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CATEGORY : フィットネス |モチベーション(メンタル)

世代を超えて楽しめる! これから注目のスポーツ「ゲートボール」の楽しみ方 #アス女飯

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プレイ中の久保香菜絵さん

アスリート女子。彼女たちは栄養素をバランスよく摂取しながら、食事量をうまく調整して体づくりを行い、競技に臨んでいます。そんなアス女の皆さんに健康的な食生活を送る秘訣を教えていただこうという企画『アス女飯』。第18弾はゲートボールプレイヤーの久保香菜絵さんにお話を伺いました。

監修 : 青柳 愛

フリーアナウンサー。野菜ソムリエ、日本スポーツコーチ&トレーナー協会JASCATスポーツ栄養アドバイザー。日本テレビ系列静岡第一テレビ時代に農業番組を担当したことから「食」に興味を持ち、フリーアナウンサーに転身後は、イベント司会業、アナウンス業を行いながら、スポーツ取材の経験を活かしスポーツ栄養を専門としたライター・アドバイザーとしても活動中。著書『監督たちの高校サッカー』(東洋館出版)。
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Contents 目次

50以上の国と地域に親しまれている国際的スポーツ「ゲートボール」の魅力

プレイの様子を見ている久保香菜絵さん

今回ご紹介するのはゲートボール選手・久保香菜絵さん(24歳)です。
ゲートボールというと、シニア層を中心に親しまれているイメージが強いですが、じつは今一部の大学で体育の履修科目として導入され、地域のコミュニティツールとして世代間を超えて楽しめると注目を集めていることをご存じでしょうか?

ゲートボールは戦後間もない日本の復興とともに考えられた競技で、北海道芽室町で生まれました。1947年(昭和22)に当時北海道芽室町に在住していた鈴木栄治氏が、ヨーロッパの伝統的な競技のクロッケーとビリヤードをヒントにして、玩具がなかった時代に「子どもたちの遊び」として考えられたものでした。日本で発祥してから約70年を経て、現在は50以上の国と地域、1,000万人を超える人々に愛される国際的スポーツにまで成長しています。

「今こそ若年層の人たちに楽しんでもらいたい」と普及活動をはじめた久保さんの想いとともに今回の『アス女飯』をお送りします。

第17弾・3x3バスケットボールプレイヤー花田遥歌選手の記事はこちら。
新天地を求めてスタートした3x3プレイヤー花田遥歌選手の挑戦 #アス女飯

じつはとってもCOOLなスポーツ!戦略が大切なゲートボール

久保さんはまさにゲートボールの発祥の地である、北海道芽室町出身。白樺学園高校在学中だった2013年、ゲートボールを町として盛り上げていこうと新しく学校でゲートボール部を創部することになり、大会に出場するまで手伝ってほしいと先生から説得されたことが始まりだったそうです。当時、どのような想いでゲートボールをはじめられたかを伺いました。

「正直、芽室発祥の競技と言っても見たことも聞いたこともなかったので未知の世界に飛び込むような気持ちでした。地元でゲートボールを続けている人にコーチとして指導していただきながら、次第にその奥深さを知っていきました。思っている以上に、チームプレーで戦略が重要な競技なのですよ」(久保さん)

久保さんが戦略もおもしろさのひとつであるというゲートボール。5対5合わせて10人の選手が、それぞれ自分のボールをスティックで打っていき、 決まった順番に3つのゲートを通過させ、ゴールポールに当てれば上がりとなる競技です。ゲートを通過するごとに1点、ゴールポールに当てると2点になり、合計点を競います。自分のチームのためにボールを有利な位置に進めたり、相手チームのボールを妨害したり、チームで連携をとることで戦略的なプレーができるそうです。

そんなルールもあってか海外ではとても”COOL”なイメージもあるようで、世界ゲートボール連合には中国、韓国、インドネシアやフィリピンなどの東南アジアのほか、オーストラリアや南米の一部の地域が加盟しています。
このように広まった背景には、ブラジルの日系人社会や東南アジアでの若者世代での人気によって広まったことがあるようです。

「日本では高齢者のスポーツとして受け入れられがちですが、世界ではルールの持つ知的なイメージや世代や性別を超えて楽しめるという特性もあり若い人たちにも親しまれているのです。発祥の国なのですからもっともっと世代を超えてゲートボールに親しんでもらいたいです」(久保さん)

日本で生まれながら、海外で若い世代を中心に受け入れられているゲートボールを逆輸入するように、戦後の盛り上がりをもう一度とり戻すべく、日本ゲートボール連合が始動しました。その名も『ゲートボール再生プロジェクト』です。

コミュニケーションツールとしても楽しめることを伝えたい

集合写真

去年11月から発足した北海道ゲートボール連合による『北海道版ゲートボール再生プロジェクト』のメンバーのひとりとして、久保さんはどのような思いで普及活動をはじめているのでしょうか。

「4年前から保育士として働いているのですが、保育所に高齢者たちを招いてゲートボール交流会を開催したことがありました。自分の園の保育園児たちがおじいちゃん、おばあちゃんからゲートボールを教えてもらって生き生きとしている姿を見たときは感動しました。

