春はスタートの季節。4月に新社会人になった人、転職した人、久しぶりに復職した人、あるいは新しい趣味や勉強を始めた人もいることでしょう。でも、なかなか新しい環境に溶け込めない、と感じている人もいるかもしれません。『イラスト&図解 コミュケーション大百科』(かんき出版)等の著書がある研修講師の戸田久実さんに、好印象を持たれるコミュニケーション術について伺いました。
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笑顔と挨拶が好印象のポイント
新入社員にしても、中途採用にしても、すでにできあがった人間関係の中に入っていく状況は、誰しも不安や緊張を感じるものです。
しかし、「『変なことを言って白い目で見られないかな』と、過度に警戒するのも禁物。とっつきにくい印象を与えてしまいます」(戸田さん)。
新しい環境に打ち解け、好印象を持ってもらうためには、
■自分から進んで挨拶をする
■笑顔で返事をする
当たり前のことかもしれませんが、この二つが大切なのです。
■自分から進んで挨拶をする
すでに人間関係ができ上がった環境へ、新参者として入って行く場合は、自分から進んで挨拶をしましょう。
「はじめまして」
「××に配属になった、○○と申します」
「こちらから先手で挨拶をして、名乗ることで、相手の警戒心が解け、『感じのいい人だな』という印象が残りやすくなります」(戸田さん)。
■笑顔で返事をする
「笑顔で接してもらうと、人は安心感を覚えます。その場の雰囲気も明るくなり、親しみやすい印象を持たれます。笑顔には、相手も笑顔にするという効果もあります。
逆に、仕事中に声をかけられたとき、『忙しいのに、何の用?』と言わんばかりに、『はい?』と不機嫌に返事をしてしまうと、相手には『怖いなぁ』『話しかけづらい人だなぁ』という印象を持たれてしまうので、注意したいですね」(戸田さん)。
笑顔に自信がない……という人は、鏡を見ながら「ニコッ」と笑ってみて、次の3つをチェックしましょう。
1口角が上がっているか
2目もとは穏やかでやわらかいか
3自然な表情か
どうでしたか? 毎日チェックすることで、自分らしい笑顔が定着していきますよ。
上司や先輩から仕事を教わるときに大切なこと
新しい環境では、仕事を教わる立場で、上司や先輩の指示を受ける場面も多くなります。そこで大切なことは―――
●返事は笑顔で、短くはっきり
●大切な話はメモを取り、何度も同じことを言わせない
●ミスや失敗に言い訳をしない
「仕事でミスをして上司に叱られたとしても、人間性を否定されたわけではありません。腹を立てたり、言い訳をしたり、人のせいにするのはやってはいけないこと。泣くのはもってのほかです。
迷惑をかけた相手には素直に謝り、今後の対応を一緒に考えるようにしましょう。謝ることは自分の価値を下げることではありません。『素直に指摘を受け入れてくれている』と、かえって価値を上げることにつながりますよ」(戸田さん)
では、周囲の目を気にせず、『これが私です』と自然体で振る舞えるようになるためのレッスンを紹介します。
自分の好きなところ、得意なこと、がんばってきたことを100個書き出しましょう。
「そうすることで、自分を客観的に見ることができ、『こんなにいいところがあるから、今の私で大丈夫』と思えるようになります」(戸田さん)
取材・文/海老根祐子