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かかと体重®で歩くとスリムな脚に! 美脚大作戦vol.3 ~立ち方をマスターする~

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かかと体重®で歩くとスリムな脚に! 美脚大作戦vol.3 ~立ち方をマスターする~

かかとに体重を乗せるように「立つ」「歩く」だけで、ひざ痛や猫背、O脚、X脚、外反母趾、むくみなどの症状が改善されると話題の「プライマリーウォーキング®」。
FYTTEでは、「O脚を治したい!」「しなやかな筋肉の脚になりたい!」「むくみのないスッキリした脚を手に入れたい!」など、美脚になりたいと願うみなさんのために、この「プライマリーウォーキング®」のやり方をお伝えしていきます。

第3回は、ウォーキングの基本である「立ち方」をマスターします。教えてくださるのは、アスリートやダンサー、宝塚歌劇団の団員や生徒などの治療にあたる傍ら、「プライマリーウォーキング®」を考案、プライマリーウォーキング®協会創設者でもある岡本啓司先生。
かかとに体重を乗せて歩けるようになるためにも、正しい立ち方をカラダにしっかり染みこませましょう!

監修 : 岡本 啓司 (おかもと けいじ) (トレーニング指導士)

鍼灸師、トレーニング指導士、プライマリーウォーキング指導者協会会長、大阪府高齢者大学校講師。鍼灸・整体治療院「岡本流身体調整研究所」を開設。長年、身体の不調を訴える患者の治療と研究を続け、「プライマリーウォーキング®」を考案。2010年プライマリーウォーキング指導者協会、11年、㈱プライマリーウォーキングジャパン設立。治療院には、スポーツ選手をはじめ、モデルや著名人なども多く訪れる。40歳からはじめたゴルフでは、ドラゴン競技のシニア部門で3度の日本チャンピオンに輝く。著書に、『かかと体重®で歩くと脚の悩みは9割解決する』(ゴマブックス)、『プライマリーウォーキングで歩けば若返る!』(三笠書房)、『まっすぐ美脚。立って 座って 歩くだけ』(ゴルフダイジェスト)、『秘技! スプリント打法のすべて。』(ゴルフダイジェスト)などがある。

Contents 目次

より少ない力で、慣性・惰性で歩く

ここからは、いよいよ「かかと体重®」で歩くための準備をしていきます。
前回ご説明しましたが、この歩行方法は物理的・骨格的に理にかなった歩き方で、赤ちゃんのように筋肉が少なくても、余分な力をかけなくても、慣性・惰性を利用して進むため、長く歩いても疲れにくいのが特徴です。
また、かかとの上に重心位置を置くと、重力に対してまっすぐ立てるようになり、骨格のアライメント(構造・バランス)が整うため、この歩行方法を続けていくと、むくみやだるさが解消されていきます。また、見た目も感覚もすっきりして、違和感がなくなるのを実感できるでしょう。

かかとに体重を乗せて、まっすぐに立つ

歩き方の基本は「立ち方」から始まります。
正しい立ち方のポイントは次の3つです。

① かかとに体重を乗せて立つ
② つま先を60°に開く
③ 上体をラクに積み重ねる

①について、日本人のほとんどがつま先に体重を乗せて立っています。特に、脚が前に傾いて、腰を反って立つ人が多く見られます。また、腰を丸めたり、猫背になっている人も少なくありません。

左・中央:かかとに体重を乗せて立っている状態。欧米人に多く見られる。
右:つま先に体重を乗せて立っている状態。日本人に多く見られる。

靴下の前半分が破ける、足裏の前の部分にマメができる…といった経験はないでしょうか?
これは、重心が前にかかっていて、つま先体重で歩いているために起こります。

「かかと体重®」のメリットは次の3つです。

① より少ない筋力で立つことができる
② 脚が鉛直(地面に対して垂直)になることで、筋力をほぼ使わずに立つことができる
③ 上体や頸部(けいぶ)に負担をかけずに頭部を乗せられる

下肢静脈瘤については、②の脚が鉛直(地面に対して垂直)になると、静脈の弁のつまりを防ぐことができ、結果、弁が壊れにくくなるという利点があります。

ではここで、つま先で立つとどれぐらい脚に負担がかかるか、体験してみましょう。

つま先に体重をかけると…?

