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ワナカの自然と女性オーナーの感性が生み出す、ビールとウイスキー【ニュージーランド#9】

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ビール飲み比べ

ニュージーランドのお酒というとワインのイメージが強いかもしれませんが、ウイスキーなどの蒸留酒やクラフトビールも質が高く世界的にも注目されています。ここで取り上げるのは、ワナカの街にできたクラフトビールの醸造所と少し郊外に佇む蒸留所。どちらもオーナーは女性で、女性ならではの目線や感性、こだわりが個性となり唯一無二の商品を生み出しています。そしておいしい蒸留酒やビールができるのは、やはりこの地の豊かな自然があってこそ。ワナカの山から湧き出る水と、作り手の思いが奏でる風味、香りに触れてきました。

Contents 目次

個性豊かなクラフトビールは、飲み比べが楽しい

ビールを楽しむ人たち

ワナカの街の中にある「RHYME AND REASON BREWERY(ライム・アンド・リーズン・ブルワリー)」はビールバーも併設するクラフトビールの醸造所。

オーナーのジェシカ・ハーマンさんは、「アクティビティを楽しんだ人たちののどをうるおす憩いの場を作りたい」そんな思いから、パートナーのサイモン・ロスさんと共にこの醸造所を2017年に立ち上げました。

クラフトビール

取り扱うクラフトビールは40種類ほど。その中から、毎日10種類のビールが用意されています。そのうち4種は定番なので常時あり、残りの6種は入れ替わるそうです。
オススメの飲み方は、好みの4種類を小グラスで少しずつ試せるテイスティングスタイル($20~)。
特に女性に人気があるのはすがすがしい味わいの「GO TO」や、フルーティな香りが漂う「JOY RIDER」。どちらも定番のビールなので、迷ったらまずこの2種を選んで。
この日は他にも、バナナ、ピーチ、マンゴー、チョコレートなど、個性豊かなフレーバーのビールがライナップ。ひとつひとつが色も香り異なりますが、4種注いでもらえるのでその違いもじっくり楽しむことができます。

オーナージェシカさん

「ビールのアイデアは、いつも考えているんです」とオーナーのジェシカさん。そのアイデアは次々と新種のビールへと形を変えつつあり、現在は40種類ほどのビールも、今年は50~60種まで増える予定とのこと。

また、「お客さんがビールを片手に、自分たちのビールを話題に盛り上がっている。そんなシーンを見るととてもうれしくなります」とも話してくれました。このお店を訪れる人からは、「ワナカに、こんな場所が欲しかったんだよ」という声も多いそうです。

ビールタンク

店内のすぐ奥にはビールタンクが並びますが、このエリアを見学したりタンクに触れたりすることもできます。また、バーではボトルのビールの購入も可能。お土産にも◎です。

●RHYME AND REASON BREWERY
住所:17 Gordon Road, Wanaka
営業時間:12:00~21:00(月~木、日曜日)、~23:00(金、土曜日)
定休日:なし
電話番号:+64-3-265-1101
http://www.rhymeandreason.beer/

奥深い蒸留酒づくりの過程を見学。ウイスキーは、熟成真っ只中

蒸留所

ワナカから車で20分ほどの場所にある「Cardrona DISTILLERY(カードローナ・ディスティラリー)」は、女性オーナー、デザレイ・ウィタカーさんが手掛ける蒸留所。こちらでは、シングルモルトウイスキーをはじめとした蒸留酒が製造、販売されています。

ウイスキーの本場スコットランドの蒸留所に魅了され、「祖国でも上質なウイスキーを作りたい」という強い思いを抱いたデザレイさん。その願いをかなえるべく長年の構想と研究を重ね、2015年にこの蒸留所の設立に至りました。

こちらでは約75分の見学ツアー($25)もおこなっており、デザレイさんの研究と熱い思い、個性が詰まった蒸留所に足を運ぶことができます。

蒸留釜

蒸留所に入るとたまねぎのような独特なフォルムの物体が目に入りますが、これは銅製の蒸留釜で、ウイスキーの製造において非常に重要な働きをするそうです。
蒸留所では、製粉、糖化、発酵、蒸留、熟成に至るまでの製造工程を教えていただきましたが、その過程は複雑かつ緻密な管理が不可欠。蒸留酒作りの奥深さに、驚きます。

貯蔵庫

ここは、蒸留した原酒を熟成させる貯蔵庫。樽の中でときを重ねることで、芳醇なウイスキーへと変化をしていきます。
この蒸留所の主力商品となるシングルモルトウイスキーは、「ザ・カードローナ」と名づけられる予定なのですが、まだ、それはありません。というもの10年、15年、21年ものをリリースするため、熟成真っ只中。最初にお目にかかれるのは、2025年というわけです。

テイスティング

ツアーの最後には、ウォッカ、ジン、3年ものウイスキー“Just Hatched”、オレンジリキュール、エルダーフラワーリキュールをテイスティング。どの蒸留酒もおおもととなるのは、水、酵母、麦芽大麦。同じ原料から始まりますが、製造の過程で異なる香味を宿していきます。比較しながらテイスティングすることでその面白さを改めて実感します。

デザレイさんには香水を作る計画もあるそうですが、彼女の香りへの関心やこだわりもまた蒸留酒作りに反映されていました。そして、ここは職人もほぼ女性。女性ならではの感性が生み出す蒸留酒、ワナカを訪れた際はぜひ体験してみてください。

●Cardrona DISTILLERY
住所:2125 Cardrona Valley Rd, Wanaka
営業時間:10:00~15:00
※醸造所ツアーは、10:00~14:00の間、1時間おきにおこなわれます。
定休日:グッドフライデー、イースターサンデー、アンザックデー、クリスマス
電話番号:+64-3-443-1393
http://www.cardronadistillery.com/

取材・文/柿沼曜子

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