隠れ家的パーソナルトレーニングジム「STUDIO Apro.(スタジオアプロ)」主宰のKAORUさん。フィットネスクリエイティヴディレクターとして独自のメソッドを構築してスタジオを率いる一方で、名だたる女優やモデル、美容家たちから指名が入る、人気のパーソナルトレーナーとして活躍しています。30年以上、フィットネス業界で活躍しているKAORUさんがレクチャーするのは、長年のクセでかたくなってしまった筋肉を「リリース」でほぐしたのち、ヨガやピラティスをベースにした独自の「ストレッチ」で、体本来の機能をとり戻す「リセットストレッチ」。機能的に動ける体に導くことで、理想のボディラインに近づけます。今回は、股関節の柔軟性を上げる「リセットストレッチ」について教えていただきました!
Contents 目次
ボディメイクには重要!? 股関節の柔軟性
「理想のボディラインを手に入れたいなら、股関節の柔軟性が重要です」とKAORUさん。その理由とは?
「股関節は太もものつけ根にある関節です。脚を前後左右に振り出したり、脚をグルグルと回したり、曲げたり伸ばすことも自在にできるため、立つ、座る、歩くといった動作に深く関わります。また、股関節は脚の動きに関わるだけではありません。骨盤とつながっているため、背骨の美しいS字ラインを作る決め手となります。そして、お腹や背中とも連動するため、体幹をうまく使えるようになるには、股関節の柔軟性がとても重要なのです」(KAORUさん)
ところが多くの人の股関節はかたいもの…。
「股関節周りの筋肉がかたく、開かない人が多いですね。ヒールをはいていたりすると歩幅も狭くなり、太ももを使って歩かなくなってしまいがちな女性は、股関節がかたくなっているもの。股関節がかたい人は、大抵お尻もかたくなっています。まずは、お尻をほぐす『リリース』から始めましょう」(KAORUさん)
お尻のリリースで、股関節の動きをスムーズにする
テニスボールを使って、股間節の動きに関わるお尻の筋肉をほぐしましょう。
左脚を伸ばして床に寝そべり、左のお尻にボールが当たるようにします。右ひざを立て、左ひじを床につけ、体を支えましょう。ボールを前後左右に30秒動かします。反対側も同様に。
もし少し痛みを感じるところがあったら、それはこっているところ。股関節を曲げ伸ばししたり、上体を立てたりして調整しながら、お尻の深層部の筋肉をほぐしましょう。
「時計の針のストレッチ」で、股関節~上体を伸ばして柔軟に!
お尻のかたさをほぐしたら、次はストレッチです。
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右脚を前にして、両ひざを曲げ、横座りをします。
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左腕を左後方に伸ばします。
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時計の針のイメージで、腕をできるだけ伸ばしながら半円を描くようにして回し、同時に体を伸ばします。腕を前方から後方に回転させるときは、ひざ立ちになってお尻を床から持ち上げ、お腹と足のつけ根が伸びているのを感じましょう。同じ道筋を通り、元の位置まで戻りましょう。反対側も同様に行い、やりにくいほうを多めに行うと、骨盤のゆがみも改善できます。
KAORUさんが教えてくれた「リセットストレッチ」は、お尻のこりからほぐすことで股関節が柔軟になり、脚の可動域がグンと広がります。歩幅も広がり、日常の動作がそのままエクササイズに!
冒頭で説明したように、股関節の柔軟性がお腹や背中の伸びと体幹の連動のカギ。柔軟性が高まると、お腹がへこみ、背中のラインがキレイになるばかりかヒップアップにも効果的です。さらには脚ばかりに負担をかけて歩くことがなくなるので、レッグラインも整ってくるなど、ボディメイキングの点からも見逃せないことがいっぱいあります。
開脚が苦手な人、股関節がかたい人、リセットストレッチで柔軟性をとり戻しましょう!
撮影/徳永 徹 ヘア&メイク/辻元俊介(ラ・ドンナ) 取材・文/平川 恵