今年、巷のダイエッターの間で、注目を集めているダイエット食材が「オートミール」。見逃せないダイエット効果や、美容健康効果が期待できるため、ふだんの食事にとり入れる人が増えています。オートミールのすぐれた機能や、じょうずなとり入れ方を紹介します。
Contents 目次
たっぷり含まれる食物繊維がダイエットをサポート!
欧米では、古くから朝食に欠かせない食材として、なじみがあるオートミール。
そもそもオートミールとは、オーツ麦が原料で、カラス麦やえん麦とも呼ばれています。オーツ麦はそのままでは食べられないため、短時間で調理できるように加工したのがオートミールです。オーツ麦の穀皮を取り除いて引き割り、蒸してからローラーで平たく伸ばすことで食べやすくなっています。まずはオートミールに含まれる、ダイエットや美容、健康にうれしい成分を紹介します。
ダブルの食物繊維で太りにくい体をサポート!
オートミールは穀物ながら、たんぱく質と食物繊維がずば抜けて多く含まれるのが特徴です。たんぱく質は、精白米の約2倍もの量が含まれます。また、食物繊維は、主要な主食と比較しても、非常に多いのです。100gあたりの食物繊維は、オートミールが9.4g含まれるのに対し、精白米0.5g、玄米3.0g、食パン4.2g、ライ麦パン5.6g、コーンフレーク2.4gという具合に、ダントツの含有量です。
さらにオートミールには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が両方含まれています。とくに水溶性食物繊維は、善玉菌を増やして腸内環境を整えるほか、腸内で短鎖脂肪酸を作ります。この短鎖脂肪酸が血液中に流れると、脂肪細胞が脂肪をとり込むのを防ぐため、太りにくい体質になれるのです。ほかにも、糖質のとり過ぎや吸収を抑制し、血糖値の急上昇を抑えるので、ダイエットをサポートしてくれます。
女性の美と健康に欠かせない「鉄」「亜鉛」が多い
オートミールは、不足しがちな必須栄養素であるミネラルで、美しさを維持するには欠かせない鉄と亜鉛を多く含んでいます。
なかでも鉄は、生理がある女性には不足しがちな栄養素。鉄が不足すると、赤血球の中のヘモグロビンが減少し、赤血球の数が減るため、酸素の供給が十分にできなくなり、鉄欠乏性貧血の原因にもなります。集中力の低下や頭痛、食欲不振などの症状が現れたり、筋肉中のミオグロビンが減ることで、筋力低下や疲労感といった症状も起こります。
オートミールに含まれる鉄は、植物性で食物繊維が豊富なことから、少々吸収しにくいので、吸収を促すビタミンCを含む野菜や果物と一緒にとるといいでしょう。
亜鉛は、ダイエット中に偏食が続くと、不足しやすい栄養素です。細胞の分裂などもつかさどるため、肌のターンオーバーにも関与しています。亜鉛とともに、たんぱく質やビタミンCなどの栄養素もバランスよくとることで、美肌作りにも役立つのです。
不足しがちな栄養が補える穀物
オートミールは、ビタミンB1やパントテン酸、マグネシウム、銅が穀物の中では比較的多く含まれます。ビタミンB1とパントテン酸は、ビタミンB群で、エネルギー代謝に関与するので、疲れにくい体や、代謝のいい体づくりに欠かせません。マグネシウムは、近年の食生活では不足しやすい栄養素のひとつで、片頭痛の予防や、脂肪を吸収しにくくして、内臓に脂肪をため込まない効果も期待できます。
このように多方面から、オートミールは、ダイエットに非常に効率のよい食材といえます。
オートミールダイエットは、1日1~2食の主食をオートミールに置き換える
ダイエットにオートミールをとり入れるなら、主食の代わりととらえて、1食あたり30~40gを目安に摂取するといいでしょう。オートミール1食あたり40gのエネルギーは、食パン1枚弱と同程度で152kcal。主な栄養素は、糖質23.9g、食物繊維3.8gになります。
女性の食物繊維の摂取目標量は、1日18g以上。20~29歳の女性は約6~7g、30~49歳の女性は約5~6gの食物繊維が足りないというデータがあるので、不足分を補う形でとり入れましょう。1日に1~2食、朝食や夕食の主食として30~40gを目安にとってみてください。もしくは、1日に1食の主食として30~40gと、おやつ代わりに20g程度とってもかまいません。
「ただし、人それぞれ体質に合う、合わないの問題があるので、便秘や下痢ぎみになるなど、腸の調子が悪化した場合は、体調を見ながら、量を加減するようにしましょう。どんなダイエットでも続けなければ意味がないので、ダイエットに有効な食材のひとつとして、ふだんの食事にじょうずにとり入れて、長い目で見てやせやすい食生活に変えていくことが大切です」(金丸先生)
また、オートミールのみで、食事をすませてしまうのもよくありません。食事が偏り、栄養が不足すると、不調が現れたり、空腹感が生じたりして、リバウンドしやすくなります。
そこで、オートミールには少ない、もしくは含まれていないビタミンCやカルシウム、βカロテン、ビタミンD、ビタミンK、葉酸が含まれる野菜類と一緒にとることを意識してみましょう。たんぱく質も穀物としては多いものの、1食分としては少ないので、卵や肉、魚、大豆製品を組み合わせてください。オートミールという優秀食材をとり入れながら、バランスよく食べることがダイエット成功の近道です。
「オートミールは、世界的には牛乳で煮込んだものがよく食べられています。オートミールを牛乳で煮るときにバナナで甘みをつけてもおいしいですよ。牛乳の代わりに豆乳や甘酒を使ってもいいでしょう。オートミールにヨーグルトを混ぜて発酵させずに焼いた、オートミールのヨーグルトブレッドや、オートミールに和風だしを入れて煮たオートミールがゆや、トマトリゾットも朝食にぴったり。おやつには、ミキサーでオートミールを粉末にしてから作る、オートミールパンケーキもおすすめです」
1日あたりの摂取量や、食べたあとの自身の体調変化などに気をつけながら、オートミールをダイエットにとり入れて、そのメリットを感じてみて下さいね。
文/土橋彩梨紗