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ゆるやかな時の流れに身を委ねて。田舎暮らしを体験できる古民家ステイ

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ゆるやかな時の流れに身を委ねて。田舎暮らしを体験できる古民家ステイ

さまざまな宿泊スタイルがある中、旅慣れた人こそ魅力を感じるであろう古民家泊。

都会の喧騒とは無縁の空間で、その土地の文化や歴史を体感しながら暮らすように泊まれる「古民家宿るうふ」をご紹介します。

Contents 目次

沢のせせらぎに癒される“澤之家”

古民家宿るうふは、山梨県に7か所と千葉県に2か所の宿を構え、どれも異なるコンセプトを持ちます。

今回私が訪れたのは、山梨県笛吹市の澤之家(さわのいえ)。1904年、明治37年に建てられた、およそ築100年のるうふ1軒目の宿です。

竹箒の垣根と味わいのある暖簾が、古さを感じながらも見たことのない新しい景観を創り上げています。

暖簾をくぐると、歴史を感じる蔵と宿に通じる飛石が。近くには沢があり、その水のせせらぎが宿まで聴こえます。沢のBGMを聴きながら歩みを進めうちに、あっという間にその世界観に惹き込まれていきました。

炭の香りでお出迎え。囲炉裏で和む兜造りの宿

宿に入ると、伝統的な造形が美しい兜造りの屋根を眺めて、一呼吸。するとフワッと炭の香りを感じました。奥には囲炉裏があります。ここならではの暮らしの香りがするといった印象です。なんだか明治時代にタイムスリップしたかのよう。

澤之家では、完全非対面でもチェックイン、チェックアウトが可能です。入るとタブレットがあり、チェックイン後も、スタッフの方がテレビ電話で施設情報や食事について説明をしてくれます。食材もすべて冷蔵庫に用意されています。

今回、私は接客ありでお願いしましたが、誰とも会わずに過ごしたいという方には非対面はとても便利ですよね。接客ありを希望してもチェックインと食事の時以外はいないので、プライベート感が充分にあります。

こちらは、屋根裏へ上がる階段。

上がるとベッドが4つありました。手前の柵から下を覗くと1階が見え、吹き抜けになっています。

ベッドでゴロゴロしていると頭上に見える窓の向こうの緑にも、ほっとした気持ちに。

屋根裏にはもう一か所スペースがありました。ここで読書や書き物をしたら集中できそう。

この宿での私の一番のお気に入りとなった場所はここでした。緑いっぱいのお庭を楽しめる縁側です。耳を澄ますとちょうどウグイスが鳴いており、上手なホーホケキョが聞こえました。炭の香りと鳥の鳴き声、葉擦れの音などを聞いていると、日々の忙しさを忘れさせてくれるようです。

囲炉裏を囲んで、山梨を味わう夕食

夕食どきになるとスタッフの方が来てくれて、テーブルセットと食材の説明をしてくれます。

まず前菜は、甲斐サーモンの揚げ浸しと蒟蒻。山梨2大ブランド魚の甲斐サーモンは、富士の清らかな天然水で育つ鮮やかな赤い身のニジマスで、山梨県の特産ですね。山梨で育ったるうふ代表の保要(ほよう)さんの「地元の良いものを提供したい」という思いから、蒟蒻も笛吹市芦川町で作られたものを提供しています。

前菜をいただいている間にも、目の前では焼き鳥とニジマスが焼かれています。囲炉裏の醍醐味ですね。

こちらのお野菜は、近くにある姉妹施設のグランピング場LOOF TINY HOUSE CAMPの畑で採れたものだそう。甲斐サーモンのホイル焼きも、揚げ浸しとはまた違った味わい。お肉は、富士山麓牛サーロインの串焼き、富士桜ポークの串焼きでした。

ご飯は、笛吹市産鮎の炊き込みご飯でした。鮎はとれる川ごとに味や香りが異なるそうで、これが笛吹市の鮎かと噛みしめて味わいました。

炊き込みご飯は、澤之家の台所にあるかまどで炊いていただき、貴重な経験でした。

古民家の夜。焚き火と五右衛門風呂

食後は、お庭で焚き火を見つめる時間を。焚き火台にるうふの「る」がくり抜かれ、火の光がちらちらすると文字が見え隠れして面白かったです。

お風呂は、まろやかな湯加減になる五右衛門風呂。お風呂周りの新しくされた箇所は、もともとの古民家となじみ、かつスタイリッシュで素敵でした。

古民家の朝。石の判子作りと自分へのお手紙

朝は自分でシャケと卵を焼き、他のものは冷蔵庫に。時間を気にせず自分のペースで食べられるのは自由で良いですね。

食後は、石の判子作り体験をしました。るうふでは宿によって異なる「土地の体験」ができます。他の宿では、うちわ作りや、染め物体験など、その土地の個性を活かした体験ができるそうです。山梨県は経済産業大臣指定の伝統的工芸品「甲州手彫印章」という判子の産地ということで、澤之家では判子作りを行いました。

一年先の自分へ届く手紙も用意されているので、作った判子を押すのも良いですね。

るうふ澤之家での時間は、穏やかでゆっくり流れ、忙しなさや刺激で疲れた神経をフラットに戻してくれます。

旅行で観光地を巡ったり、ホテルでサービスを受けるのも魅力的ですが、古民家の暮らしとその土地の体験を、誰の目も気にせず自分のペースで楽しめるというのは、旅時間の新しい過ごし方かなと思いました。

チェックイン後、沢に寄りました。気持ちいい冷たさが爽快。山梨って良いところだな、としみじみ思いながら笛吹をあとにしました。

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