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第3の食物繊維ともいわれる「レジスタントスターチ」。直腸まで届くレジスタントスターチは腸内環境を整え、ダイエットや病気予防などメリットがたくさんあります。レジスタントスターチは炭水化物を冷ますことで増えるので、ご飯の場合は炊いたあと、常温で1時間冷ますだけでOK。文教大学健康栄養学部教授の笠岡誠一先生の『炭水化物は冷まして食べなさい。腸活先生が教える病気を遠ざける食事術』から、レジスタントスターチの効果的な増やし方をお伝えしていきます。
主食を冷まして、毎日とろう!
レジスタントスターチを効果的に増やすには主食を冷ますこと。
「ご飯の場合は、炊いたあと、常温で1時間冷ますだけ。炊きたてのご飯のレジスタントスターチ量を100とすると、157程度まで含有量がアップします」(笠岡先生)
具体的には、炊飯ジャーから茶碗にご飯をよそい、そのまま1時間放置。水分を飛ばしたほうがよりレジスタントスターチが増えるため、ラップをするなら軽くすき間を開けておきましょう。ただし、長時間常温に置いておくのはNG。長時間、常温で置いておくと、雑菌が増えてしまう可能性があるためです。
また、炊飯ジャーのなかに入れたまま、保温機能を使わずに置いておくと、水分が飛ばずにレジスタントスターチが増えにくくなってしまいます。そのため、茶碗によそって冷ますようにしてください。
お弁当や冷凍したご飯は?
お弁当や冷凍したご飯ではレジスタントスターチは増えるのでしょうか。
「お弁当の場合、ご飯を詰めてから食べ始めるまで4時間程度経過していることが多いと思うので、何もしなくてもレジスタントスターチが増えています」とのこと。
では、余ったご飯を冷凍保存した場合は?
「冷凍ご飯は炊きたてよりレジスタントスターチが増えるものの冷蔵(常温)ご飯よりは増えないのです。冷凍ご飯は保存に便利ですがレジスタントスターチを効率よく摂取するという意味ではオススメではありません」
電子レンジで再加熱して食べることについても、「一度冷ましたご飯を電子レンジで再加熱すると、レジスタントスターチはやや減ってしまいます。しかし炊きたてご飯よりは多く含まれています」と笠岡先生。
ちなみに冷ましたご飯にお茶漬けやカレー、スープなど温かい汁物をかけてもレジスタントスターチは減らないそう。またコシヒカリよりササニシキ系のサラサラさっぱり食べられるお米のほうが、レジスタントスターチは多いといいます。
とりたいレジスタントスターチの量は、理想をいえば女性で1日4gほど。ちなみに、冷ましたご飯の場合、1人前で約1gのレジスタントスターチが含まれています。まずは1日1食、主食をレジスタントスターチにすることから習慣化してみましょう。
文/庄司真紀
参考書籍
『炭水化物は冷まして食べなさい。腸活先生が教える病気を遠ざける食事術』(アスコム)
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笠岡誠一 /文教大学健康栄養学部教授
かさおか・せいいち 1967年広島県生まれ。文教大学健康栄養学部教授。管理栄養士。食品栄養学修士(東京農業大学)。博士(農学)(愛媛大学)。山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、文教大学専任講師、アメリカ国立衛生研究所客員研究員を経て現職。専門分野は栄養生理学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。テレビや雑誌などメディアでの解説も多い。
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