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CATEGORY : ビューティ |ヘアケア

ヘアカラーで乳がん増える? 縮毛矯正やヘアマスカラも関連の可能性

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白髪を染める場面のイラスト

シャンプーやヘアカラー剤などのヘア製品のなかには、ホルモンに影響する化学物質や発がん性の物質が含まれている場合があります。このたび米国から、ヘアカラーや縮毛矯正剤を使っていると乳がんのリスクが高くなるという報告がありました。使う頻度が多いほどリスクが上がり、ほかの人にやってあげた場合でもリスクが高くなったそうなのです。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

研究参加者の55%がヘアカラーを使用

カラーリングをしてもらう女性

日本でヘアカラーは当たり前のものとして受け入れられているといっていいかもしれません。日本ヘアカラー工業会の統計データによると、ヘアカラーリング製品は2002年をピークに出荷が増え、それ以降は安定的に維持しています。

このたび米国国立衛生研究所などの研究グループは、ヘアカラーリングと乳がんとの関連について分析しました。対象としたのは、乳がんになった姉妹がいるものの、自分は乳がんになっていない女性4万6000人以上を追跡した研究データ。参加者は研究開始時のアンケートで、過去12か月間のヘア製品の使用について答えていました。平均8.3年の追跡期間中におよそ2800人が乳がんになり、研究開始時に参加者の55%が、髪を内部まで染めるタイプの「パーマネントヘアカラー(永久染毛剤)」を使っていました。

一時的なヘアカラーでもリスクは向上

美容室でカラーリングする女性

分析でわかったのは、パーマネントヘアカラーを使っていた人は使っていなかった人に比べて、乳がんになるリスクが上昇するということです。人種によって差が見られ、高まる傾向が顕著だったのは、黒人女性で45%高くなっていました。一方で、白人女性では7%高いという結果に。さらに、参加者全体で見て自分で行うセルフ縮毛矯正剤を使っていた人は、使っていなかった人に比べて乳がんになるリスクが18%高く、使う頻度が多かった人ほどリスクが高くなりました。

プロではない人がほかの人にヘアカラーや縮毛矯正をやってあげた場合も、ヘアマスカラやカラースプレーなど髪の表面だけを染める一時的なタイプのヘアカラー(一時染毛剤)で28%、縮毛矯正で27%、乳がんのリスクが高くなっていました。研究グループは、ヘア製品に含まれる化学物質が乳がんの発症に影響しているのではないかと結論しています。今回の研究は、姉妹に乳がんである人がいた場合が対象ですので、当てはまる人は研究結果を参考にするとよいかもしれません。

<参考文献>

日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーリング製品の種類」
https://www.jhcia.org/product/

Int J Cancer. 2019 Dec 3. doi: 10.1002/ijc.32738. [Epub ahead of print] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31797377
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ijc.32738

Risk of Developing Breast Cancer
https://www.breastcancer.org/symptoms/understand_bc/risk/understanding

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