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試合中のラグビー日本代表・薮内あゆみ選手1

アスリート女子。彼女たちは栄養素をバランスよく摂取しながら、食事量をうまく調整して体作りを行い、競技に臨んでいます。そんなアス女の皆さんに健康的な食生活を送る秘訣を教えていただこうという企画『アス女飯』。第9弾はラグビー日本代表・藪内あゆみ選手にお話を伺いました。

監修
青柳 愛

逆境を力に変え、前を向く藪内あゆみ選手の想い

試合中のラグビー日本代表・薮内あゆみ選手2

2015年、イングランドで行われた男子ラグビーワールドカップの南アフリカ戦の勝利。その4年後に日本で行われたラグビーワールドカップでは、史上初W杯8強進出を決めラグビー旋風を巻き起こし、東京オリンピックでも「7人制ラグビー」が行われることが決定しました。
一方、女子は2016年リオデジャネイロ大会ケニア戦で大勝した実績から、サクラセブンスのメダル獲得への期待度が高まっています。

今回「アス女飯」第9弾でご紹介するのは女子ラグビー日本代表・藪内あゆみ選手(23)です。3月に取材が行われましたが、オリンピックの延期が決定し、延期された東京オリンピックに対して現在どのような想いでいるのか。競技にかける想いと共に、ラガー女子としてどんな食事を心がけているかをご紹介します。
逆境を力に変え、前を向く藪内選手の想いを感じていただければ幸いです。

第8弾・フットサル・北川夏奈選手の記事はこちら。
フットサル日本代表・北川夏奈選手の競技人生を支えているおばあちゃんの味 ♯アス女飯

世界大会に出て感じた7人制ラグビーの魅力

15人制のラグビーと同じフィールドで7分〜10分ハーフ行われる7人制ラグビー(以下:セブンスと記載)。広いフィールドを少ない人数でカバーするため、ボールが大きく動き、スピード、アジリティ(刺激に対して反応し、すばやく方向・速度の転換を行う能力)、エキサイティングな展開が見どころです。
まずは藪内選手からおすすめの観戦方法を教えていただきました!

「おすすめの観戦方法は、ひとりの選手を追いかけて観戦することです。私は身長が155センチしかないので、身長の低い選手に目がいきます。南アフリカのデクラーク選手やコルビ選手が好きです。おわかりになる人いらっしゃいますか? 好きな選手を見つけると観戦が一層楽しくなりますよ」(藪内選手)

昨今の日本ラグビーブームを通して競技者として感じている変化について伺いました。
「以前はラグビーとアメフトの違いわからない人や、女子ラグビーの存在自体知らないという人も多かったのですが、日本で行われたW杯前後で反応が変わったのを感じています。今は応援の言葉をかけてもらえることが増えてうれしいですね。ラグビー人気が一時的なものに終わらず、ラグビーを楽しむ文化が根づいてほしいので、日本リーグ戦だけでなくワールドシリーズなど世界ラグビーも楽しんでもらい、競技自体を楽しむ人が増えてほしいです」(藪内選手)

藪内選手は今年2月、オーストラリアのシドニーで行われたTOP ワールドシリーズという国際大会で初出場を果たし、貴重な経験を果たしました。日本ラグビーはもちろん、ひいては世界ラグビーを観て競技のおもしろさを感じて欲しいという気持ちは、世界を肌で感じて得た自身の経験からもあるようです。

試合中のラグビー日本代表・薮内あゆみ選手3

ケガをきっかけに競技転向したラグビー

福岡県出身の藪内選手は、幼いころから身体能力が高かったこともあり小学校6年生から中学3年生まで県が行う「タレント発掘事業」に参加し、俊敏な動きが評価されラグビー種目が適正スポーツだと言われていたそうです。しかし、通っていた小学校や中学校には女子ラグビー部がなく、やむなくバスケットボールを続けていたそうです。
転換期を迎えたのは高校卒業時、大学でさらに輝くために種目を変える決意をします。当時を振り返り、次のように語ってくれました。

「競技転向することでもっと自分らしく輝けるのではないかと思いました。高校を卒業してからの道を考えたとき、身体能力の高い人たちと共にスポーツを極めたいという想いがあり、タレント発掘事業でラグビーが適正であるという結果もあったので、抵抗なく大学では女子ラグビーに力を入れている立正大学へ進学しラグビー人生をスタートさせました」(藪内選手)

日本代表にまで選ばれている藪内選手ですが、本格的にラグビーを始めたのは大学生からというのですから驚きました!
しかし、女子ラグビー自体がまだまだ競技人口が少ないのも事実で身体能力の高い選手を見つけるため、藪内選手に限らず他競技からの転向でラグビースポーツをはじめる選手は少なくないようです。

藪内選手の試合に臨む前のルーティン

いよいよ藪内選手に「食事」について話題を振ると照れ臭そうに話してくれました。

「代表チームの中で、じつはいちばんの食いしん坊だと言われています! 回転寿司のお寿司30枚(60貫)はいけますよ。今は、炭水化物を抜いてお腹を満たすことを意識しています!」(藪内選手)

日本ラグビー界の展望を語ってくれたときの印象とは違い、23歳のかわいらしい素顔が見えた気がしました。食べることが好きな藪内選手だからこそ、食事を通した体づくりへの意識も強いようです。

