2019年はレオナルド・ダ・ヴィンチの没後500年

今年は1519年にこの世を去った、万能の天才・レオナルド・ダ・ヴィンチダ・ヴィンチの没後500年。
イタリアのヴィンチ村に生まれ、フランスのアンボワーズで亡くなったダ・ヴィンチは、イタリア国内でもフィレンツェ、ローマ、ヴェネチアなどさまざまな地で活躍しました。特に30歳から47歳までの全盛期には、当時のミラノ領主ルドヴィコ・スフォルツァに招聘されてミラノに滞在。ミラノ時代のダ・ヴィンチは、画家として「最後の晩餐」を始めとする数々の傑作を残し、建築家としてミラノ大聖堂のドームやパヴィア大聖堂の設計をしました。また土木、建築、機械工学、数学などあらゆる分野の研究を行い、さらに舞台装置デザイナー、宮廷舞台劇の演出なども行っていたそうです。

幻の名作壁画や秘蔵コピーも限定公開

ミラノでは、そんなダ・ヴィンチのさまざまな偉業にまつわる一連のイベント「レオナルド500」が年間を通して行われています。中でも目玉はスフォルツェスコ城の「板張りの間(Sala　delle　Asse)」の特別公開。ここには前出のルドヴィコ・スフォルツァの命を受けダ・ヴィンチが描いた部屋自体が森の中になっているような樹木の壁画がありますが、壁が塗り込まれて封じ込められ、長い間、発見されずに劣化も進んでいたために修復が難航していました。現在修復を進めており、ダ・ヴィンチの命日である5月2日から翌年1月12日まで公開される予定です。

またパラッツォ・レアーレ（王宮）では、10月7日から翌年1月12日まで、バチカン博物館に保管されている最も初期の頃の「最後の晩餐」のコピーが、修復後初めて公開される予定。

発明品展示やコンサートなど各種の文化イベントも

一方、レオナルド・ダヴィンチ科学技術博物館では、10月13日まで「レオナルド・ダ・ヴィンチ　パレード」という特別展を開催中。ダ・ヴィンチの発明品を実際の形にした設計モデル達が、ブレラ絵画館に収められている作品と共に展示されるという豪華なコラボが行われています。
またピッコロ・テアトロでは、ダ・ヴィンチへの架空のインタビューからその生涯を描くショーが公演されたり、「最後の晩餐」のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会ではコンサートが開かれるなど、絵画や科学技術以外にも様々な分野の文化的イベントが予定されています。

この特別な年にしか見られない催しも多く、ダ・ヴィンチファンにもそうでない人にも、今年のミラノは見逃せません。

文／田中美貴、ホリ・コミュニケーション