アメリカ在住のライターがすすめる便利なアプリをご紹介します。軒並みにぎやかなところが多いニューヨークのレストラン。でも、時には静かに、相手との会話をゆったり楽しみたいときもありますよね? なんと騒音レベル別にお店をセレクトできるというアプリがあるのだとか! 早速レポートしてもらいましょう。
Contents 目次
お店はどこも大音量で大人向けのお店探しに苦労するマンハッタン
ここマンハッタンでは、どのエリアにもレストラン、バー、カフェが軒を連ねているのでお店探しに困ることはほぼありません。
でも“静かで、落ち着いて会話ができる店探し”となると話は別。久しぶりに会う友だちと出かけたお店がうるさ過ぎて会話が楽しめないとか、大切なお客さんを招待したい時に静かな大人向けのお店を探すのに苦労することも。それもこれも、店内に大音量で流れるBGMや、嫌でも聞こえてくるやたらと声が大きい隣の席の会話などのせい(ナゼかアメリカ人は声がデカい人が多い、笑)
そんな悩める人たちにピッタリの優秀なアプリが今年公開されました。
それが「SoundPrint(サウンドプリント)」。飲食店の騒音レベルの測定ができて、自分好みの静かなお店を検索できるアプリ。しかも無料なんです。
©2018 Apple Inc.
「SoundPrint(サウンドプリント)」を開発したのは、グレゴリー・スコット氏。スコットさんには聴力障害があって、左耳はまったく聞こえず、右耳もわずかな音しか聞きとることができません。今までずっと騒がしいレストランやバーで友だちの会話を聞きとるのに苦労していました。友人の言葉が聞きとれなくて、聞こえたふりをしてしまうこともあったそう。ネットで「静かなレストラン」を検索してそのお店に行ってみても、BGMの音量が大き過ぎて、やっぱり会話が聞き取れない…という経験をしてきました。ある時スコットさんは自分で騒音レベルを測ってみて、予想よりずっと高い数値が出たのに驚きました。そしてサウンドプリントの開発に乗り出したのです。
「SoundPrint(サウンドプリント)」の使い方は2つあります。
1. 騒音レベルを測定、数値をアップロード。
まずアプリを無料でダウンロードして、アプリの中にあるデシベルメーターで、飲食店(カフェ、バー、レストランなど)の騒音レベルを測定します。そして自分が居る場所にタグ付けをして、騒音レベルの数値をアップロード。こうしてユーザーから集まるデータが集計されて、お店の騒音平均値が割り出され表示されます。
2. 騒音レベルもチェックしながらお店選び。
お店のリストを開いて、騒音レベルをチェックしながら好みの場所を探します。現在地からの距離や、料理のカテゴリー(日本食、フレンチ、イタリアンなど)からも検索ができるので、その時の用途にあったお店が選べます。
ユーザーから集まったデータは、今では2万5000を超え信憑性の高いアプリなので、ニューヨークを始め、アメリカ国内7都市に広まっている「SoundPrint(サウンドプリント)」。当初は、自分のように聴覚に障害のある人たちのために開発を始めたスコットさんですが、誰もに役立つアプリだとわかった今、これからますます「SoundPrint(サウンドプリント)」が多くの人たちの役に立つことを期待しています。
文/田中史子、ホリ・コミュニケーション