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「片付けて!」という言葉をやめて「魔法の片付けしつもん」にチェンジ! 家もきれいに&家族の健康にもつながる【基本のしつもん】をご紹介

前回に続き、「魔法の片付けしつもん術」の秘訣をオンライン片付け専門家の伊藤かすみさんに伺います。今回のテーマは、家族が自然に片付けたくなる「基本しつもん」の実践法。片付けが単なる作業から、家族の対話や信頼関係を育む時間へと変わる、その仕組みとは。
Contents 目次
家が片付く「魔法の片付けしつもん」<基本編>
「しつもん」の仕方にはコツがあるそう。しつもんなら何でもよいわけではなく、家族が自ら片付けたくなる「魔法の片付けしつもん」の基本をご紹介します。
基本しつもん①「ここにいつも置いてあるのはなぜ?」
基本しつもん②「本当はどこに置いてあったらいい?」
基本しつもん③「そこに置けない理由は?」
基本しつもん④「置きたい場所に置けるようにするには、どうしたらいいと思う?」
「基本編でご紹介するしつもんは、この4つです。相手にしつもんするときは、基本的にこの順番で聞いていきます」(伊藤かすみさん・オンライン片付け専門家)
基本しつもん①「ここにいつも置いてあるのはなぜ?」
「リビングのソファーや床に置きっぱなしにしているモノについて、『ここにいつも置いてあるのはなぜ?』と、聞くところから始めましょう。『片付けしつもん』には、聞くときに心がけたい、大切なポイントがあります。それは、『上から』の聞き方をしないこと。純粋な疑問から相手にしつもんをするようにしましょう」
「『(不思議に思っているのだけれど、)どうしてここにいつも置いてあるの?』『いつもここに置いているけれど、どうしてなのかな?』。子どもが「これ、なあに?」と聞くような、純粋な聞き方。聞く側が本当に疑問に思っていて、その素朴な疑問を率直に尋ねるようなニュアンスで相手に聞くのが、『片付けしつもん』の効果を上げる秘訣です」
しつもん①だけでは、なかなか解決策が見出せないときに使いたいのが、次に紹介するしつもん②「本当はどこに置いてあったらいい?」です。
基本しつもん②「本当はどこに置いてあったらいい?」
「『本当はどこに置いてあったらいい?』『本当はどこに置きたいの?』というしつもんは、聞かれた側に片付けを考えるきっかけを与えます。『本当は』という言葉がポイントです。『本当は』と聞かれるからこそ、『私は、本当はどこに置きたいのかな?』『そうか、本当はここにあったらいいんだよね』と、表面的な解決ではない、自分にとってより快適なやり方を考えていけるのです」
基本しつもん①と②を使用した会話例をご紹介します。
基本しつもん①「この服、ここにいつも置いてあるのはどうして?」
「仕方がないんだよね。本当はきちんとしまいたいんだけど、入れるところがパンパンで…」
基本しつもん②「本当はどこに置きたいの?」
「できれば、玄関のところに洋服掛けがあったらいいかな」
基本のしつもんを使用するだけで、片付けにつながるヒントがたくさん見つかりますね!
※しつもん③以降の詳細は『自然と家族が整理しはじめる、魔法の片付けしつもん術』にてご確認ください。
聞き方を間違えると逆効果に! NGしつもんに要注意
同じことをしつもんしたつもりが、聞き方や姿勢を間違えると残念な結果になることも。避けたほうがいいNGしつもんについてお伺いしました。
NGしつもん①「ここに置いたらどう?」
「一見、しつもんの形をとっていますが、伝わるニュアンスが違います。『ここに置くべきなのに、置かないのはダメだ』『言うとおりにして、ここに置くべきです』と、強く要求しているように聞こえないでしょうか。本人がどう置きたいかを考えていることを聞かないで、『ここに置いたらどうですか』と言ってしまうのは、しつもんにはなりません。圧力のある提案になってしまいます。聞いた側は、その通りにしないといけないような、プレッシャーを感じてしまいますから、それでは意図しない片付けになってしまうでしょう」
NGしつもん②「これ、捨てないの?」「これ、捨てていい?」
「あなたから見れば、捨てるべき『不用品』かもしれません。しかし本人にとっては、捨てたくない、大事にとっておきたいモノなのかもしれません。それを一方的に、自分の価値観で『捨てる』と言ってしまうのは、NGです。捨てるかどうかは、本人が決めること」
ついついNGしつもんをしてしまっているという人も多いのではないでしょうか。これからは、今回紹介した基本の「片付けしつもん」をするようにしましょう。
しつもんの仕方、聞き方によって相手の反応や片付けのやる気も変わってくるということがわかりました。命令ではなくしつもんをして相手の気持ちを聞くことは、相手の意思を尊重し、決める権利はあなたにあるんだよと伝えることにもなります。基本のしつもんからまずははじめてみましょう。
次回は、片付けと家族みんなの健康について、伊藤さんに語っていただきます。
参考書籍:『自然と家族が整理しはじめる、魔法の片付けしつもん術』(ぱる出版)
著者/伊藤かすみ
オンライン片付け専門家。広島県福山市出身で、現在は東京と広島のデュアルライフを送る。住宅会社で20年間インテリアコーディネーターとして勤務した後、資格取得をきっかけに片付けの仕事をスタートする。セミナーやサポートの受講者数は延べ1千名。メールマガジンは2万4千人を超える読者がいる。片付け事業の売り上げは年商2億円。著書に『一生散らからない!飾るだけ片付け術 』(ぱる出版)、『自然と家族が整理しはじめる、魔法の片付けしつもん術』(ぱる出版)がある。