ペットのネコはずっと家のなかで過ごすのが一般的。変化の少ない環境のなかにあって、ごはんの時間は大きな楽しみです。飼い主としては特に意識することなく、お皿に食事を入れて与えるのがふつうかもしれません。しかしどうやらそんなごはんの時間にはコツがあるようなのです。米国では、ネコのストレス解消にもつながる工夫について推奨を出しています。
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ネコにはどんなふうにごはんをあげる?
「ネコにごはんをあげるのに工夫なんてあるの?」と思う人もいるかもしれません。とにかくお皿にペットフードを入れればよいのでは?と。じつは、そんな日常的な行為のなかにも工夫の余地があるようなのです。
2018年にネコのごはんのあげ方について声明文を発表したのは米国のネコの獣医師による団体(AAFP)。ごはんのあげ方によってネコの健康や幸せにもつながるという内容です。この声明文では、ネコの行動の問題がごはんのあげ方によって起こる可能性があると指摘。飼い主が何気なく行っている方法が問題になる可能性があるとしています。ではいったいどのようにすればよいのでしょうか。
自然な行動を大切に考える
声明文で推奨したのは、ネコが自然のなかで捕食するときのような仕掛けを飼い主が準備するということです。エサを狩るよう形でごはんを食べられるようにしたり、同じ量を食べるにしても、少しずつ何回にも分けて食べるようにしたりするのです。声明文では、そうすることで、ストレスにより発症する膀胱炎や、肥満によって起こる活動の低下や食べ過ぎが防げると説明しています。
たとえば、食事を小さく分けて、わざわざ違った場所に別々に置いたりして、ネコが食事を探す行動を引き出してあげるのがよいようです。そうすることで、ネコが野生の捕食行動に近い感覚を得ることができて、楽しみを覚えたり、食べ過ぎや、逆に少食になってしまう問題を防ぐことにつながるといいます。
ふだん、ネコにごはんをあげる方法が漫然としたものになって、代わり映えしない状態にあるとしたら、あらためることを考えるとよいかもしれません。
<参考文献>
J Feline Med Surg. 2018 Nov;20(11):1049-1055. doi: 10.1177/1098612X18791877.
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1098612X18791877
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30375945
AAFP releases consensus statement on how to feed a cat
https://www.avma.org/javma-news/2018-12-15/aafp-releases-consensus-statement-how-feed-cat