インドやスリランカで有名で、雑誌やSNSなどで注目を集めているアーユルヴェーダ、同じく中国では、漢方や薬膳など中医学が有名ですが、実はインド、中国の中間地点に位置するタイにもアーユルヴェーダそして中医学を融合させたタイ伝統医療が存在するのをご存じですか?
実際に、医大の薬学部では、カリキュラムの中に現在でもタイ伝統医療について学ぶクラスがあるほか、専門に勉強したい人には、大学によってはタイ伝統医学士になるための学部もあるのだそう。
そして、昨今の健康ブームのなかタイで注目を集めているのはアーユルヴェーダと同様にハーブを原料としたメディカルサプリメント。
からだにも負担がかからず、リーズナブルな値段で購入できるのが人気です。
Contents 目次
タイ伝統医療について
世界三大医療の一つでもある古代インドが発祥のアーユルヴェーダに起源があるといわれています。
紀元前2500年頃に、インドにて釈迦の主治医でもあった「タイ伝統医学の父」ともいわれるシヴァカ・ゴマラバット師が仏教伝来とともにタイに広めたと言い伝えられています。
アーユルヴェーダでは、医療の基本となる宇宙の要素を「空」「風」「火」「水」「土」の5つで分けるのに対して、タイ伝統医療は「空」を除いた4要素で構成されているところからも、アーユルヴェーダの影響を強く受けていることがよくわかります。
ただ、タイでは、植物だけではなく、鉱物、動物を「生薬」としている中国漢方と同じ考え方もありアーユルヴェーダをベースに、地理上の関係から中国から漢方の買いつけなどでタイを訪れていた人々によって次第に中医学も混ざり合ったものが現在、タイ伝統医療の基本になっているようです。
タイ料理とハーブの関係
中国には、中国医学に基づいて食材とハーブをはじめとする漢方を調理した薬膳というものがありますが、タイで食べられているタイ料理は、まさにその薬膳を日常的に取り入れているメニューばかり。
タイカレーのベースになるペーストやタイ料理で有名なトムヤムクンには、殺菌効果に効果的なレモングラスや食欲不振に働くといわれるカー(南姜)、中国医学では「生薬」とよばれるパクチーの根っこなど毎日の料理にハーブをたっぷり食生活に取り入れているのがタイ料理なんです。
メディカルハーブとは?現地でポピュラーな薬はなに??
近年、健康ブームが上昇中のタイでは、都心を中心に野菜をたっぷり使ったサラダ専門店やオーガニックレストラン、ヴィーガンレストランなど食べ物のほか、フィットネススタジオも大反響!
そしてそれと同時に注目を集めているのが、タイハーブを使ったやさしい薬です。
昔から販売されていたものですが、このブームとともに売り上げもアップしているようで、タイ人がよく利用する大型スーパーにある薬局などにも結構の数の薬やサプリメントが並んでいますし、コンビニにも使い切りパックのような小さなパックで手ごろなお値段で陳列されています。
豊富な種類なハーブですが、地元で一番ポピュラーな一家に1ついつも薬箱に常備されているメディカルハーブといえば、カミンチャン(ウコン)。おなかが痛いときにてきめんなのだそう。
ナチュラル志向の意識の高い人には、肝臓の機能を高めたり、免疫力を高める効果もあるという「ファータライジョン」という名で親しまれているセンシンレンも風邪の引き始めや、熱があるときなどに利用する人が多いそう。
サプリではありませんが、タイハーブをそれぞれ配合してつくった咳止め液も多く
日本円で百円そこそことリーズナブルなお値段で購入することができます。
タイ伝統医療で有名な国が運営するアバイブベート病院が発売されているブランドが一番有名ですが、その他にもメディカルハーブを発売しているブランドは実はタイ国内にはたくさんあります。
ジワジワと人気を盛り返してきたタイ伝統医療のメディカルハーブ。
タイに旅行した際は、ぜひ、からだにやさしいメディカルハーブを購入してみてはいかがでしょうか?
写真・文/ 徳武かなこ、ホリ・コミュニケーション