長時間働くとたまってくる疲れ。休むことで疲労感がなくなればよいですが、なかなか消えないことも。ひどいとメンタルがやられる可能性もあるようです。このたび日本の研究グループが、メンタルにとってよくない働き方について報告しました。心をむしばまれないようにするにはどうすればよいのか。ヒントになるかもしれません。
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働き過ぎの影響とは?
これまでも働き方とメンタルヘルスとの関係については研究されてきました。働き過ぎはメンタルに負担をかけてしまい、精神的な疾患を招いてしまう可能性があります。日本でも働き方改革が本格的に進んでおり、勤務時間が厳しく制限されるようになりました。徐々にムリな働き方は減っていく可能性はあります。とはいえ仕事をしていると、どうしてもムリをしてしまうことも。どう気をつけるとよいのでしょうか。
このたび早稲田大学と国士舘大学の研究グループが働き方とメンタルヘルスとの関係について分析しています。メーカー企業に勤めているホワイトカラーの従業員1334人とブルーカラーの従業員786人を対象として、仕事の種類による違い、休息の効果などについて調べました。
週末や短時間の休息は大切
こうしてわかったのは、やはり働き過ぎはメンタルヘルスの問題を引き起こすということと、その問題は休息をとることで防ぐことができること。ただし、休息についてはとり方にポイントがあるようです。
まずホワイトカラーの従業員の場合、長時間の勤務はメンタルヘルスの問題につながることがわかりました。休息をとると防ぐことができるのですが、短時間の休息はあまり効果が示されず、週末の長時間の休息が大事だとわかりました。ブルーカラーの従業員の場合は、深夜勤務がメンタルヘルスの問題を起こしやすいことが明らかになり、やはり短時間の休息は効果が示されませんでした。
今回の研究からは、それぞれの働き方によってメンタルヘルスの問題を起こしやすい注意点があるほか、休み方についても1日に短い休みをとることはあまり意味がない可能性が示されました。仕事のために精神的負担が重くなっている場合は、土日などでしっかり休めるように心がけるとよいかもしれません。
<参考文献>
Soc Sci Med. 2019 Dec 27;246:112774. doi: 10.1016/j.socscimed.2019.112774. [Epub ahead of print]
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0277953619307695
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31923837