インターネットでコミュニケーションできれば、わざわざオフィスに行かなくても仕事はできるように。在宅での仕事もますます一般的になっています。便利になってはいるように見えますが、その半面、つねに仕事にしばられてしまう面もありそうです。海外の研究グループによると、ワークライフバランスには悪影響が及ぶ可能性が指摘されています。
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インターネットは生活にどんな影響を与えている?
日本のインターネットの利用率は徐々に上がり、2013年に80%を超えて、そのまま推移しています。現役世代といえる10代後半から50代では、ほぼ100%に近い状況。メールの送受信、SNS、地図や交通情報の検索、天気予報、ニュースの閲覧など、いまやインターネットを使わない生活は考えられません。
生活や仕事をますます便利にしてくれるインターネット。コミュニケーションや情報の取得などを容易にして、仕事においても大きな影響をもつように。そのため、毎日出勤する必要がなく、プライベートも充実させるワークライフバランスの改善に役立つ可能性があると見られています。
こうしたなか、ポーランドの研究グループが、189人のオンラインワーカーと、200人のオフィスワーカーを比べて、オンラインの活用により在宅で勤務できるようになったことが、その人のワークライフバランスにどのように影響しているのかを検証しました。
たとえば、家族との時間がもてているのか、仕事にしっかり取り組めているのかなどを調査。また家にいるときに仕事のために気が立っていたり、家族との時間がなかったりするなど、仕事がプライベートに及ぼす悪影響や、人との関係性がどう変化しているかも調べました。
ワークライフバランスにはマイナスがあるかも
その結果、わかったのは、意外とオンラインワーカーは、オフィスワーカーよりも、ワークライフバランスの満足度が低いことです。仕事によってプライベートに悪影響が及んでいる人もオンラインワーカーのほうが多いことがわかりました。ふだんの生活がじゃまされたり、イライラしたりマイナスも大きいようなのです。一方、他人との関係性については、オンラインワーカーだから悪いということはありませんでした。
インターネットにつながっていれば、どこにいても働ける時代。在宅を選ぶ人も増えていますが、意外とそれはプライベートの生活にとってはよいことではない可能性があるわけです。働き方の選択肢として、オフィスワークをあえて選ぶのも一案かもしれません。
<参考文献>
Int J Occup Med Environ Health. 2019 Nov 6. pii: 112115. doi: 10.13075/ijomeh.1896.01494. [Epub ahead of print]
http://ijomeh.eu/Work-related-Internet-use-as-a-threat-to-work-life-balance-a-comparison-between-the,112115,0,2.html
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31695221