昨年の流行語大賞で年間大賞をとった“インスタ映え”という言葉。依然としてすたれることなく時代のキーワードとして君臨していますが、これは何も日本に限ったことではなく、イタリアでも写真映りの良し悪しは何につけてもかなり重要。食の世界では日本と同様にカラフル食品が大きな話題になりました。
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■ヘルシー&ナチュラル志向のイタリアの食ブーム事情
とはいえ、基本的に“より良い食生活で健康に過ごす”ということを重要視するイタリア人は、人工的な着色料によって作られるカラフル食品には、どうやら少々抵抗がある様子。野菜や果物が持つ本来の色を大事にし、素材自体が色鮮やかなもので写真映えもよい食べもののほうが受け入れられやすいようです。色のついた野菜や果物は健康によいとして、イタリアの厚生大臣も推奨しているのだとか。
そんな流れもあってここ数年は、野菜もたっぷり、さまざまな具がのって栄養バランスもとれているうえに見た目も美しいハワイの「ポキ丼」や、パンの代わりにご飯、特に生の赤身魚を使い、紫イモやアボカドなどを使ったカラフルソースを添えた低カロリーで彩り良い「スシバーガー」などのブームが次々とやってきました。そんな中、次のブームになりそうなのが、シリアルバーのカラフルバージョン。
■栄養満点で見た目もカラフルなシリアルバーが登場
そもそもイタリアの市販のお菓子やスナック類はバリエーション自体豊富とは言えず、ユニークなフレーバーのものもあまりなかったのですが、イタリアのヘルシーフード界のトップメーカーといえる「ミズーラ(Misura)」が、ドライフルーツやナッツ、スーパーフードを使ったカラフルなシリアルバー「ナトウーラ・リッカ(Natura Riccca)を発売。ブルーベリーやアサイなどが入ったビタミンEが豊富な紫色、カボチャの種やバオバブの実などが入ってリンが摂取できるオレンジ色、モリンガ、スピルリナ、ほうれん草などが入って銅が摂取できる緑色のバージョンがあります。着色料、香料、保存料、増粘剤、グルコースシロップ、パームオイルは含まれておらず、さらにグルテンフリーという代物。
イタリアと言えども都市部では昼休みも十分に取れなかったり、朝食をゆっくり取る時間のない人達を中心にシリアルバーの人気自体も高まっている中、健康的でエネルギー補給にたけた商品は大きな注目を集めているようです。
写真・文/田中美貴、ホリ・コミュニケーション