元“片づけられない女”の経験を生かして、片づけ術を伝授する吉川永里子さん。吉川さん自身、片づけをきっかけに人生もポジティブな方向へ変わっていきました。片づけが成功すると、人生にはどんな変化あるのでしょう。今回は、吉川さんの著書『なかなか捨てられない人のための 鬼速片づけ』(アスコム)から、片づけをすると人生はどう変わるかについて、ご紹介していきます。
Contents 目次
片づけをきっかけに人生が回り始める
整理収納アドバイザーとして活躍する吉川さんですが、過去は“片づけられない女”でした。
「小学生のころから片づけが苦手で、失くしもの、探しもの、 忘れものばかり。 高校生になってもゴチャゴチャした部屋でいつもバタバタ。生活も不規則で帯状疱疹になりました。大学生のときの恋愛では、迷いばかりで彼以外の男性も気になってしまいました。部屋と同様に頭と心の整理がつかず、“本当に大事なもの”が選べなかったのです。
就職活動もうまくいかず、毎日イライラしてますます暮らしがすさむなかで、うつ病を発症。ようやく仕事が見つかっても、忙しさを理由に部屋はますますめちゃくちゃに。また体を壊して、もう一歩も前に進めなくなりました」
自己嫌悪がピークに達したときに、とりあえず始めたのが部屋の片づけだったそうです。
「するとどうでしょう、新しい仕事の話がきました。部屋がキレイになるとともに、心にも迷いがなくなってきて、本当に自分がしたいことに気づきました。すると、いい人間関係に恵まれて、毎日が楽しく、追い風に乗るように独立できたのです」と吉川さんは振り返ります。
片づけが成功するといいことが起こる
1.自分軸の決断力がつく
片づけられない部屋でうつ病まで患い、一歩も進めなかった吉川さん。
部屋の片づけをきっかけに人生が好転しました。
「仕事が見つかり、いい人間関係に恵まれて、結婚して子どももできて、毎日楽しくポジティブに暮らせるようになりました。『片づけには、何かある。でも、その“何か”、って、なんだろう?』とずっと考えていたのですが、それが決断力であることを、片づけを終えて晴れ晴れとするお客さまを見ながら、確信するようになりました。他人軸ではなく、自分軸で生きる。これほど幸福を感じる生き方はないと思います。社会的な評価にしがみつかず、自分らしく、自由に人生を選択する。それができるのは、自分の価値観を知っている人です」
2.心のゆとりが生まれる
片づけがうまくいくと二度と大片づけをしなくてよくなります。
「それによって生まれる時間とお金、心のゆとり。思考力や体力を、もっと大事なこと、好きなこと、がんばりたいことに使えるようになります。1日5分、探しものに費やす人と、1日5分、夢に向かって努力する人。数年後に、どれだけ差がつくでしょう?」
片づけが身につくと、無意識的に片づけられるようになり、部屋のなかはいつでも自然に片づいているようになります。ここが最終ゴールです。
3.自分を肯定し、生きるのがラクになる
片づけが苦手な人は、完璧主義ということもあるようです。片づけで完璧主義から自分を解放しましょう。
「意外に思うかもしれませんが、片づけられない人は、性格がルーズというより、完璧主義なのだと思います。何を隠そう、私自身がそうでした。心理学者のバリー・シュワルツ氏によると、人間には完璧主義者のマキシマイザー(最大化人間)と、ある程度で満足できるサティスファイザー(満足人間)の2タイプがあるのだそうです」
完璧主義者が「60点が嫌なので、だったら0点でいい」と考えるのに対して、サティスファイザーは「思い立ったが吉日!とりあえず、ちょっと片づけてみようか」と考えるタイプ。60点でも、30点分でも、何もやらないのとは雲泥の差です。
「いさぎよく、完璧を目指すことをあきらめたほうが手っ取り早いのです。欠点やマイナスの部分を受け入れる。“それでいいよ”と認めてあげる。すると生きるのが、とってもラクになります」
不要なものの管理で時間や労力を使っていると気づいたら、大片づけをするとき。大片づけが済んだら、あとはスキマ時間に片づけるだけ。毎日、片づけや収納に時間をかけるよりも、がんばらなくていい、自分に合った片づけ法がいいですね。
文/庄司真紀
参考書籍
吉川永里子著『なかなか捨てられない人のための 鬼速片づけ』(アスコム)