タイのプーケットで最近人気のツアーに参加してきました。象のお世話をする、というものです。かつては象乗り体験がメジャーでしたが、今では動物愛護の観点から、象に乗るのではなく、象のお世話を体験するというツアーに変わってきているのだそうです。
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象乗り体験ではなく、象のお世話を体験するツアーが人気
先日、タイで象のお世話体験をしてきました。タイと言えば大きな象の背中に乗ってジャングルを散歩する、象乗り体験というイメージがありましたが、インターネットで検索したところ、象乗り体験は低評価です。調べたところ、動物愛護の観点で象乗りはやめようという人が増えているようです。じつは象は人間を乗せていると、背骨を傷める可能性があるほか、人を乗せる椅子のせいで象の背中にマメができたりするそうです。かわってエサをあげたり、体を洗ってあげたりするという、象のお世話体験の人気が高まっています。
私たちが参加したのはElephant Retirement Park Phuketのツアー。虐待されていた象や、エンターテイメント産業などからリタイアした象を保護して、できるだけ自然に近い状態で暮らせるようにしている施設で、象の世話をして最後にランチという、午前中3時間半のアクティビティでした。
ツアーはホテルへの送迎付き。私たちが一番乗りで、ほかの参加者が到着するまで、敷地内を散歩。小象は鎖でつながれていませんでしたが、柵の中に入っていました。でも檻ではないので、窮屈な感じではありません。大人の象は以前、エンターテイメントの世界で働いていたとかで、暴れたりしないのか、柵などはない広場でのんびりしていました。ただし、大きな象はそれだけで危険なので、スタッフがそばにいて、さりげなく観光客の安全確保をしています。
参加者が揃ったら、象の食事の準備です。まずはバナナが房で運ばれてきますので、1本ずつ分けてバスケットに入れていきます。それからサトウキビ。長いので、包丁でひと口大、といっても象なので30センチほどの長さに切り分けていきます。中華包丁のような長方形で大きな包丁を使うのですが、最初は思うように切れません。エイっと思い切って振り下ろすと、今度はまな板に刃が刺さって、はずすのにひと苦労。バスケット一杯分の割り当てを終えるころにやっと、コツがつかめてきました。一頭の一食分だったのですが、大量でした。
準備ができると、象に自分たちが準備したバナナとサトウキビを手渡しであげます。バナナを渡すと鼻をじょうずに使って食べるのですが、ときには大きな口を開けて待っているのでバナナを投げ込みます。食いしん坊の象たちはあっという間に完食してしまいました。
次はツアーの目玉、象の泥浴びとシャワーのお手伝い。象が泥浴びをするのは、寄生虫などから体を守るのと、暑さ対策だとか。水着に着替えて、私たちも象たちと一緒に泥の中へ。泥パックよろしく、象に泥を塗りたくってマッサージすると、気持ちよさそうに大人しくしています。しっかり泥を塗ったら、今度は水場へ。ブラシを使って、ゴシゴシ泥を落としていきます。動物園で象の檻のそばに行くとにおいが気になるのですが、ここの象たちは毎日洗ってもらっているからか、臭くなかったです。
締めくくりにタイ人スタッフが本場のパッタイの作り方をデモンストレーションしてくれた後、おいしいタイ料理のビュッフェランチ。象に乗らなくてもしっかり象と触れ合って、大満足の半日でした。
Elephant Retirement Park Phuket
elephantretirementparkphuket.com
email: info@elephantretirementparkphuket.com
写真・文/西川桂子、ホリ・コミュニケーション