この話は、わたしの目の前で起こったできごとです。ものすごくシンプルで、でも勇気をもらえるできごとでした。とある観光地でのことです。よくある観光地のメダルやバッチが出てくるガチャガチャのまえで、2歳ぐらいの女の子が泣いていました。
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「自分で選んだものが欲しいのっ!」
その女の子が叫びました。その声でわたしはその親子連れに目がクギヅケになってしまいました。「これはね、順番に出てくるからおもちゃを選べないの」とガチャガチャを指差して説明するお母さん。しかし、納得がいかない女の子はじ~っとガチャガチャを見つめています。そして、お父さん登場。「ね、わかった?」と、ガチャガチャの機械にお金を入れてハンドルを回しました。すると、
「あれ? おかしいなあ。」と、おとうさん。
「っあ、ひっかかっちゃったよ~。」
そして、ちょうど通りかかったお店の人を呼び止めました。お店の方は、「すみません、もしかして引っかかりました? ちょっとお待ちくださいね。」と、そそくさと店内に戻り、ガチャガチャの扉を開ける鍵を持ってきました。「すみませんねー」と話しながら機械を開けると補充がしっかりしてあったため、カプセルが詰まってうまくハンドルが回らない状態になっていたようでした。そこで私が、もしかして…と思っていると案の定…。
「どれか欲しいの、ある?」
お店の方がその女の子に聞いたのです。そして、その女の子は、自分の欲しいものを、
「これが欲しかったの!」
と、しっかりと手に入れて、帰っていったのでした…。わたしはすぐそばのベンチに座っていたので、ことの一部始終を見ていたわけですが、全身全霊で欲しい!っと思った小さな女の子が現実を動かしたそのできごとに、感動してしまいました。
本当に欲しかったんですね(笑)
欲しいのなら全身全霊で思い、そして表現すること。彼女がしたことといえば、自分で選んだものが欲しい!と自分の望みを大声で表現したこと! 笑
でも、結果的に状況がそのように動いていきました。そしてそのことで、誰ひとりとして傷ついていなかったのです。なおかつシンプルでスムーズ!
自分の欲しいものを手に入れるため、夢を実現するために、周りを傷つける必要はないということに改めて気づかされる、素敵なできごとでした。