閉経のタイミングは人によって早く来たり、遅く来たりと千差万別。とはいえ、結婚をしている女性は、未婚の女性に比べて、閉経年齢が遅いケースも多いとされます。結婚歴と閉経年齢につながりがあるのかどうか、海外で研究が行われました。そうしてわかったのは、セックス頻度が関係していること。頻度が高いと、体が妊娠しやすい状態を保つことにエネルギーが回されることで、閉経年齢は遅くなるそうです。
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米国人女性約2900人を対象に調査
閉経年齢はその国の文化によって大きく異なるようです。閉経のタイミングには多くのライフスタイル要因が影響するからです。これまでの研究によると、結婚している女性は未婚や離婚した女性に比べ、閉経のタイミングが遅いという報告がされていました。本当のところはどうなのでしょう。
英国ロンドン大学の研究グループがこのたび、結婚歴と閉経のタイミングの関連性について調べた研究結果を報告しています。研究グループは調査に当たって2つの仮説を立てました。ひとつは、セックスの頻度が高ければ、閉経が始まるタイミングが遅くなること。もうひとつは、男性フェロモンに触れていると閉経が遅れるというもの。分析したのは、米国で閉経移行期に女性の体に起こるさまざまな変化を調べた2936人分の研究データです。この研究では、1996年と1997年に最初のインタビューをし、2007年までに10回にわたって調査しています。
閉経のタイミングが26%遅く
そうしてわかったのは、閉経周辺期では閉経年齢とセックスの頻度には関連性がみられることでした。毎週または毎月セックスをしている女性は、それよりも頻度が少ない女性と比べて、閉経のタイミングが遅いことがわかりました。特に毎週セックスをしている女性は、閉経のタイミングが26%も遅くなっていました。
研究グループは、セックスの頻度によって、妊娠の可能性のシグナルを体が受けとっているのではと指摘しています。セックスの頻度が少なくなると、体は妊娠の可能性のシグナルを受けとらないために、大切なエネルギーをセーブし、排卵を停止するというのです。一方、男性フェロモンの影響についての関連性は示されず、男女がともに生活しても閉経に何ら影響ナシという結果に。
女性にとって人生のターニングポイントともいえる閉経。メカニズムの理解が深まれば、どううまく向き合っていけばよいかなど、今後を元気に過ごすヒントになるかもしれません。
<参考文献>
Sexual frequency is associated with age of natural menopause: results from the Study of Women’s Health Across the Nation
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.191020