「ときどき栄養士さんがいらして指導があるので、今までの知識を参考にしながら食事をしています。海外遠征も多いので、海外でフィジカルをいかに保つか特に意識しています。合宿中、体重を増やさないことも大切にしていますが、それよりも体脂肪率を落とす意識が強いです。
海外ではビュッフェ形式が多いのでアボカド、卵、きのこを中心に、食べ過ぎない程度にベーコン、ソーセージといったものを食べ、パンは食べず、ライスを中心に食べています。魚料理があるときは魚を食べるようにしています。
試合期間中に入ると1日2~3試合が2~3日続くことが多いので、体の疲労をいかに回復させて次の試合に臨むかも重要です。試合の合間には食事はとらず、梅干しや果物のぶどうで補食をとっています」(藪内選手)

梅干しの酸味であるクエン酸は、体内のエネルギー源をエネルギー(熱)に分解します。クエン酸がこの働きを活発にし、疲労の原因である乳酸を分解して体外へ出す効果があります。
また、果物であるぶどうは体内に吸収されやすいブドウ糖や果糖などの糖質が多く含まれており、体内で代謝の経過を経ずにそのままエネルギーになってくれるので、疲労回復効果が非常に大きいと言えます。
梅干しとぶどうを試合での補食にしているわけも納得できますね。

食事以外にも試合日に向けたルーティンがあるという藪内選手。
「試合の2日前に行けるときは温泉に行っています。前日に行くと当日だるくなってしまうので2日前に行くようになりました。お風呂に入ったあとはルーティンでアロマオイルを体にぬっています。血行をよくする効果があるアルニカオイルの香りが大好きなので、体をほぐすためによく利用しています。かなり走るので、筋肉をほぐしておくようにしています」(藪内選手)

こまめなメンテナンスもおこたらない藪内選手。連日試合が続く過酷な競技であるセブンスは、いかに疲労を回復させられるかが重要なようです。

サクラセブンスのサクラ満開メニュー

ここでは薮内選手が食べたある日の合宿メニューの夕飯をご紹介します!

<献立>
ご飯(250g)
回鍋肉
三色冷奴
ひじきと切り干し大根の胡麻酢和え
大根のみそ汁
牛乳

今回はこの中から回鍋肉のレシピをご紹介いたします。

合宿メニューの夕食

<材料(1人分)>
・豚バラ肉  60g
・キャベツ  2枚
・ピーマン  中1個
・長ねぎ   1/3本
・ごま油 小さじ1
・すりおろししょうが 小さじ1
・豆板醤 小さじ1
・コチュジャン 大さじ1
・しょうゆ    少々
・酒     少々

<作り方>
1.豚のバラ肉はひと口大、キャベツは3〜4cm四方のざく切り、ピーマンは中の種をとって乱切り、長ねぎはみじん切りにする。

2.フライパンにごま油を入れて弱火に熱し、(1)でみじん切りにした長ねぎ、すりおろししょうが、豆板醤を加えて炒める。

3.香りがたったら(1)の豚バラ肉を入れて炒め、肉に火が通ったらキャベツとピーマンを加えて炒める。

4.キャベツとピーマンを入れて1分ほどして野菜がやわらかくなったところにコチュジャン、しょうゆ、酒を加えて一気に炒めます。全体に味がからんだら器に盛りつけて完成。

一食分のカロリーとしてはやや高めだそうですが、瞬発系と筋持久系(ハイパワーとミドルパワー)が必要な競技だけありコンディショニングを整えるためにしっかりとたんぱく質とビタミンB1をとれる豚バラ肉を使ったメニューをとり入れているそうです。

オリンピック延期が決まって…

改めて東京オリピック延期についてお話を伺ったところ、次のように話してくださいました。

「オリンピックの延期が決まったときの気持ちは複雑でした。2019年から合宿や試合では常に代表メンバーに入れるか落ちるかという緊張状態で、合宿も1か月の内3分の2以上は入っているような生活を送っていたので、その生活がさらに1年以上続くのは精神的にキツイと思いました。でも別の視点から冷静に考えたとき、私の中では東京オリンピックが競技人生の終わりではなく、そのあともラグビーを続けようと思っており、最終的に世界に通用するプレイヤーになるということが私の目標なので、目標に向かって今しかできないことをやって、また代表活動が始まったときには違った自分を魅せられるようにがんばろうと気持ちを切り替えました。長い目線でぜひ皆さんにもサクラセブンスを応援していただければうれしいです!」(藪内選手)

皆さんにラグビー競技を愛して欲しいと語った藪内選手。私たちも長くラグビーを楽しめるように観戦を重ね、オリンピックで応援できるといいですね。
オリンピックで活躍し、さらに世界に通用するプレイヤーとして活躍する藪内選手を見られる日を楽しみにしています。

ラグビー日本代表・薮内あゆみ選手の笑顔写真

【取材協力】藪内あゆみ選手
1996年9月12日生まれ。福岡県出身、23歳。山口県長門市の女子ラグビーチーム「ながとブルーエンジェルス」所属。7人制=SH、WTB、15人制=SH、WTB
筑紫女学園高-立正大/アルカス熊谷-ながとブルーエンジェルス(2019-)155cm/58kg。豊富な運動量と外を走りきるスピードを併せ持つ。立正大を今春卒業し、郷里・福岡に近い山口のながとブルーエンジェルスへ。

青柳 愛

青柳 愛

ホリプロ所属フリーアナウンサー。野菜ソムリエ、日本スポーツコーチ&トレーナー協会JASCATスポーツ栄養アドバイザー。日本テレビ系列静岡第一テレビ時代に農業番組を担当したことから「食」に興味を持ち、フリーアナウンサーに転身後は、イベント司会業、アナウンス業を行いながら、スポーツ取材の経験を活かしスポーツ栄養を専門としたライター・アドバイザーとしても活動中。著書『監督たちの高校サッカー』(東洋館出版)。
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