海外在住ライターが、各国の美容と健康スポットやアイテムを紹介します。今回はスロヴェニアの港町ピランの近くにあるタラソ・スパをレポート。塩好きには有名なピランの塩の元となる塩田を活用したビューティスポットなのです。
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「ピランの塩」で有名な塩田を活用したタラソ・スパ
国土の半分は森という豊かな自然に恵まれたスロヴェニア、北部にはアルプス山脈が連なり、南西部はアドリア海に面しています。沿岸の小さな半島にあるピランは中世の街並みが残る美しい港町、夏の間はヴァカンスを楽しむ人でにぎわいます。
ピランからさらに数キロ南、クロアチアとの国境手前の海岸線にあるのが14世紀から続くセチョヴリエ塩田。太陽と潮風が海水の水分をゆっくりと蒸発させ、そこから職人が手作業で塩を採取する、そんな昔ながらの製法でつくられる天日塩は「ピランの塩」として家庭でも料理に愛用されています。なかでも塩田の表面だけに現れる塩の結晶「ソルトフラワー(塩の花)」は最上級のナチュラルソルト、専門店にも並ぶグルメな食材です。
国の自然公園にも指定されているセチョヴリエ塩田、この塩田の中に5月から9月にかけての期間限定でタラソテラピーのスパ「Lepa Vida」がオープンします。自然公園の入り口から送迎の電動カートに乗り、連なる塩田を眺めながらスパへ。到着してまず目につくのは大きな空を背景にしたスイミングプール。更衣室などの建物やインテリアは極めてシンプルにデザインされていて広大な景観に調和しています。快適さを兼ね備えながらも、必要最低限のものしかないミニマリズムが心地よく、目の前に広がる風景を見ただけでリラックスモードにスイッチオン!
Lepa Vidaでは塩を使ったスクラブ・マッサージやマッド・ラップなどタラソテラピーのトリートメントを受けることができます。顔や体に泥を塗るマッド・ラップに使用するのは塩田から採取される細やかで柔らかなペースト状の泥。塩分、ミネラル分をたっぷり含んだこの泥には体に溜まった毒素の分泌を促すデトックス作用や美肌効果があります。美容だけでなくリウマチや関節系の疾患などの治療にも有効なのだそうです。ほかにもマッサージやリンパドレナージュ、またいくつかの施術を組み合わせたパッケージコースも用意されています。
大きなスパではありませんが、予約制で一度に入場できる人数も制限しているので真夏のハイシーズンでも混み合うことはありません。12歳以上から入場可能となっている大人向けの施設でもあるので、落ち着いた雰囲気も特徴です。お好みのトリートメントを受け、海水を利用したスイミングプールでひと泳ぎ、そして大きな空と塩田の広がるゆったりとした空間でひと休み、自然の中で心置きなくくつろげる極上の時間が味わえます。
Lepa Vida
住所:Seča 115, 6320 Portorož
電話:+386 (0) 5672-1360
営業時間:5月〜9月の毎日9:00〜21:00
www.thalasso-lepavida.si
写真・文/鈴木文恵、ホリ・コミュニケーション