性格が合う人もいれば、合わない人もいます。個々人の性格、あるいはパーソナリティーはなかなか変わらないものだと一般的には信じられています。ところが、そうした常識は必ずしも当てはまらないのかもしれません。継続的にカウンセリングなどをしていくことでパーソナリティーを変えられるという研究結果が出ています。
Contents 目次
パーソナリティーは5つの特徴から見る
これまでの研究から、専門家はパーソナリティーを5つの要素からとらえます。性格適正検査などでも応用されている「ビッグファイブ理論」と呼ばれている考え方で、5つの要素とは、精神の安定に関係する「情緒不安定性」、コミュニケーションのとり方と関係する「外向性」、独創的な考え方と関係する「開放性」、同調するかどうかの「調和性」、気持ちのコントロールに関わる「誠実性」のこと。
それぞれの意味合いを考えると、たしかにパーソナリティーに大きな影響を与える分岐点になりそうだと見えます。精神的に安定しているか、コミュニケーションに積極的か、独創的かなどその人の仕事をはじめ生活全般に関わると見られるからです。生き方にマイナスになるならば、うまく修正することができればよいかもしれません。米国カリフォルニア大学デービス校の研究グループが、パーソナリティーの問題についてこのたび報告しています。
情緒不安定性と誠実性は変えられる?
研究から見えてきたことのひとつは、いくつかあるパーソナリティーのなかでも、情緒不安定性と誠実性は、変えられる可能性があるということ。特に年齢が若いうちに長期間にわたって精神が安定するように、また誠実な行動をとるように粘り強く導いていくことがパーソナリティーの修正につながりやすいようです。その場合、本人が積極的にパーソナリティーを変えようと協力し、しかもパーソナリティーを変えられると信じることが大事といいます。
研究グループによると、こうしたパーソナリティーを変えていくことで、まわりによい影響を与えるばかりではなく、その人の人生をよりよくできるそう。人々のパーソナリティーの問題は社会全体にとって大切だと強調しています。
<参考文献>
Can You Change Your Personality? Scientists Say ‘Maybe’
https://www.ucdavis.edu/news/can-you-change-your-personality-scientists-say-maybe
The policy relevance of personality traits.
https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Famp0000503
心理学研究 2012;83:91-99.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/83/2/83_91/_pdf/-char/ja