次のステップで、つま先に体重をかけてみましょう。

① まっすぐに立って、足の指をぎゅっと握る
② つま先側に体重を乗せる

実際にやってみていかがでしたでしょうか?
少し長い時間続けると、足の指が痛くなってきて、足裏やふくらはぎが震え、身体がふらふらして不安定になってくるはずです。
足の指先は、かかとに比べて力が弱く、身体を支えるのは難しい部位です。そのため、脚の筋肉に余計な負荷がかかり、過度の疲労や血流の悪さにもつながります。
重心の位置がつま先側になる「つま先体重」は、下肢静脈瘤のほか、外反母趾、腰痛、変形性股関節症、変形性膝関節症、アキレス腱炎、足底筋膜炎などのトラブルの原因にもなります。
一方、「かかと体重®」で立つと骨格が整うため、ムダな筋力を使わず、上体にも下肢にも負担をかけず、長時間立ち続けても疲れにくいのです。

つま先を60°に開く

この「かかと体重®」での歩行は、つま先を60°外側に向けて立つのが基本。つま先を開いて、外股で立つのが恥ずかしい人もいるかもしれませんが、右足と左足を前後にずらして60°に開けば、女性らしい美しい立ち方になるのでご安心を。

つま先を60°に開いて立つと、次のようなメリットが得られます。

● 母指側に体重がかかり、脚の内側の筋肉が発達する(O脚やひざ痛の防止になる)
● ヒップアップ効果がある
● 股関節の可動域が広がり、脚を後方まで動かせるようになり、ハムストリングス(太ももの後ろ側の筋肉)が発達する

このように、特別に負荷をかけるトレーニングをしなくても、つま先を60°に開いて立つだけで、全身の必要な筋肉が発達し、脚が美しい形になります。

上体をラクに積み重ねる

よく、「まっすぐに立ってください」と言うと、胸を張って腰を反らす人がいるのですが、それは「まっすぐ立っている」という状態とは言えません。一見姿勢がよく見えるのですが、背中や腰を反らしているということは、股関節をも反らしていることになり、骨格にゆがみが生じているにすぎないからです。

しかし、「かかと体重®」にしてつま先を60°に開いて立つと、胸を張ったり、腰を反らしたりしなくても、自然とまっすぐに立つことができるのです。なぜなら、つま先を60°に開いて立つとかかとに体重が乗るため、無理に力を使わなくても、上半身をまっすぐに保てるのです。
これが、「まっすぐに立つ」ということです。

かかと体重(左)とつま先体重(右)。

また、まっすぐに立っていない状態というのは、肩周りに力が入り、筋肉がこわばるため、上半身の血流が悪くなり、ひいては全身の血流までも悪くする可能性があります。すると、むくみはもちろん、下肢静脈瘤など、さまざまな病気を引き起こすことにもつながります。
逆を言えば、上半身を無理なくかかとの上に乗せることができれば、鼠径部(そけいぶ)の血管やリンパ管の圧迫が解消され、脚の血流がよくなり、むくみや下肢静脈瘤の予防もできるということ。
そして、同時に下腹部の滞りも改善され、お腹周りが引き締まって、「ぽっこりお腹」も解消されます。
この上体を脚に正しく乗せる方法として、「上肢帯のセット®」と「首・頭のセット」があるので、こちらは次回ご紹介したいと思います。

立ち方を変えるだけでも、血流やリンパの流れがよくなり、脚のさまざまな悩みを改善できるはずですので、ぜひ毎日この「立ち方」を意識してみてくださいね。

<参考書籍>
『かかと体重®で歩くと脚の悩みは9割解決する』(ゴマブックス)

撮影/国井美奈子 取材・文/垣内 栄 モデル/鈴木 優(バウンドプロモーション)

 

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