じつは、私自身も高校で始めたゲートボールを卒業しても続けるとは思っていませんでした。たまたま札幌での専門学校時代に、同じようにゲートボール続けていた人と出会えたおかげで続けることができました。私にとってゲートボールは、コミュニケーションツールのひとつになりました。再生プロジェクトでは、自分のこれまでの経験を通して競技者としてプレイするだけでなく、楽しんでみよう! と軽い気持ちでスタートしてもらえる人を増やし、世代を超えて輪を深めることができる楽しさを感じてもらえたらうれしいです」(久保さん)

昨年は新型コロナウイルスの影響もあって具体的な交流会などのイベントは開催できなかったそうですが、今年度は交流イベントなども少しずつ企画していくそうです。また、また、日本ゲートボール連合の再生プロジェクトでは、大学スポーツとしての普及展開を推進しており、2019年から全国約20の大学でゲートボールが授業として実施あるいは導入が決定。ゲートボールを授業に導入する先生たちからは地域の世代交流スポーツ、ユニバーサルスポーツ、レクリエーションスポーツとして注目されているそうです。

今後は大学生が気軽にゲートボールを親しめるよう久保さんをモデルにYOUTUBE動画でルールの説明も行っていくそうです。

「動画のモデルなんて言われるととてもはずかしいですね(笑)。でも、ルールがわからなくなっても、スマホを持ちながら楽しめるというのがとっても画期的だと思いませんか? コンタクトスポーツなどの激しい運動じゃないからこそできること。これからの時代にまさに合っているスポーツになっていくのではないかとも思っています」(久保さん)

試合の間食タイムが交流の場

さて、ゲートボールはふだんの大会はどのように行われているのでしょうか。
試合は朝8時くらいからスタートすることが多く、当日は何試合も行われるので試合と試合の合間を見つけて軽めの軽食をとることが多いそうです。久保さんはどんなものを間食にとっているのか伺いました。

「私は個人的にはゆで卵など軽めに食べられるのが好きです。対戦相手のチームのおばあさまから漬けものをいただいたり、お団子をいただくこともありますよ(笑)。試合中はもちろん緊張感はありますが、試合と試合の合間は和気あいあいとした雰囲気もあるので、カーリングのもぐもぐタイムみたいにちょっとつまみながら戦略を話し合うこともあるんです」(久保さん)

コミュニケーションの場としてや、チーム内で戦略などを話し合うためにも間食タイムは大事な時間なようです。

時短料理&一品でも栄養バランスがいい「お好み焼き」がおすすめ!

お好み焼き

それではそんな久保さんに#アス女飯を2品ご紹介いただきました。
有酸素系の激しい運動ではないのでそこまでストイックに食事制限をしているわけではないそうですが、野菜、たんぱく質、脂質、ビタミンなどバランスよく摂取できるように心がけているそうです。

時短にもなり一気にさまざまな食材が食べられるおすすめはお好み焼きだそう。
久保さん流のお好み焼きはキャベツとねぎとちくわと揚げ玉と小えびを入れて、つなぎに長いもを使うときもあるそうです。地元で使った食材もふんだんにとり入れるように心がけているそう。地元の北海道で作られたキャベツは甘みも多くお好み焼きにぴったりなのだとか。

とんかつ

こちらが試合前日のメニューのとんかつです。
試合と試合の合間はなかなか一気に食べることができないので、前日の夜はたんぱく質類を多く、少し脂質のある食事が多いそうです。

普及とともに社会人大会出場へ

職場でゲートボールを楽しむ人たちにとって目指す大会があります。社会人チームを対象とした職域対抗の「全国社会人ゲートボール大会」です。2年に一度の隔年開催で久保さんは2019年の大会で初出場を果たしました。

「今までは地元の大会を中心に出場していたので、これからはもう少し全国大会にも出場したいと思っています。一昨年の全国大会に出て、あまりのレベルの高さに圧倒されました。私たちは役場の若手職員で結成されたチームでの出場だったのですが、さまざまなコミュニティのチームの人たちが参加されていて地方チームの人たちとも対戦し、非常にいい刺激をもらいました。この競技は生涯続けられると思うので、競技者として永遠に伸びしろを持って続けられると思っています。普及活動もしながら、やっぱりまた全国の舞台で活躍してみたいですね」(久保さん)

これからも地元を愛し、世代を越えたゲートボールの楽しみ方を楽しみながら選手としても活躍されていくのが楽しみです!

ゲートボール上で撮影された笑顔の久保さん

【取材協力】久保香菜絵
ゲートボールプレイヤー競技歴7年。ゲートボール発祥の地、北海道の芽室町で保育士として働きながら、市役所チームに所属している。白樺学園高高校2年からゲートボールを始める。高校2、3年で全国ジュニア大会出場。
2019年には社会人全国大会出場。全町ゲートボール大会発祥の地杯全国ゲートボール大会、北海道ユースゲートボール大会、北海道ユース・ミドル親善ゲートボール大会など数多く出場している。

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