生理痛や月経前症候群(PMS)など、生理に関連したつらい症状はたくさんありますが、その影響で本来の生活が送れなくなる結果、年に9日分も仕事や勉強をできなくなっているそう。オランダの研究グループが報告したものです。「女性の生理に関連した問題は過小評価されている」と問題視しています。
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3万人以上の女性を調べて影響を調査
生理に関連したつらい症状は、お腹の痛み、吐き気や冷や汗などたくさんあります。女性は心、体の両面で影響を受けており、しかも、社会的、職業的な面でも重荷になっているケースは少なくありません。
個人レベルでみれば、つらい症状のせいで家にこもることになったり、薬を買ったり、医療機関にかかったりといった負担があります。さらに、社会全体で見ても、仕事や勉強ができないことによる影響はあると見られています。
オランダのラドバウド大学などの研究グループは今回、生理に関連したつらい症状のせいで、ふつうに仕事や勉強ができなくなることがどれくらいあるのかを調べました。職場や学校を休む場合と、休まないものの症状のせいで本来の能力を出せない場合とを分けています。
対象としたのは、10代から40代の3万2748人です。生理の頻度や長さ、生理に伴う症状、そのせいで職場や学校を休んだり、能力が落ちたりしたかなどを聞きました。
仕事や勉強のパフォーマンスが下がる影響は大きい
調査の結果、生理の長さは平均5日で、3分の1近くが一般医にかかっており、およそ7人に1人が婦人科医にかかっていました。
全体として休んだことがあるのは7人に1人。ほぼ生理があるたびに休んだ人は3.5%となっていました。休んだ日数は平均で年に1.3日。一方で、8割は、生理に伴う症状のせいで仕事や勉強のパフォーマンスが下がったと回答。日数は平均で年に23.2日。3割ほど生産性が下がったということでした。
計算したところ、1年の間に生産性が失われた日数はほぼ9日分。休んだ日数の7倍に上りました。
21歳未満の若い女性は、生理のせいで休む確率が3.3倍。影響が大きいと思われました。
なお、重要な点として研究者が指摘しているのは、職場や学校を休む際に、生理に伴う症状のせいという本当の理由を告げたのは5人に1人にとどまったこと。本当のことを告げずに休んでしまっていることになり、そうであればもっとスケジュールを組み立てやすく対応をとる意味も大きい可能性がありそうです。
研究グループは、「一般的に生理に伴う症状の実際の影響が過小評価されているだけでなく、21世紀だというのに、その問題について話すことがいまだにタブー視されているようだ」と警鐘を鳴らしています。
働き方を変えることが注目されていますが、生理についても配慮する必要はもっとあるのかもしれません。
<参考文献>
BMJ Open. 2019 Jun 27;9(6):e026186. doi: 10.1136/bmjopen-2018-026186.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31248919
Menstrual symptoms linked to nearly 9 days of lost productivity through presenteeism every year
https://www.bmj.com/company/newsroom/menstrual-symptoms-linked-to-nearly-9-days-of-lost-productivity-through-presenteeism-every-year/
文/星良孝
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