち運びにぴったりで、色や柄の種類も豊富。ウォッシュタオルよりも一回りほど小さく、25×25センチのものが多く販売されています」
「スポーツタオルは、薄手で乾きやすいものが多く、その名の通りスポーツシーンに最適です。幅33~40センチ、長さ100~130センチ前後のものが多いですが、フェイスタオルよりも幅が細めのタイプもあり、首にかけやすいのが特徴です」
「タオルケットは、体を覆うくらいの大きなサイズのものが多く、夏の布団代わりに大活躍します。当店では今の時期、プレゼントとしても人気で、長く大切に使われることが多いタオルです」
たくさんの種類があるタオルから、
お気に入りの1枚を選ぶには?
タオルの種類についておさらいした後は、お気に入りの1枚を見つけるためのタオルの選び方についてご紹介。タオル選びのポイントについて、尾谷さんに教えていただきました。
1.柔らかさや肌触り
「選ぶときにまずチェックすべきなのはタオルの風合いです。タオルを両手でぎゅっと握ってみると、柔らかさや肌触りがよくわかると思います。当店のお客さまの中には、『ふんわりしたタオルが好きだと思っていたけれど、実際に触ってみるとしっかりとしたタオルのほうが好みだった』という方も。いくつかのタオルを触って比べてみて、自分の好みのものを探してみるのが良いと思います」
2.用途に合ったサイズ感
「タオルの大きさも選ぶときのポイントです。ほとんどのタオルにはサイズの規格がないため、ひとことで『バスタオル』『フェイスタオル』と言っても、メーカーによって大きさは異なります。そのため、実際にタオルを広げて大きさを確かめてみることをおすすめします」
3.タオルの重量感
「好みが分かれるタオルの重さもチェックしてほしいポイント。軽い方が扱いやすくて好きだという方もいれば、少し重厚感があった方が体を拭いた実感があって良いという方もいます。写真で見るだけではわからないことも多いので、ぜひお店で手に取って、自分好みのタオルを探してみてくださいね」
柔軟剤の使いすぎはNG⁉
お気に入りのタオルを長持ちさせる手入れのひと工夫
せっかく見つけたお気に入りのタオルは、できるだけ長く使いたいもの。しかし、タオルを長持ちさせるための具体的な方法がわからないという方も多いのではないでしょうか。ふわふわの肌触りや吸水性など、タオルの性能をできるだけキープさせるための方法について、尾谷さんにお聞きしました。
「タオルを長持ちさせるためにはまず、同じタオルを頻繫に洗濯して使うのではなく、複数枚をローテーションしながら使うことをおすすめします。また、洗濯するときのポイントの一つは、柔軟剤を過度に使用しないこと。今治タオルのオフィシャルショップでは、できるだけ柔軟剤を使用しないことをすすめています。
柔軟剤は洋服を洗うときに使用すると、静電気防止効果や柔らかさをプラスしてくれるなどの利点があります。その一方で、タオルを洗濯するときに使用すると、柔軟剤の界面活性剤がタオルにコーテイングをかけてしまい、せっかくの吸水性を損ねてしまったり、毛羽が出やすくなったりすることがあります。洗濯後のタオルにぬめりを感じたら、柔軟剤を使い過ぎのサインなので注意しましょう。ただし、長く使用してごわつきを感じるようになったタオルに少し使うのは効果的です。
また、洗濯機で洗うときには多めの水量で洗うこともおすすめしています。たっぷりの水で洗うことで生地が傷みにくく毛羽落ちを防止することができます。ドラム式洗濯機などでは水量が少なく設定されていることもあるので、少し多めの水量に設定して洗ってみてください。さらに洗濯ネットに入れて洗うことで、パイル(タオル表面のループ状の糸)抜けや、毛羽落ちを防ぐことができます。
最後に、干す前にタオルをパタパタと振ることもポイントです。洗濯機で脱水した後のタオルはパイルがペタッと寝ている状態なので、タオルを振ってパイルを立たせることで、ボリュームや柔らかさをキープすることができます。また、長時間直射日光に当たるとタオルの繊維が硬くなったり、色あせたりする原因にもなるので、風通しのよい日陰に干すのが良いと思います」
タオルはいつ買い替えればいい?
「買い替え時のサイン」をチェック!
長く大切に使っているタオルにも、いつかはやってくる買い替え時。しかしタイミングを逃して、つい同じタオルを使い続けてしまうという人も多いはずです。そこで尾谷さんから、「タオルの買い替え時のサイン」についても教えていただきました。
「タオルの買い替え時については、お客さまから一番といっていいほどよく聞かれる質問です。タオルの寿命は洗濯の頻度によっても変わるため、明確な期間が決まっているわけではありませんが、買い替え時のサインはあります。
例えば、使い始めたときと比べると吸水性が落ちている、パイルがヘタってごわごわしている、体に触れる部分が汚れている、においが気になる……これらを感じたら、そろそろ買い替え時。ご自宅で使っているタオルを一度チェックしてみてください。
また買い替え時が来てしまったタオルも、お掃除に使ったり、お料理の油を捨てるときに使ったりと、使い道はまだまだあります。すぐに捨ててしまうのではなく、ぜひ再利用して最後まで活用していただきたいです」
「買い替えるタイミングをつい逃してしまうという人は、あらかじめ時期を決めてしまうのも良いと思います。特にタオルを使う機会が増える春夏は、自宅用のタオルをすべて新しくするという方も多く、おすすめのタイミングです。コンパクトで使い勝手の良いミニバスタオルをはじめ、自分好みのお気に入りのタオルをぜひお店で探してみてくださいね」
Profile
今治タオル 南青山店スタッフ、タオルソムリエ / 尾谷美紀子
今治タオルのオフィシャルショップである南青山店のタオルソムリエ。ユーザーがどのようなシーンで使用し、どのような風合いや肌触りを好んでタオルを探しているのか、それぞれのニーズをくみ取りながら、ぴったりのタオル選びをサポート、提案している。 取材・文=土居りさ子(Playce) 撮影=真名子
Store Data
今治タオル 南青山店
所在地=東京都港区南青山5-3-10 FROM-1st 2F 203号
TEL=03-6427-2941
営業時間=10:30~19:00
定休日=毎週火曜日 ※火曜が祝日の場合は営業、振替休みはなし
休業日=8月第2日曜日/ 2月第3日曜日/年末年始
※最新の営業情報は公式サイトの店舗情報を確認してください。
トップのイメージ写真に写っているタオル=左から「メールバスマット(認定番号 第2010-183号)」1980円、「ペールバスマット(認定番号 第2010-184号)」3740円
※記事中の価格はすべて10%消費税込で表記しています。
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