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現代人は太っていても栄養不足!? 慈恵医大病院の栄養士が教える「脂肪をため込みにくくする」食事術

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健康によい献立を組み立て、ダイエット計画をつくる栄養士

体重を落としたいとき、カロリーだけを気にして食事をしていませんか。カロリー制限だけだとリバウンドする可能性が高まってしまいます。大事なのは栄養をバランスよくとること。今回は、慈恵医大病院で食事指導を行う栄養士の濱 裕宣さんと赤石定典さんが監修した書籍『あなたが太っているのは、栄養不足のせい 慈恵医大病院栄養士の正しくヤセる食べ方』(マガジンハウス)から、お伝えしていきます。

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

やせない理由は「栄養不足」だった!

ダイエットには食事から、といいますが、食事を見直してもなかなか体重が減らない場合は、“栄養不足”になっている可能性も。

“食べる量を減らしても、体重が変わらない”
“糖質を減らして野菜中心で食べているのに、なぜかやせない!”
「それは食べる量を減らしたために、体の消化吸収、代謝する本来のシステムに、必要な栄養素が足りなくなっているのです」と話すのは、慈恵医大病院で栄養士を務める濱 裕宣さん。

「たんぱく質、糖質、脂質の三大栄養素に加え、ビタミンやミネラルの栄養素や食物繊維などの成分をバランスよくとることによって、糖質や脂肪が燃焼しやすくなり、代謝量がアップしてカロリーが消費しやすくなるのです」(濱さん)。

現代人は肥満率が高まる一方で、摂取カロリーはダウン。「栄養不足」の状態にあるといいます。

「食糧調達が厳しかった終戦後の1947年、 日本人の平均摂取カロリー(1日)は1856kcal。高度経済成長期の1970年代には2287kcalに上昇。
しかし、それ以降摂取カロリーは減り続け、 2010年には1849kcalと、戦後を下回る事態に。
この飽食の時代に“なぜ?”と思いますが、私たちの栄養が不足しているのは、まぎれもない事実。
摂取カロリーが減っているのに、肥満率は増加しているのには、カロリーの“量”というより、“中身”のバランスに問題があるといえます」(濱さん)。

カロリー制限よりも栄養バランス

栄養不足の現代人。それが肥満につながっていきます。

“カロリーは、消費量より摂取量が多いと太る”
これは誰もが疑わない、栄養学以前のダイエットの常識です。
しかし食事制限のダイエットをすると、ほぼ100%リバウンドします。食べる量やカロリーばかり気にするため、何かを減らす発想になり、いつの間にか栄養も足りていない体に。みずから太りやすい体にさせているのです」(濱さん)。

リバウンドを防ぐためにもカロリーよりも気にしなければいけないのは、栄養のとり方。

「たとえば、たんぱく質が不足すると、筋肉を作れずに基礎代謝が下がります。糖質は食物繊維を含んでいるため、足りないと腸内環境が悪化し、脂肪をため込みやすくなります。脂質も体温を維持したり、排泄しやすくさせたりします。
このように、たんぱく質、糖質、脂質の三大栄養素をきちんととることは、食事バランスを高め、自然と脂肪をためにくい体質につながるのです」(濱さん)。

やせるために必要な栄養バランスは、たんぱく質13〜20%、糖質50〜65%、脂質20〜30%。それぞれが役割を分担し、どれが欠けても、偏っても太りやすくなるのです。
さらに三大栄養素に加えて、吸収や代謝を高めるビタミンB1、B2 ミネラル、排出・燃焼する力を高める食物繊維をとりましょう。

偏ったカロリー制限はガマンのダイエット。つらさを乗り越えてがんばったとしても、リバウンドしてしまうのは自然な理由です。食事のバランスを保ち、栄養素を不足させないことこそ、無理なくやせる近道となるのですね。

文/庄司真紀

参考書籍
濱 裕宣 (監修), 赤石定典 (監修)『あなたが太っているのは、栄養不足のせい 慈恵医大病院栄養士の正しくヤセる食べ方』(マガジンハウス)

 

【プロフィール】

濱 裕宣(写真右)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部課長。『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』(出版文化社)など、多数の健康レシピ本に関わる。給食栄養管理と臨床栄養管理をバランスよく機能させ、患者の立場に立った食生活の向上指導にあたる。

赤石定典(写真左)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部係長。『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』(出版文化社)など、レシピ本のプロジェクトリーダーとして、栄養食事指導によって、病態改善・治療・治癒への貢献を目指す。

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