ハワイのファーマーズマーケットや、ホールフーズ、ABCストアーなどで見かけるハニーガールオーガニクス 。そもそもの きっかけは、オーナーの奥様の皮膚の炎症から。製品発売は2006年、本社を訪ねてみました。
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妻の肌の不調にはちみつをつけたところから商品化へ
本社は、オアフ島の北、ノースショアのワイメアからププケアの山の中腹にあります。夫妻で88年にサンフランシスコから移住。その敷地に養蜂場があったのでご主人のアンソニーが世話をしてはちみつの採取を始めました。あるとき、奥様のグウェン・マックスフィールドさんが、プールで泳いでいたら爪や肌に異常をきたしてきて、どうしたものかとアンソニーさんに相談。アンソニーさんは、はちみつには殺菌効果があり、昔から薬として使われていたことを知っていたので、自分で採取したはちみつと、オリーブ油、水で作ったクリームを使ってみたところ、症状が緩和されてきたのが、ハニーガールオーガニクスの原点だったのだそう。実際、ミツロウと人の皮脂はほぼ同じ成分で作られているので、皮膚との親和性がとても高いとのこと。
ハニーガールオーガニクスの商品の主成分は、オーガニックのはちみつ、ミツロウ、水、オーガニックのエクストラバージンオリーブ油。ビタミンEも、ひまわりから抽出したものを配合しています。
はちみつは、市販されているほかのほとんどのはちみつとは違い、加工されていない生のはちみつを使っています。これはローハニーと呼ばれ、天然の酵素が生きているのが特徴です。また少量の蜂花粉やミツロウも含んでいます。
実際に研究を進めていくと、肌に使うものの8割が体内に染み込むということも知り、食べられるものを商品として使うべきであると、クリームに使われる成分もすべて食べられるものに絞りました。合成防腐剤、鉱物油、合成香料は一切使わない。はちみつにはアミノ酸が豊富に含まれ、1パウンドのミツロウを採取するには8パウンドの蜂の巣が必要となるのですが、それにはなんと蜂が巣と花の間を3百万回もの飛ぶ必要があるというから驚きです。
はちみつには周りの空気から水分を吸収する性質があり、傷口につけると過酸化水素が発生するので消毒作用もあるすぐれもの。実際、絆創膏の中にもはちみつを入れている商品もあるほど。
マックスフィールド夫妻に商品を作るうえで苦労されていることを聞いたら、オーガニックの原料を使い、合成防腐剤を入れていないので、お店の棚に並んでからもできるだけ長く商品の品質が保たれるようにすることが大変だと言います。例えば、化粧水などの液体の商品の容器には、紫外線を遮断する効果の高い茶色の瓶を使うなどの工夫をほどこすなど、安全でナチュラルな製品づくりに余念がありません。
ハニーガールオーガニクス の製品のほとんどは、簡単には取得できないUSDA(米国農務省)オーガニック認証を受けています。そのためには毎年検査員が来て、例えば半径5マイル以内には工場どころか人家もない場所で、蜂を育てていることなども大切な要因のひとつなのだそう。現在、はちみつやミツロウは、ハワイ島の養蜂場で採取しており、それをベースにして、このオアフ島のププケアで商品を作り、梱包までをしています。
現在、リップクリーム、ナイトクリーム、化粧水、フェイシャルスクラブ、メイク落とし、ネイルクリームなど24種類以上を製造、販売。今後もローズヒップオイル入りのビタミンCセラム、また保湿用ミストを作る計画もあり、ますます商品への夢が膨らむマックスフィールド夫妻とビジネスパートナーのクリスティナの三人です。
ぜひ、ハワイと訪れた際に、手にとってみてはいかがですか?
ハニーガールオーガニクス https://www.honeygirlorganics.jp/
写真クレジット
‘Courtesy of Honey Girl Organics’
取材・文/堀内章子