VIOとは、いわゆる「デリケートゾーン」のこと。VIO部分の毛の処理って、気になるけれど、人にはなかなか相談できないし、何から始めたらいいかわからないから放っておこうかな…。そんな考えはもう古い?! 思い切ってVIOケアを始めてみたら、今より快適で自由な自分になれるかもしれません。VIOケアの新常識についてお伝えしていくこの企画、初回は皮膚科医で銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生に、VIOケアのメリット・デメリットについてお伺いしました。
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そもそもVIOってなに?
VIOとはビキニライン(V)、女性器の両側(I)、肛門の周り(O)のアンダーヘアのこと。この部分の毛の処理をVIOケアといいます。
では実際のところ、みんなどうしているのでしょうか。海外では以前からVIOケアを行うことが浸透していますが、じつは日本でも、ここ最近始める人が増えてきています。
「特に40代女性が医療クリニックでVIO脱毛をはじめるケースが多くなっています。若い頃はVIO脱毛を恥ずかしいと感じていた人も、40代になると自分に自信がついて、恥ずかしさよりも快適さや清潔感を追求するようになります。アンダーヘアはツルツルでOKという方も結構いらっしゃいますよ」(銀座ケイスキンクリニック院長・慶田朋子先生)
確かにアンダーヘアがないほうが、水着や下着も好きなデザインを楽しめますし、ニオイや肌荒れなどもしにくくなりそうな気がします。ドクターの視点から見た、VIOケアのメリット・デメリットを教えていただきましょう!
アンダーヘアって、いる?いらない? その答えとは…
そもそもVIOゾーンのアンダーヘアはなくてもいいものなのでしょうか。
「衣服を着て快適に過ごせるような現代生活では、毛を残す必要は本来ありません。衣服がない時代は大事なエリアをクッションとして保護するためや、保温や断熱のためという役割があったのですが、今はむしろ毛があることで起こるデメリットを考えなくてはいけません。
女性ならおりもの・月経血がありますし、ふだんの排泄時の尿・便なども毛があることで付着しやすく、デリケートゾーンが汚れやすくなってしまいます。それらの汚れがもとになって、ニオイも発生します。
赤ちゃんのおむつ替えに例えると、赤ちゃんのお股は毛が生えていませんし皮膚もふっくらとしているので、お尻が汚れてもつるんとキレイにふきとりやすいですよね。つまり、毛がないことで清潔に保ちやすいのです。おむつかぶれはおむつのほうに尿が付着したり、濡れた状態が続いたりすることで起こるもの。大人の場合も同じです。汚れや水分が付着するもの=毛をなくしたほうが衛生的だといえます」(慶田先生)
アンダーヘアがないとメリットも多い
「アンダーヘアをすべて無毛の状態に仕上げることを“ハイジニーナ脱毛”といいます。ハイジニーナとは“清潔”という言葉が由来となっていますが、まさにその通りで清潔を保つためにはVIOには毛がないほうがいいのです。
妊娠出産時や介護生活に備えるための脱毛も今、人気です。
出産時、会陰切開の縫合の際に、医師は毛との戦いで苦労しています。毛がないほうがキレイに縫合しやすくなりますので、出産前に脱毛しておくといいですよ。また、介護を受ける際も拭き残しがなく、清潔に保ちやすくなります。介護者への配慮としての脱毛、という考え方もあります。
性生活においてもメリットがあります。
IOゾーンの長い毛が巻き込まれて性交痛を感じる人もいます。IOゾーンの毛をなくすことで、性生活の悩みが解消したという患者さんもいらっしゃいます。
IOゾーンは最初からツルツルにしてしまっていいと思いますが、いきなりVゾーンまでツルツルにするのは抵抗がある人も多いかもしれませんね。Vラインはコンパクトな三角形や小判型などある程度毛を残しておいて、徐々に減らすやり方もできます」(慶田先生)
自分好みのスタイルを探りながら脱毛を進めていくのがよさそうです。
次は先生に伺った、VIOケアをセルフで行う場合のリスクについてお伝えします。