NYは言わずと知れたグルメの街。三つ星レストランからB級グルメまで、世界各国のおいしい料理が楽しめることで有名です。そんなNYで、とある食べ物業界のニューウェーブが話題になっています。それは海外に本店を持つ著名なベーカリーの進出です。北欧や中央ヨーロッパをはじめ各国で大人気のお店が、時期を同じくしてマンハッタンに出店し、にわかに「おいしいパン屋さん」競争が始まっているのです。
Contents 目次
ニューヨークに次々と訪れる有名ベーカリー
先頭を切ったのがデンマーク発の「オール・アンド・スティーン」(トップの写真のパン)。デンマークや英国に90店舗以上を持つベーカリーチェーンで、マンハッタンのユニオンスクエアにアメリカ第一号店をオープンしました。本場のデーニッシュはもちろんながら、ライ麦を使用した伝統の味の北洋風ローフがおすすめで、ランチにはオープンサンド、バゲッドサンドとパン好きには見逃せない品揃えです。店内は、北欧独特のシンプルなデザインとNYらしいおしゃれさがミックスされた落ち着いた雰囲気。席数も多いのでゆっくりとしたコーヒータイムが楽しめます。
(© bourkestreetbakery.com.au)
オーストラリアからは、最近流行に敏感な人たちが集まることで話題のノマド地区(North of Madison Square Parkの略で、マンハッタン南部に位置するマディソンスクエアパークの北側から数ブロック圏内のエリア)に「バーク・ストリート・ベーカリー」がオープンします。
パン職人のポール・アラム氏とパティシエのデビッド・マクギネス氏によって、2004年にアットホームなベーカリーとしてオープンしたこのベーカリーは、自社で豆をローストしているわけではないのですが、コーヒーのおいしさにも定評があります。そしてパンは粉をひくところから作り始めるというこだわりっぷり。オーガニックのサワードウを使ったパンやパイ、ペイストリーがおすすめです。その日に焼かれた、新鮮なパイやソーセージロール、ペイストリーのみが店頭に陳列されるので、シドニーのお店では早めの時間帯に訪れないとすべて売り切れになってしまうほどの人気店、期待が高まります。
マンハッタン市内ですでにお店を構えているのはフランスの「メゾンカイザー」。オリジナル製粉の小麦粉や、特別に製造されている高品質のバターなど厳選された素材にこだわって、天然酵母を使うフランスの伝統的な製法でパンを焼いています。低温で長時間発酵させたパン生地をしっかり焼き込み、味わい深いパンを提供するのがメゾンカーザーの特徴です。
(© www.lepainquotidien.com)
ベルギー発の「ル・パン・コティディアン」も健闘中。オーガニック素材をふんだんに使ったカフェのこのお店は、素材にこだわって作られたシンプルでおいしいメニューが評判です。木目調のインテリアでナチュラルな雰囲気の開放的な店舗が人気で、どんどんその規模を広げていて、今や世界中に175店舗を展開するベーカリーです。 これからNYを旅行する『パン好き』そして『カフェ好き』の方には“NYでベーカリー巡り”という新しい楽しみ方をご提案します。自分好みの素敵なベーカリーカフェを見つけて、おいしいパンとコーヒーをご賞味くださいね。
(トップのパンの写真:© oleandsteen.us)
文/田中史子、ホリ・コミュニケーション