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空腹の運動はやせるor太る? 太らないための思い込みは間違いだらけ!

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空腹の運動はやせるor太る? 太らないための思い込みは間違いだらけ!

「管理栄養士として働く中で、食事や栄養に関する情報は時代や時期によって変わることを実感してきました」と話すのは、一般社団法人臨床栄養実践協会の足立 香代子・理事長。例えば卵とコレステロール、果実の果糖に関する常識は、新たなエビデンスが出てきたことで、栄養学的には180度の大逆転が起こりました。今回は足立さんの著書「最新! 太らない食べ方」から、最新の栄養学に基づいた太らない食べ方の新常識をお送りいたします。

監修 : 足立 香代子

臨床栄養実践協会理事長。せんぽ東京高輪病院名誉栄養管理室長。質の高い病院食の提供と、検査値にもとづいた栄養診断による栄養指導に定評がある。著書に『太らない間食』(文響社)など多数。

Contents 目次

<Q> 中年になったら粗食にして体重を減らすべき?

<A> 40代からのやせ願望はあとから大きなツケがくる!

肥満やメタボはたしかに生活習慣病の引き金となります。
「しかし70歳以上の人の場合、総死亡率が最も低かったBMI値は、22.5から27.4となっていて、健康長寿のためにはふっくらしているほうがよいと言えるのです」
太ることは罪悪と多くの女性が思いがちで、年齢がかさむにつれ「油と肉はいけない」との思いから野菜中心の粗食となりやすくたんぱく質や油脂が不足する傾向にあります。

「野菜の摂取量が増えるのはいいことですが、たんぱく質や油脂が少なくなると、病気になったときの体力が保てない、また筋肉量が低下し免疫力も低下するなど、食べる量を減らして体重をキープするという方法では健康に長生きすることが難しくなってきます」

40代以降は日ごろから体力・筋力を備蓄しておく準備をする必要がある年代。「やせる」ではなく太りすぎないことを大事にしていきましょう。
太らないための食事においては「代謝を上げてくれる栄養素を足す」といった足し算の発想が大切です。

「年配のひとの中には「卵はコレステロールがあるからなるべく食べない」とおっしゃる人がいますがそれは過去の話。卵と血中コレステロールとは関係しないことが現在ではわかっています。卵は価格が安い上にたんぱく源としても優秀な食べものです」

厚生労働省の「日本人の摂取基準」でも2015年版から食事におけるコレステロールの摂取制限の目標が撤廃されました。「食事からとるコレステロールが気にしなくていい」ということになったのです。

<Q> 間食はダイエットに厳禁!?

<A> 間食をしたほうが太らない!

間食というと「甘いもの」ですが、これらは摂取カロリーをあげてしまうので、間食をしないほうがよいとされています。しかし、太りたくないなら間食したほうがいいのです。なぜなら間食したほうが夕飯の食べすぎを防げるから。

「お腹ぺこぺこの状態でご飯を食べるとかならず量を食べ過ぎてしまいます。
また空腹感が強いときは炭水化物をたくさん食べたくなります。
太る最大の要因は糖質の大量摂取にあります。「なんとなくお腹が空いてきたな」というときに、上手に間食をとることで炭水化物のとりすぎも防げます」
間食をするならカロリーの高さでも糖質の多さを気にかけることがおやつを食べても太りにくくする鉄則です。
太らないおやつにあげられるのは果物もそのひとつ。
果物は太るというのも思い込み。果物の甘みは果糖が約60%で、果糖は実はGI値が低く、血糖値をあげにくい糖質なのです。
その上果物は食物繊維が豊富でビタミン類も数多く含まれています。
特にキウイフルーツは食物繊維が多い、低GI、カルシウム、カリウムなど栄養素のバランスがよいのでお勧めです。

<Q> 少し空腹のほうがパフォーマンスは上がる?

<A> 運動時に空腹状態だと血糖値が急上昇する!

太らない生活のために運動ができるかぎりとり入れることが大切です。
ただし空腹状態のときは運動することを避けましょう。
空腹での運動は血糖値を急上昇させてしまいます。

「例えば食後4〜5時間してからジョギングやジム、水泳などの運動をするとします。
このぐらい時間が経過していると体は少し空腹の状態となっています。

そのまま運動を続けると体を動かすことでエネルギーが使われていきますから、血糖値は当然下がり続けますね。
運動の始めを血糖値100とすると運動中に70〜80くらいまで下がり低血糖気味となります。
すると今度はそれを補おうとし、血糖値が急上昇して糖尿病がない人でも130以上まで跳ね上がってしまうのです」

その後どうなるかというと、まず体が疲れやすくなり、めまいやだるさを感じるようになります。
同時に空腹感が強まり運動後の過食につながります。
また体内では肝臓が筋肉からブドウ糖を作りだそうとして筋肉の分解が進み、筋肉を作ろうとして運動しているにも関わらず、筋肉が壊れていくという本末転倒な状態が起こるのです。
こうした状態を引き起こさないためにも運動する30分〜1時間ぐらい前におにぎりでも何でもよいので軽くお腹に食べものを入れておくことが必要です。

新しいダイエット法や機能性食材も、正しい食知識があればこそ。
太らないための食の情報をバージョンアップして、健康と体型を守りましょう。

参考書籍
足立 香代子 (著)
最新! 太らない食べ方―「食べないでやせる」は大間違い!
(廣済堂健康人新書)

文/庄司真紀

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