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ハワイのファーマーズマーケットで人気! 木の廃材を実用的な日々のアート作品へと変える「Everyday Art Hawaii」
ここハワイで、コロナ禍により一気に注目を浴びるようになったもののひとつに「ファーマーズマーケット」があります。換気が重要視されるなか、外で新鮮な食材や食べものを買うことができるということで、一気にローカルたちからの人気が高まったのです。最近は少しずつ客足が復帰してきたハワイ路線ですが、まだまだ毎日の搭乗人数は1000人前後とコロナ禍前の4分の1程度。円安も影響があるのか、まだまだ観光客の姿は見えませんが、ローカルたちはファーマーズマーケットで、新鮮な食材、あるいはSDGsに関わるようなものを買う習慣ができています。今回はそんなファーマーズマーケットのひとつである「カカアコファーマーズマーケット」の中から、廃材を使った木の商品を作る「Everyday Art Hawaii」を紹介します。
Contents 目次
ひとつひとつ手作りで。ハワイの廃材を使った食器たち
毎月第1、3、5土曜日、カカアコのファーマーズマーケットに出店しているEveryday Art Hawaii。そのオーナーであるシャロン・ドーティ(Sharon Doughtie)さんに今回お話を聞きました。
「2017年当時は、お客さんの8割ほどが地元の人でしたが、現在は観光客と地元の人が半分ずつくらいになっています。作品に使う廃材は、民間の人の庭で伐採されたものや、森林管理の際に伐採された木材などで、それぞれ木の個性に合わせて作品を作っていきます。
すべてハワイの木ではあるのですが、モンキーポッド、マンゴー、シナモン、ライチ、松の木のほか、なかにはKou(コウ)とかHau(ハウ)などのハワイアンの名前がついている木などもあります。じつはKouは、希少な木であるのに、それを知らないで、敷地にある不要な木として伐採してしまう人たちもいるのです。廃材ではあるけれど、製品にすることでもう1度命の吹き込むことに生きがいを感じています」(シャロンさん)
彼女のパートナーはハワイアン系であり、木をとても大切にする人です。当初は、ハワイで使われなくなった木を用いてアート作品を作っていたのですが、お客さんの子どもたちの世代から「もっと実用的なもの」を、というリクエストがあり、またハワイの木でそのような製品を作る人たちがいなかったことから、2017年より、夫妻はサラダボウルやスプーンなど、実用的な製品づくりにシフトしていったそうです。
手に入れた木材は、はじめは湿った状態です。それを、ハワイのカイルア地区にある作業場のドライルームにしばらく寝かせておきます。 これによって欠けたり、ヒビが入るものを排除することができるといいます。その後ドライルームで耐えた強い木を使って、ボウルなどの作品を作っていくというわけです。
木で作られた作品には、それだけでも独特の温もりがありますが、さらにミルクペイントと言われる手法で色をぬっていきます。 世界で最も古い塗料のひとつであり、ミルクを原料とした天然の塗料を使ったミルクペイント は、古くから存在し、現代でも残る天然のペイント手法です。有害な成分を一切含まないため、人体と環境にやさしい方法と言えます。
今後は、スカンジナビアコップやジュエリーなど種類も増やしていきたい、そしてメールでの注文も始めたいと言います。ハワイでのゆっくりとした生活の中で、仕事をしていきたいと話すシャロンさんでした。
Everyday Art Hawaii(https://www.instagram.com/everyday_art_hawaii/)
取材・文/堀内章子 写真/コーディネーション EJ Moriguchi (Youtube:Hawaii Today Channel)