男性だけでなく女性から見ても魅力的に映るのは“気品のある女性”。日本文化マナー研究家であり印象戦略コンサルタントの伊東香苗さんによると「気品は、コツコツ修行をすれば必ず身につけることができるもの」なのだそう。そこで今回は、自分を上品に見せる「印象のいい声」について教えてもらいました。
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よく響く明るい声が“印象のいい声”
「私はきれいな声じゃないし…」という人も少なくないと思いますが、伊東さんが重視するのは声のトーン。
「いわゆる“美声”というのも大切ですが、それよりも重要なのは“印象のいい声”かどうかということ。もし、相手から、うつ向きながら消え入りそうな声で挨拶されたら、あまりいい印象は残りませんよね? 私が第一印象で“いい声”と考えているのは、お腹の中から出すしっかりとした明るい声です。たとえ美声を生まれ持っていなくても、自分の心がけ次第で印象のいい声にすることはできるのです」
お腹から出した“いい声”にするには、腹筋を意識したり、腹式呼吸を練習したりするといいのだそう。
「腹筋を使って声を出すと、体が震えるような“よく響いた、いい声”になります。体を楽器と考えると、体を震わせることで美しい音色になるというイメージですね」
自分の腹筋を使った声ってどんな声? 確かめる方法も教えてもらいました。
(1)床にあお向けに寝て、ちょっと脚を上げます。
(2)腹筋がちょっとブルブルした状態で、『あー』と声を出します。それがあなたの腹筋を使った声です。
「その“体に響く声”の感覚を覚えておくことが大事です。ふだんからお腹から声を出そうと心がけていると、自然と、響くいい声で、ゆっくりと話せるようになります。それが相手に『印象がいい』『品がある』というイメージを与えるというわけです」
「ソ」より高い声で明るい印象に
お腹から声を出せるようになったら、次は、声の“音階”を使い分けるのがポイントだといいます。
「私はいつも、声の高さをドレミファソラシドの音階で考えるようにアドバイスしています。“明るい声”というのは、「ソ」よりも上の音。例えば、面接などで明るい第一印象を与えたいときは「ソ」の音で話すといいですね」
商談の場だったら、「ソ」の声で「はじめまして。○○と申します」と挨拶し、説明に入ったら「ソ」より低い信頼感を与える声にトーンダウンしてゆっくり「今日のお話は…」と話し、最後はまた「ソ」の声で明るく「今日はお会いできてうれしかったです。ありがとうございました」と挨拶。そんなふうにメリハリをつけて話すようにすると、相手に信頼感や、いい印象を与えられるのだそう。
「声の高さもTPOが大切です。合コンなどでキャピキャピした印象を与えたいのなら、「ソ」よりももっと高い、頭の上のほうから声を出したほうがかわいく見えますね(笑)。また、笑顔で話すようにすると、明るい声になります。ただ、ほとんどの人は、実際の自分の声や話し方を知らないのではないでしょうか? 自分の声や話し方を客観的に知るためには、自分が話している様子をボイスレコーダーで録音したり、スマホで録画したりしてみるのがおすすめです。きっと自分を発見できると思います。声も話し方もトレーニングによって変えられます。面接や接客、そして婚活パーティーの前などに、いい印象を与えられるように自分を研究してみてください」
取材・文/小高希久恵