常に美を追求している人のライフスタイルってどんな感じ? 美しさの秘訣はきっと、スキンケアだけじゃないはずです。今回はそんな切り口から、美容研究家・岡江美希さんにお話を伺いました。アラフィフである今の岡江さんが考える、美に必要なものとは何でしょう。
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「心の断捨離!?」でシンプルに!今あるものを自分カスタマイズして楽しむ
最近は、自分の中であらゆるものがシンプルになってきたのを感じています。今までもスキンケアに関しては「メイクオフはオリーブオイルでOK」とか、「クリームは使わず化粧水と美容液でOK」とか、シンプルな方法をご紹介してきましたよね。そこからさらに進み、身の周りすべてがそんな感じになってきたんです。
例えば、昔は大好きだったブランドもの。以前の私なら、かわいいと思ったらもう、そのシリーズは全部! 買わないと気がすまなかった。エルメスだったら「バーキンを持っていると、気分がいいわよね」みたいな。ところが今は逆に、ブランド物を持っている自分を恥ずかしいとすら思う気持ちがあります。
それば「ブランドものがダサい」というお話ではなく、本当にそのデザインや使い心地が、気に入っているのか? ということ。ブランドが持つネームバリューではなく、自分にフィットしているかどうかということを、大切に思うようになりました。やだ私、シャネルとかのロゴがなくてもいられるじゃない~! なんて、自分で自分にびっくりよ(笑)。
最近のお気に入りは、自衛隊モチーフのクマをバッグチャームにつけること。バッグの中は、しっかり整理整頓。ガムテなどで補強しながら、自分カスタマイズした仕切りを、バッグの中に入れています。バッグインバッグをスポンと入れて使うのが最近のお気に入り♪
それは、人と会うシーンでも同じ。私はワインが大好きなので、お呼ばれすると高価なフレンチのお店を用意してくださる方が多いんですよ。でもそんなことに、違和感を覚えるようになってきました。だって私は、お酒や料理よりもまず、その相手と過ごす時間が楽しみなんです。だから6万円のてんぷら…とかじゃなく、なんなら魚民でいい(笑)。楽しい会話が何よりのごちそうですから、ほかのことに気をつかいたくないですよね。名前とか会社とか美容研究家とか生まれとか育ちとかを全部抜きにして、自分も相手ものびのび楽しむことを優先したい。
メイクアップも、流行メイクにトライすることもあるけれど、やっぱりそこから自分らしさを追求したい。今までさんざん冒険してきた反動なのかもしれませんが、見栄とか勝ち負けとか、なくなってくるのを感じていますね。だんだん、心が断捨離されてきているよう。18歳から蓄積されてきた垢を、30年たってやっと削ぎ落した気分です。そうすると、スキンケアもダイエットも、自分にぴったりの方法を自然に選べるようになるのかもしれません。
なんていい話にしても、ブランドものについては、数年前に家に泥棒が入って、エルメス10個くらいとられた荒療治(!?)のおかげかもしれませんけどね(笑)!
ブランドものしか興味がなかった人間が、こうなるなんて…とちょっと感慨深い今日このごろ。そういった変化も含め、歳をとるおもしろさを感じています。ものを捨てられないときを振り返ると、人生迷走していたときと重なっていたりします。もしメイク道具やクローゼットの中がごちゃごちゃ! という人がいましたら、ちょっと自分の状態を振り返ってみて。心をスッキリさせることも、美しさにつながっていくはずです。
取材・文/木下 頼子