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おこもり中に実践! 乱れやすい自律神経を整える4つのセルフケア〜ホリスティック薬剤師の処方箋〜

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おこもり中に実践! 乱れやすい自律神経を整える4つのセルフケア〜ホリスティック薬剤師の処方箋〜

外出を自粛するため、ライフスタイルやワークスタイルが大きく変わり、生活に不自由さやストレスを感じている人も多いことでしょう。先の見えない不安などもありますが、せっかくなら、おうち時間がたっぷりある今を絶好の“おこもりセルフケアタイム”と捉えて、少しでも心と体にとってプラスになることに挑戦してみませんか? この時期とくに乱れやすい自律神経を整え、健やかな心と体を手に入れるためのセルフケアについて、ホリスティック薬剤師の佐々木貴美さんにお話をうかがいました。

監修 : 佐々木貴美 (ホリスティック薬剤師)

薬に頼りすぎず、自然療法・予防医学・栄養学などもバランス良く取り入れ、「体の内側から健康で美しく、ハッピーに」をコンセプトに発信する、ホリスティック薬剤師。
電子書籍「健康美を手に入れて自分を輝かせるための15の処方箋」著者。
ブログ「Holistic Beauty Pharmacy」
https://ameblo.jp/holistic-life-design

Contents 目次

春は自律神経が乱れやすい時期


佐々木さんによると、春は自律神経が乱れやすい時期だといいます。
そもそも自律神経とは、人間の意志に関わらず24時間365日絶えず働き、血液循環や呼吸、消化吸収、新陳代謝、体温調整などを行う、生命活動に欠かせない神経のこと。アクセルのような働きをする「交感神経」と、ブレーキのような役わりを担う「副交感神経」からなる自律神経は、どちらかに偏るのではなく、両方のバランスがとれていることが大切だそう。


「1日のなかで昼間は交感神経が、夜は副交感神経が優位になるのが本来のリズム。ですが、ストレスや睡眠不足、不規則な食生活や運動不足など、現代人の日常には自律神経を乱しやすい要因が多くひそんでいます」と佐々木さん。
気温差や環境の変化などが大きい春は、冬の間にため込んだものや思いを発散させる時期にあたるため、解毒や排泄の役わりを担う「肝」への負担が大きくなるのだそう。
「東洋医学における『肝』とは、たんに臓器としての肝臓を指すだけでなく、血流、自律神経などにも関わっています。そのため、『肝』に負担がかかり、うまく働かなくなるとイライラやストレス、めまい、頭痛、血圧の上昇、睡眠障害、生理不順、生理痛などの不調が起こりやすくなります」と警鐘を鳴らします。

自律神経の乱れを整えるセルフケア

私たちが生きていくうえで自律神経の働きは欠かすことができません。その乱れを整えるには、どのようなケアが有効なのでしょうか。

<1>早寝早起きを心がけ、規則正しい生活を! 

「外出自粛が要請されている今は、ふだんに比べて自由に時間を使える人も多いと思いますが、1日中ダラダラと過ごすなどメリハリのない生活は、自律神経のバランスを乱す一因となります。交感神経が優位な昼間には頭を使う仕事や勉強などをして過ごし、副交感神経が優位になる夜はリラックスして過ごすことで、体内のリズムに沿った自律神経を整える生活を送ることができます」

また、日中に活動することは、良質な睡眠をもたらすうえでも有効だといいます。

「太陽光を浴びると、その間は眠りを促すホルモン『メラトニン』の分泌が抑制されて覚醒し、夜になると分泌が促されます。さらに、漢方の考えでは『春は補陽』といって陽気を補うことで、外部から侵入する病気の原因から身を守る作用があると考えられており、これは感染症の予防策としてもとり入れやすい方法です。
1日のなかでも、朝方から夕方にかけては『陽』、夕方から朝方にかけては『陰』が優位になる時間帯といわれているので、自然の陽気をとり入れるためにも、外出自粛中も早寝早起きを心がけて、散歩などで陽気を補えられるといいですね」

<2>気温差による冷えに注意!
「春は気温差が大きいため、暖かくなってきたからといって急に薄着になると、寒の戻りがあったときに体が冷えて血流が悪化し、さまざまな不調の原因となってしまうので油断大敵です」と佐々木さん。
温度調節しやすいようにカーディガンやストールを持ち歩くなど、上半身は薄着でも、下半身や足もとが冷えないような工夫をすることが大切です。

「また、お風呂はなるべくシャワーだけで済ませず、湯船に浸かりましょう。38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かると副交感神経優位になり、心身がリラックスした状態になって良質な睡眠につながります。好きな香りの入浴剤などを入れると、よりリラックスできてよいでしょう」

<3>香りをとり入れて、気の巡りを促す

「イライラしたり、ストレスをためこんだりすると、『肝』に負担がかかり、気巡りが悪化することで自律神経の乱れやさまざまな不調を引き起こしやすくなります。
漢方では香りが気巡り改善のポイント。具体的には、セロリ、柑橘類、大葉、パクチーなどの香味野菜、レモングラスやペパーミント、柑橘類の精油やハーブティーがおすすめです。もちろん、適度な運動や自分なりのリフレッシュ法をとり入れて、ストレスをため込まないようにすることも大切です。
今の時期は、不安やストレスを増幅するようなニュース、SNSを見過ぎないことも意識したいですね」

<4>健康をサポートする食材をとり入れる

最後に、健康の基本となる食生活についてもアドバイスをいただきました。

「漢方では、緑黄色野菜や青魚などの『緑』『青』の食材、また、柑橘類、酢、いちご、梅などの『酸味』の食材は、『肝』のサポートによいといわれます。酸味には収れん作用があり、とり過ぎはデトックスの妨げになるので、適度にとり入れるようにしましょう。
また、ナツメ、やまいも、さつまいも、かぼちゃ、はちみつなどの『甘味』『黄色』の食材、発酵食品などは胃腸の働きをサポートするものとしておすすめです」

自宅で過ごす時間が長い今は、規則正しい生活やバランスのとれた食事、自律神経のリズムを意識した時間の過ごし方など、忙しい日々の中ではなかなか実践できないことに向き合うチャンスでもあります。自律神経の乱れを整えることは、健やかな心と体に直結すること。せっかくおこもりをするなら、何かひとつでも心と体にプラスになる工夫や習慣をとり入れてみましょう。

文/野田美香

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