スマートフォンは、もはや多くの人の暮らしになくてはならないツールのひとつとなっています。その一方で、スマホが一時も手放せなくなるスマートフォン依存症(スマホ依存)も社会的な問題に。その悪影響のひとつが「孤独」なのかもしれません。米国の研究グループが調べたところ、スマホ依存で孤独感が高まり、うつ病につながる可能性があることがわかりました。
Contents 目次
スマホの使い過ぎ問題とは?
このたび米国アリゾナ大学の研究グループが17~20歳の年齢層を対象として調査(対象者のスマホ使用率は9割を超えていました)。4段階評価のアンケートで、スマホ依存度、利用時間、うつ症状、孤独感について調べています。初回から2か月半~3か月が経ったところで2回目のアンケートを行い、回答の変化を分析。2回のアンケートの両方に346人が回答しました。
スマホを使うほど孤独感が増す結果に
こうして判明したのは、初回アンケートでスマホ依存度が高かった人は、2回目のアンケートで孤独感の高まりやうつ症状が強まるということ。さらに初回アンケートで孤独感が高かった人は、2回目でうつ症状がみられるようになり、初回にスマホの利用時間が長かった人は、2回目でスマホ依存度が上がっていました。
どちらかといえば、孤独感があるからスマホを使うようになるというよりも、スマホを使うから孤独感が強まるという結果です。逆にいえば、スマホ依存を改善するとメンタルが改善するという可能性も。ストレス発散にスマホを使用する人も多数いるようで、研究グループはスマホ依存のマイナス影響を考慮して「ストレス対策には、友人に相談するほか、運動や瞑想など、より健康的なアプローチをとるようにするといいでしょう」とアドバイス。長時間の使用を避けるよう提案しています。
スマートフォンを四六時中手放せないという人は多そうですが、使い過ぎは問題かも。スマホとのつき合い方を見直してみるとよいかもしれません。
<参考文献>
Which Comes First: Smartphone Dependency or Depression?
https://uanews.arizona.edu/story/which-comes-first-smartphone-dependency-or-depression
J Adolesc Health. 2019 Nov;65(5):607-612. doi: 10.1016/j.jadohealth.2019.06.001. Epub 2019 Aug 31.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31477510